表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
5/67

雪椿紅椿2話

栄林がその少女と出会ったのは5才のとき。宮中の庭で春節のお祝いの宴が催されたときだ。栄林は大人達の集まりに飽きてしまい庭園を歩いていた。白い椿と赤い椿の咲く場所は栄林のお気に入りであった。

 庭園で1人で手鞠をして遊んでると1匹の狐が現れる。狐と呼ぶには大き過ぎる。爪を立て牙を向き栄林に襲いかかろうとする。

「嫌だ。来ないで!!」

栄林は今にも泣き出しそうになり叫ぶ。

狐が栄林に飛びかかろうとする。その時だった。

どこからか数珠が飛んできた。

「怪しよ。そこまでよ。」

そこに純白の旗服を身に纏った少女が現れた。年は栄林より上なのか背丈は栄林より少し高い。

少女が数珠を再びかざすと狐は逃げていく。

栄林は突然のことで泣き出してしまう。少女は栄林を優しく抱き締める。 

「お姉様!!怖かったよ!!」

栄林は自分を助けてくれた少女に親しみを感じそう呼んだ。

「大丈夫、もう大丈夫よ。」

お姉様の優しい言葉に自然と涙も引っ込む。お姉様は近隣の有名貴族の令嬢であった。父母と一緒に宴の席に呼ばれたが大人達の話に退屈してしまいお庭を探索していた。そこで栄林の悲鳴を聞き付けてやってきたのだ。

「今のは狐ではなく怪し、妖怪のような物。わたくし小さい頃から霊感があってお母様から数珠を持たされてるの。貴女が無事で良かったわ。」  

お姉様はふと栄林が腰につけてる宝珠に目をやる。

「貴女もしかして栄林王女様?」

「はい」

「わたくしずっと気づかなくてごめんなさい。さっきの踊り綺麗だったわ。貴女は素敵な王女様なんだから泣いてはダメよ。」

「お姉様私のお姉様でいてくれる?」

「ええ、勿論よ。」

「じゃあ私泣かない。」

栄林はお姉様に友情の証として椿をあげた。雪のような肌にお姉様に似合う白椿を。

「ねえ、さっき踊った踊りわたくしにも教えてくださらないかしら?」

「ええ、いいわよ。」

2人は赤と白の椿の咲き誇る木の下で時間が過ぎるのも忘れて踊り続けた。











「お姉様どうしてるかしら?」

10年も前のことなのに未だに鮮明に覚えている。名前は聞かなかったけどお姉様と呼んで慕っていた少女のことだけは。

「栄林さん、お姉様ってどなた?」

突然級友が話しかけてくる。

「入学してもうお姉様ができるなんて。ねえ何年生の方?」

「あの何の話でしょうか?」


級友の話によるとこの舞踊学校にはある伝統がある。

赤と白の椿の木々が並ぶ庭で上級生と下級生が互いに髪に白と赤の椿を飾り合う。二人は「疑似姉妹」になり、秘密の絆で結ばれるという。その庭というのが先日白の旗服の少女と出会った庭であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ