66 反対されています
ジャンさんと一緒に応接室に入るとソファーにギルド長と先程見た冒険者3人が座っていた。
うわ、どんな話をしたらこんな空気になるんだろう? 反対しているのは確実だな。
「皆、連れて来たよ。この子がさっき話してたノア君だよ」
「こんにちは、ノアです」
「一応話はしたんだけど、皆反対なんだよね。このままじゃ進まないからノア君にも参加してもらうしかなくて…」
「皆さんが反対なら、この話はなかったことにすればいいんじゃないですか? 僕としても1人で行動したいですし、ギルド長とジャンさんが昨日のことを守ってくれるならそれでいいです」
「そういう訳にはいかん!! 誰かが一緒に行動するべきだ!!」
「でも反対されているんですよね?」
「今説得中だ」
どんだけ時間かかっているんだよ…。それだけ話して納得してもらえなかったなら、もう無理だと思うんだけど…。
「詳しく話せないから時間がかかっちゃっているんだよね。ノア君のことを皆に話してもいい?」
「条件を守ってくれるならいいですけど、そうじゃないならダメです」
「だってリーダー。どうする?」
パーティーメンバーに話をするならジャンさんと同じ内容を守ってもらわないといけない。契約魔法を使用した後で話をし、それでも納得できないならギルド長には諦めてもらおう。
「ジャンは話を聞いたんだろ?」
「聞いたよ、ナードさんに巻き込まれてだけどね」
「その上で一緒に行動するべきだと考えているんだな」
「う~ん、正直俺はどっちでもいい。ナードさんの頼みだから受け入れてもいいとは思っているけどね。皆が反対ならそれに従うよ」
お、いいぞジャンさん。その調子で反対派になってくれ。
「条件を教えてもらえるか?」
私はジャンさん達に出した条件を説明した。
「この条件が守れるなら話をします。無理なら話は出来ませんので、今わかっていることだけで判断してください」
「俺は反対だ。子供の面倒は見習い冒険者が見ているだろう。それで充分じゃないか」
黄土色の髪、茶色の瞳をした剣士のような男性は反対した。
「俺は内容次第では許可してもいいけど。ナードさんには世話になっているし、何か面白そう」
暗い緑色の髪、同じような色の瞳をしているこの人も剣士っぽいな。
「2対1か。なら条件を守るから話をしてもらおう。その内容次第で決めることにしよう」
リーダーは濃い青色の髪、黒い瞳の魔法使いのようだ。
条件さえ守ってもらえるなら話すくらいなら問題ない。その後のことはパーティーメンバーで話し合ってもらうしかないな。
「わかりました。準備をするので少しお待ちください」
ギルド長に頼んで羊皮紙と書くものを持ってきてもらう。昨日と同じ内容のものを準備して3人の前においた。
「条件を確認してください。守れるならサインと血判をお願いします」
「血判? そこまでするのか?」
「念のためです」
3人はそれぞれ内容を確認し、意外とあっさりサインと血判を押してくれた。
「サインするの早いですね。意外です」
「この条件なら納得できるからな」
「じゃあ貸してください」
羊皮紙を受け取り契約魔法を使う。魔力を流すと魔法陣が浮かび上がり、消えたのを確認した後に燃やす。
細かい光が3人に吸い込まれていく。さすがAランクパーティーだ、驚いた顔をしているがギルド長のようにうるさくすることはなかった。
「契約完了ですね。これでちゃんとした話が聞けますね」
「そうだね。ノア君のことが説明できなかったから時間かかったけど、これなら早く終わるよ」
ジャンさんがほっとしたように話す。それなら後は任せてもいいかな。
「じゃあ、僕は一旦席を外しますね。ギルドの中にはいるので、ある程度まとまったら呼んでください」
「おい、自分で説明すればいいだろ」
「それはギルド長の仕事です。本来なら僕は一緒に行動しなくてもいいんですから」
応接室を出て受付に行く。先程の続きをしようと思い、ソニアさんに地図と資料をかりる。
さて、ギルド長達の話し合いはどうなるかな? 1人で行動できるのもあと少しかもしれないから、できることは今のうちにやっておこう。




