雪椿紅椿3話
栄林は昼休みになると椿の咲く庭園に向かった。またここに来れば旗服の少女に会えると思ったからだ。
椿の庭には誰もいなかった。栄林は1人で宮中の宴で歌った歌を歌いはじめた。栄林が幸せだったときの思い出がつまった歌だ。
「栄林王女様やっぱりいらしたのね。」
侍女が自分を呼びに来たのかと思い返事をする。
「ごめんなさい。今は1人になりたいの。だから」
そう言って振り替えるとそこには侍女ではなく旗服の少女が立っていた。
「貴女は先日の?でもどうして私の名前を?」
「やっぱりそうだったのね。だってその宝珠。秦国の家宝だと言ってたじゃない。わたくしが8つの時にお会いした時と同じ物だわ。」
旗服の少女こそが10年前に一度だけ遊んだ思い出のお姉様だったのだ。
栄林はふと学校の言い伝えを思い出す。
「お姉様、私達って10年前から」
「いえ、まだだわ。」
言い伝えにはこうだ。互いの髪に白い椿と赤い椿をそれぞれ飾ること。
お姉様は赤い椿の花を1つ木から摘む。
「栄林王女様、これは貴女がわたくし清麗と正式な疑似姉妹になるための儀式よ。」
「清麗お姉様どうしてここまでしてくださるのですか?」
清麗は10年前は引っ込み思案な少女でなかなか友達ができずにいた。栄林が自分のことをお姉様と慕ってくれたのが嬉しかったのだ。だから今度は自分が力になろうと思ったのだ。
「わたくしの父は宮中に出入りが許されている指折りの貴族。貴女が王位に返り咲くために力になれるわ。」
清麗は栄林の髪に赤い椿を翳した。
Fin
疑似姉妹は日本でもエスといって大正時代の女学生の間で流行っていたとも聞きますね。もしそれが紀元前中国だったらみたいに書いてみました。
現代では某少女漫画にも「疑似姉妹」の話はありますね。




