鈴蘭のネックレス 第2話
黒髪に小柄な少女はシャルロットに尋ねます。自分は下町に住む花売り娘のベルで自分もファッションショーに出てもいいかと。
「勿論ですわ。丁度ドレスが残り1着だけでしたの。」
広間には黒いドレスが1着だけ残っています。
「ありがとうございます。」
ベルは黒いドレスを手に取ると広間に設置されてるカーテンの奥に入ります。そこで衣装の試着ができるのです。
「ねえ、シャルロット王女。」
ケイトがシャルロットの元へとやってきました。
「あの娘どう見ても貴族の令嬢ではないわよね?」
「ええ、街娘だわ。パリの下町で花を売ってるのよ。」
「王女様である貴女が平民の娘をファッションショーに参加させるなんてどういう風の吹き回しかしら?」
「あら、いいじゃない。女の子なら誰でも参加できるのよ。」
シャルロットは貴族の娘だけでなく平民の少女も集めました。街に使いを送りファッションショーに出たい少女達を募ったのです。
「でもマダムエベーラのドレスは貴族令嬢のためのものだわ。」
「別にいいじゃん。」
今度はレオニードがやってきました。
「シャルロットは女の子とは言ったけど貴族の令嬢だけとは言ってないんだから。」
「あら、そんなの屁理屈だわ。」
ケイトとレオニードはどうやら馬が合わないそうです。
「王女様!!」
カーテンの裏からベルがドレスを着てやってきました。
「うふふ、何よその格好。ブカブカじゃないのよ。」
ドレスの大きさがベルの体と合っていません。
ケイトはベルの姿を見て笑っています。
「ちょっと、貴女失礼よ。」
隣にいたレオニードが嗜めます。
「だって本当の事じゃない。」
ケイトは笑うのはやめません。
「そうね、ケイトの言う通りかもしれないわ。」
「ほら、王女様だってそうおっしゃってるわ。」
「でも大丈夫だわ。サイズは調節できるから。」
「ありがとうございます、王女様。」
ベルが歩こうとした時です。
「きゃあ!!」
ベルが転倒してしまいました。慣れないハイヒールでドレスの裾を踏んでしまったようです。
「貴女本当に面白い方ね。明日のファッションショーはきっと笑いすぎてお腹が痛くなってしまうわ。」
ケイトは嫌みを言いながら去っていきます。
「ちょっと待ちなさいよ!!」
レオニードは彼女の姿を追っていなくなります。広間にはシャルロットとベルだけがのこされました。ベルは再びカーテンの中に入って元の街娘の姿に着替えます。
「王女様、私やっぱりファッションショー出演辞退します。だって貴族のお嬢様でもない私がこんな素敵なドレス着こなせるわけありませんもの。」
ベルはシャルロットに持っている黒いドレスを返します。




