63 お裁縫は得意です
食事も終わり一息ついていると明日のことについて話し始めた。
「俺はこれから宿屋に戻ってメンバーに話をするから、顔合わせは明日でいいかな? 予定があるなら日を改めるけど」
「大丈夫です。どこに行けばいいですか?」
「とりあえずお昼頃ギルドに集まろうか。皆を連れて行くからそのつもりで」
「わかりました。よろしくお願いします」
ちょっと早めに行って、買い取りのお金をもらっておこう。ついでにいらないものも売っちゃおうかな。
ーーーー
2人が帰ったのでもう少し作業を進めよう。今日倒した魔物の解体と、残っている小麦の処理はアイテムボックス内でできるから、待っている間に買っておいた布で服を作ろう。
ハサミは持ってないからアイスソードを小さくしたナイフで布を裂いて形を作っていく。
今着ている服よりマシになればいいので、ちゃんとした服じゃなくポンチョのような形にした。
縫い物は前世でもよくやっていたから難しくはないけど、手が小さくなったせいで少しもたついてしまった。
身体はすぐに大きくなるはずだから服も大きめに作っておいたほうがいいな。ウエストのところで調整できるようにしよう。
大体の形が出来上がったらほつれているところを縫い直してポンチョが完成した。
余っている布は内側に折り畳んで縫い込み、調整できるようにしてあるからしばらくは着れそうだ。
次に裂いた布を細く編んでゴムの代わりになるようにしておく。
ちょっといい生地を買ったからそれを使って下着を作るのだが、今ある道具ではぴったりのサイズを作るのが難しいので小さめのトランクスみたいな下着にした。
腰のところは紐を通せるように縫って縛るだけだけど、今の下着はただ布を巻いているだけのものなので、すごく穿きやすくなった。
服は1着、下着は2枚できた。まだ布は残っているけど、目が疲れてしまったのでまた明日やることにしよう。
解体は終わっていたけど、小麦はまだ粒が残っているからもう少しかかるな。
他の作業をしながら明日の準備をして終わったら寝よう。
正直、明日ギルドに行くのは面倒だけど今後のことを考えると大人しくしていたほうが無難だろう。
ギルド長達が決めたことに文句は言わないが、素直に従うとも言っていない。
他のメンバーから反対されるかもしれないし条件が追加される可能性もあるから、何を言われても大丈夫なようにいろいろ考えておこうかな。
翌日、朝ご飯を食べ身仕度を整えたらギルドに向かう。結構早く着くから市場で食材のチェックをしよう。
森で採取できる食材だけではバランスが悪いから、安いものをいくつか買っておきたいな。
ハクと一緒に森を出て移動する。昨日はすぐに疲れちゃったけど、今日は城門まで歩くことができるようになった。
何となくだけど、昨日よりも大きくなっている気がする。子犬の成長は早いって言うけど、魔物もそうなのかな?
このペースで大きくなるなら一緒に狩りができるようになるのも近いかもしれない。
時間帯のせいか市場は混雑している。その分並んでいる商品も多いが、ゆっくり見てまわるのは難しそうだ。
人の少ないところだけ見て、早いけどギルドに行くことにした。
「こんにちは、昨日の買い取りのお金をもらいにきました」
「いらっしゃい。少し待ってて」
今日もソニアさんがいたので彼女にお願いする。待っている間に依頼の確認でもしておこうかな。
掲示板をチェックしようと移動すると、ギルド長が奥の部屋から出てきた。
うわ、こっちに来る…。
「随分早いな、昼頃の予定だっただろ」
「昨日の分のお金をもらっておこうと思いまして」
「あいつらが来てからでもいいのに」
「準備できたんですか?」
「ああ、ついでに応接室までこい」
そう言って先に行ってしまった。なんて勝手なんだ……。あぁ、めんどくさいなぁ……。




