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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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すみれの花咲く頃 第6話

 マリー主宰の女性だけの公演の日がやってきました。

「ねえ、ご存じ。今日のお芝居。」

「ええ、勿論ですわ。」

ベルサイユ宮殿の劇場には芝居を見ようと貴族や貴婦人達が集まってきます。

「ええ、大陸からいらした男装の王女様が主役とか?」

「あら、公爵夫人、違ってよ。主役は王妃様ですわ。」

貴婦人はマリーの男装が一目見たくて集まってきたようです。


 







 その頃舞台裏では出演者達が準備をしています。

「王妃様」

バレリーナのようなすみれの精の衣装に身を包んだロザリーが男装のマリーに声をかけます。

「ロザリー、どうなさったの?」

「王妃様、ありがとうございました。あの実家の靴屋の事。」

ロザリーが膝を曲げてマリーにお辞儀をします。

「父さん、いえお父様もお母様もお店が繁盛したって喜んでます。路頭に迷っていた失業者達も仕事にありつける事ができました。」

マリーは公演で出演者が履く靴はロザリーの父が経営する靴屋に注文したのです。注文の数が多く仕事がなくて困っていた失業者達を新たに雇ったのです。

「良かったわ。これからも貴女のご実家の靴屋にお願いしてもいいかしら?」

「勿論です。王妃様。」

マリーはロザリーにお礼を言うと舞台袖に待機します。

 ベルが鳴ると幕が上がります。すみれの精に扮した越劇女優達が現れます。彼女達は男役でありながら女役の躍りを習得したのです。続いて男装のフランスの少女達が現れデュエットダンスが始まります。

「こんなに美しい湖があったのか?誰だ?僕を呼ぶのは?」

ダンスが終わると王子に扮するマリーが台詞と

共に登場しました。客席は一気に男装のマリーに視線を向けます。





 女性だけの舞台が成功に終わった1週間後。

「芳子はまだ来てないの?」

ベルサイユ宮殿の居間で婉容が芳子の姿を探しています。

「皇后様、芳子様ならジャンヌと出かけたわ。」

マリーと紅茶を飲みながら栄子が答えます。

「まあ、わたくしがありながらジャンヌに?見境がないのね。」

「違うわ。ジャンヌがお願いしたみたいなのよ。ロザリーに香水をプレゼントしたいから付き合ってほしいって。」

ジャンヌはすみれの妖精に扮するロザリーを一目で好きになったのです。

「ロザリーったらさっそくファンができたのね。」

マリーは正式に王立の少女歌劇団を作る事にしました。今日が顔合わせの日です。ロザリーとアンナ、美蘭も団員として残る事になったのです。ロザリーは着れなかったピンクのドレスを次こそは着たいと張り切っているそうです。

「わたくし、歌劇団の顔合わせを観てくるわ。」

マリーが立ち上がります

「栄子夫人と婉容皇后様もいらっしゃる?」

「ええ。是非。」

「芳子もいない事だし。行くわ。」

3人のプリンセス達はお茶の片付けをメイドにお願いすると部屋を後にしました。

                  FIN

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