3つの蘭 第2話
「紫蘭お姉様はどなかかいらっしゃらないの?気になる皇子様は。」
青蘭は白い花が咲く木の下で美しい姿勢を保ちます。そんな自身の姿を描く姉の紫蘭に尋ねます。
「そうね、わたくしはやはり月皇子が気になっておりますわ。」
月皇子は北の方にある法典国の皇子です。
文武両道な皇子様で詩を嗜み馬術にも長けているという噂です。
「月皇子と遠乗りなんてしてみたいですわ。」
「素敵ですわね。」
「青蘭は壮皇子のどこを好いておりますの?」
「そっそれは。」
青蘭は顔を赤くします。
「あら、桃蘭。」
紫蘭の視線の先には妹の桃蘭が立っていました。
「どうなさったの?桃蘭。」
「お姉様方が楽しそうな事やっていたのでつい見入ってしまいましたわ。」
「紫蘭お姉様に絵を描いて頂いてるの。」
「青蘭は自身の肖像画を壮皇子に送ろうと考えてるのよ。」
「まあ、そうでしたの。」
「桃蘭はどなか気になる皇子様はいらっしゃらないの?」
紫蘭が尋ねます。
「わたくし、そういうのはまだ。」
桃蘭は姉達に一礼すると自身の部屋へと戻っていく。
「わたくし、まだよく分かりませんわ。」
桃蘭も姉達と同じで隣国への皇子様に興味がないわけではありません。しかし優秀な姉と比べこれと言った取り柄がない自分は皇子達の目にとまる自身がないのです。
「そうだわ。」
桃蘭は自室に飾られている桃色の花を指差します。すると桃色の光が現れ花を指します。花は舞い踊りながら桃蘭を包むと街娘のような桃色の無地の旗服姿にしてしまうのです。それから桃色の花びらの髪飾りを外すと本物の花になり花瓶に戻っていきます。今度は赤い虞美人草を指差すと赤い花びらが桃蘭の頭上を包む赤い花の髪飾りがお団子を作ります。
「さあ、行きましょう。」
桃蘭は使用人達が出入りする裏口を使って宮殿の外に出ます。不安な事や心配事があった時は桃蘭は街娘の姿で外の空気を吸いに行くのです。
桃蘭のお気に入りの場所は一番です。市場にはお菓子や香水が売っています。骨董品売り場もあります。
「ねえ、この娘可愛いわね。」
桃蘭は市場の骨董品売り場に並んでる女の子の人形を手に取ります。人形は絹の衣を着ています。
「お嬢さん、その娘気に入ったのかい?」
店主が桃蘭に声をかけます。
「素敵な着物を着ているのね。この娘。」
「お嬢さん、お目が高いね。彼女が着てるのモンゴルから取り寄せた絹なんだよ。シルクロードを通って来たんだよ。」
「まあ、頂くわ。」
桃蘭は人形を購入し広場の方へと向かいます。
広場に行くと見張りの守衛達が並んでいます。
「あの、」
桃蘭は傍にいた赤い中華服の花売り娘に尋ねます。
「何かあるのでしょうか?」
「あなた、ご存知ないの?今日は舞踊大会があるのよ。」




