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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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薔薇の庭のレッスン 第2話

「ごきげんよう。」

「ごきげんよう。」

電車の中、白い丸襟にピンクのリボンのブラウスにグレイのジャンパースカートの制服の乙女達が乗車する。彼女達は近所のお嬢様学校カトレア女学院の生徒達だ。

「ねえ、今日はダンスの授業ね。」

「そうね、舞踏会近いから気合いが入るわ。」

カトレア女学院は舞踏会が学校行事に盛り込まれている。

「どんなドレスが着れるかしら?」

「わたくしも楽しみだわ。」

二人の会話を向かいの席でセーラー服の花江が聞いていた。

「はぁ」

花江はため息をもらす。駅に到着すると席を立ち電車を降りる。

 


 花江の通う高峯高校は自宅の最寄り駅から2駅で少し歩いたところにある。

「大庭さん」

朝のホームルームが終わると担任教師が花江を呼び止める。

「後期の生徒会選挙だか立候補してみない?」

「なんでですか?」

「大庭さん、部活もやってないでしょ?それにもうすぐで1学期も終わるのにあまりクラスに馴染めてないでしょ?」

花江はいつも1人で過ごし、話せる相手がいない。

「何か活動すれば周りと打ち解けられるんじゃないな?」

「いえ、結構です。」

話し相手がいないというより周りに入っていかないという方が正しいのかもしれない。彼女は入学した学校に愛着がないから。

 本当はカトレア女学院に行きたくて猛勉強した。しかし親の金銭的な面で私立は難しく近隣の公立高校で一番偏差値が高く家からもそう遠くはないこの学校に不本意で入学した。

 机に座って授業を受けて終わったら帰る。それが花江の日課だ。唯一の楽しみは昼休みに図書室で過ごす事だ。

「花江ちゃん、今日も来たわね。」

図書室の受付をしてる夜会巻きに水色のドット柄のワンピースの女性が花江に話しかけてくる。

「菊野先生だって今日も来てるじゃないですか。」

「図書委員の担当なんだからいるに決まってるでしょ。」

彼女は菊野咲。この学校の音楽教師であり図書委員会担当の教師でもある。花江が学校の中で唯一心を許し話せる相手だ。

花江は本の棚から好きな本を取り適当にテーブルに座って読み出す。

「花江ちゃん、昨日もその方読んでたわね。」

花江が読み出したのは女性偉人だけを集めた伝記だ。

「だって皆素敵な女性ばかり載ってるのですもの。」

花江はずっと疑問に感じていた。中学の社会の授業で習うのは皆男性ばかり。なぜ女性の事は習わないのか?

「花江ちゃんは誰が好きなの?」

花江の隣に咲がやって来る。

「私が好きなのは」

花江が好きな偉人の頁を捲ろうとした時


「菊野先生!!」


生徒の1人がやって来た。咲が受け持つクラスの男子生徒だ。

「ちょっと進路の事で相談したいのですが宜しいですか?」

咲は3年生の担任をしておりよく進路相談を持ち掛けられる。

「いいわよ。花江ちゃん、私ちょっと行ってくるね。」

咲は男子生徒と一緒に図書室を後にする。 

 図書室に残された花江は再び本の頁をめくる。

「マリー・アントワネット様に鍋島夫人。他にも女性達に希望与えた偉人はたくさんいるのに。なぜ教科書や授業では無視するのかしら?不思議だわ。」

その時眩しいほどの光が花江を包む。

「何、何なの?!」

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