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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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薔薇の庭のレッスン 第5話

「マリーちゃん、何を見てるんだい?」

再び庭園のテラステーブル。生徒達の肖像画に目を通すマリーに芳子が横から入ってきます。

「先ほどの授業の肖像画ですわ。皆綺麗に描いてもらってますわ。特に彼女。」

マリーはロザリーの肖像画を見せます。

「確かに素敵だ。彼女は優秀な娘だからな。」

ロザリーは薄いピンクの薔薇の花に囲まれた場所に立ちパールのネックレスを両手に乗せ目線は両手に向けてます。

「まるで恋人からもらったプレゼントを大事にしてるようだな。」

「あまたの薔薇の花よりも大切な人からの贈り物という気持ちが伝わってきますわ。」 

「それにしてもロザリーちゃんのドレス。マリーちゃんのと似てるな。」

ロザリーはマリーを慕いマリーのファッションをいつも参考にしてるのです。

 マリーは肖像画をめくります。次に出て来たのは花江の肖像画です。

「これが例のあの娘か?」

花江はハイヒールを脱ぎ捨てピンク色の薔薇が散りばめられた木の下で横たわって眠ってます。

「彼女、ハイヒールが脱げるからと言って裸足になったのよ。」

そして歩いて疲れたからと言って座った姿勢で描いてもらったがそのまま眠ってしまったのです。

「どれどれ」

芳子が肖像画を覗き込みます。

「彼女、いいと思うよ。今はどこに?」

「栄子夫人の授業の最中だと思いますわ。」

「なら行こう。」

芳子はマリーの手を取って立ち上がります。






 その頃花江達は紫の薔薇の庭で栄子のレッスンを受けていました。彼女の授業は野立と言って庭園でお茶を立てています。

花江含む少女達はドレスではなく日本の着物に着替えてます。彼女達は水色の生地に紫の花柄の着物の栄子がお茶を立ててる間座布団に正座しています。

「ロザリーさん、」

紺の生地に月の模様の着物の花江がピンクの花柄の着物のロザリーに声をかけます。

「鍋島夫人って西洋の作法に流通された方では?」

「ええ、でも彼女公家の出よ。」

栄子が京都の公家の娘という話は花江も耳にした事はあります。彼女が英語やダンスを嗜むようになったのは開国後の話で幼い頃は他の公家の娘と同じように茶道や華道を習っていたそうです。

「今はその経験を生かしてここで日本のお茶を教えて下さってるのよ。」

栄子はフランスの少女達に西洋のみならず東洋の紳士との出会いの機会も与えているようです。

「そっそうなのね。」

「大丈夫?気分悪そうよ。」

花江の顔がどこか強張っているようです。

「実は」

花江がロザリーの耳元で囁きます。

「足が痺れた?」

花江が頷きます。その時侍女達が栄子が立てたお茶を持ってきます。侍女の1人が花江の前にお茶碗を置くと同時に


「痺れる、もう我慢できない!!」


花江が足の痺れに耐えかねてその場に倒れ込みます。

「花江さん?!」

「ちょっと大丈夫?」

ロザリーも栄子もそのばにいた少女達全員が侍女と重ね重ねになって倒れている花江に目をやります。

「大丈夫?花江さん。」

栄子が優しく花江を起こします。

「花江さん、お着物が!!」

「きゃあ!!」

花江の着物の裾が抹茶で汚れてしまったのです。

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