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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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すみれの花咲く頃 第2話

「あら?どうして?皇后様には理解して頂けたはずだわ。」

「いや、問題は皇后様だけではない。」 

芳子が懸念してるのは違う理由のようです。

「マリーちゃん、君と練習して気付いたが僕と君とじゃ身長が違い過ぎる。」

芳子の身長ではマリーの髪にも肩にも手が届かないというのです。

「ここ。脚本には君の髪を撫でて口付けってあるだろう。」

芳子はマリーの前で台本を開きます。

「口付けってどういう事よ?!」

「皇后様落ち着いて下さい。振りですから。」

動揺してる婉容を栄子が宥めます。

「だけど実際僕の身長では君の唇に顔を近づける事自体難しい。」

「ねえ、マリーは身長何センチ?」

栄子が尋ねます。

「168cmですわ。」

「芳子様は?」

「150cm,今はこのヒールがついたブーツを履いてるから158cmくらいだな。」

「お2人共立って下さいます?」

栄子はマリーと芳子を立たせ2人を背中合わせにくっ付けます。芳子の頭はマリーの肩よりも下にあります。

「これでは宝塚のような舞台は難しいわ。」

宝塚では男役娘役を決める際に最も左右するのが身長です。男役を希望していても身長を理由に劇団側に娘役に廻ってほしいと言われる事も珍しくないのです。

「僕だけじゃなく、越劇の男役達もだ。」

全体練習で越劇の男役達とフランスの少女達を組ませてワルツを踊った時の事です。

「フランスの娘達が背が高すぎてダンスのリードが難しい。むしろ彼女達が男役をリードしてるみたいだった。」

東洋人の淑女達の平均身長が158mに対して西洋のレディ達の平均身長は161cmです。フランスの少女達を支えるには例え男装の麗人や男役でも限界があります。

「マリー、女子校の生徒にはいらっしゃらないの?」

「栄子の言う通りだわ。もう一度生徒達を当たって見ては?」

「実は」

マリーは何か言いたそうにしているが沈黙を続けます。


「いらっしゃらない事はないのです。」






 翌日マリーの案内で一行は女子校へと向かいます。

「王妃様、お待たせ致しました。」

「ありがとう。ロザリー。」

マリー達の前に現れたのは茶色い髪にピンク色のリボン、同じくピンク色に白の丸襟のワンピースを着た少女ロザリー・ラ・モリエールです。彼女もマリーの芝居に出演予定です。ロザリーの役は主役の王子様の妹の役です。ピンクのドレスが着たいからと言って自ら名乗りでたのです。

「ではご案内致します。」

ロザリーの案内で向かったのは薔薇の花が咲く中庭です。今は昼休みなのかテラスでお喋りをしながら昼食をとっている少女達が見られます。

「きっと彼女もこちらにいると思います。ほら」

ロザリーが手を向ける方向にはベンチに腰かけながら白馬に餌をやる美青年の姿がありました。

西洋と東洋の女性平均身長は現代のものです。

アントワネット様は実際は154cmと小柄だったとか。芳子様は150cm前後で男装時はヒールの高いブーツで身長を高く見せてたそうです。


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