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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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皇太子妃の赤い薔薇のお茶会 第2話

「実は平民の少女達を招いてお茶会をしようと思いますの。」

マリーは侍女達の会話を栄子と婉容に話す。

貧困層の平民が食べるパンすらなく集まって一揆を起こしていることを。

「それでわたくし貧困層の少女達にパンがないならお菓子を食べて頂こうと思ってるのですわ。」

マリーは薔薇の花が咲くベルサイユ宮殿のお庭でお茶会を開くというのだ。

「マリー。C'est une bonne idee.」

「Moi, aussiu. 私も栄子も協力するわ。」

マリーは栄子と婉容の協力が得られることになった。

「ところでマリー、お茶会ってどんなお菓子を出すの。」

「ケーキだわ。宮殿一のパティシエに作ってもらおうと思いますの。」

「ねえ、ダンスパーティーはどうかしら?」

提案したのは婉容だ。

満州国建国の時にも盛大な祝賀会が行われ政府の要人や貴婦人達は夜通しダンスを楽しんだ。

「私を天津から満州への道のりを護衛して下さった方が凛々しくも美しい男装の軍人で祝賀会で再会したときはダンスのお相手もしてくれましたわ。こんな風に。」

婉容は栄子の手を取り踊り出す。

「栄子はステップがお上手ですね。」

声のトーンを下げ婉容は栄子の耳元で囁く。

「皇后様、悪ふざけはやめてください。」

栄子は顔を真っ赤にして叫ぶ。

「ダンス。賛成だわ。」

「でもマリー、ダンスはリードしてくれる王子様が必要だわ。」

「だったら女性同士で踊ればいいわ。あの方もリードがお上手でしたもの。紳士的で本物の男なんかより凛々しい方でしたわ。」

あの方というのは婉容のダンスのお相手をしてくれた男装の軍人のことだ。婉容は男、特に日本人の男が大嫌いなのだ。


「皇后様、その男装の軍人の方も招待することはできるかしら?」

「マリー、招待はしたいけどあの方は最近宮殿には姿を見せませんわ。噂では中華料理店を開いてると聞いたけど明白ではないわ。」

音信は途絶え婉容は心配してるという。

「じゃあ、参加者同士で踊りましょう。」

「マリー、私いい事思い付いたわ。」

今度は栄子が声をあげる。

「私抹茶を用意しますわ。」

抹茶は栄子が得意なお茶で以前マリーにも立ててくれたことがある。「お茶碗」という見慣れないカップにお茶を注ぎ回して飲むのだ。

「美味しかったわ。きっと平民の少女達も喜ぶわ。」

 話がまとまり栄子と婉容がそれぞれの客室へと戻るとマリーはベルを鳴らす。

「皇太子妃様お呼びでしょうか?」

侍女がやってきた。  

「ええ、ローズベルタンに連絡してほしいわ。ドレスの注文を大量に頼みたいと。」

「かしこまりました。皇太子妃様。」

侍女は一礼して部屋を出る。


 お茶会の準備は着々と進んだ。ドレスはマリーの専属ファッションデザイナーのローズベルタン嬢にお菓子はお城のパティシエに、そして薔薇の花は庭師にお願いした。

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