36 他の子供たち
「ここでは早くて3歳、遅くても6歳で親元を離れる子供がいるのは知ってるでしょ。あなたもそうだと思うけど…」
「はい。ギフトがなくてステータスも低いから捨てられました」
「そういう子供は結構多いのよ。春と秋の儀式の後には必ず出るわ。でも、まだまだ子供だから1人じゃ生きていけないでしょ。親も国も教会も助けてくれないしね」
「そのようですね」
「いつから始まったのか、誰が始めたのかは分からないけど、だいぶ前から見習い冒険者が面倒を見るようになっているのよ」
「へー、お金もかかるし大変そうですね」
「そうね。でも、今、面倒を見ている見習いはその上の見習いに世話してもらっていたし、その上は更に上にって感じで代々続いてるの。大変なことも多いし、正直1人のほうが楽だったかもしれないわ」
「お姉さんもお世話になっていたんですか?」
「そうよ。6歳から成人までね。世話してもらったし、それ以上に世話したかも」
だからこんなに親切にしてくれるんだ。国は最悪だけど、意外といい人も多いのかもしれない。
「だから、あなたが1人できたときはびっくりしたわ。昨日、教会に行った見習い冒険者から子供が1人足りないって聞いていたから。白髪の子って言っていたから、あなたのことだと思ったんだよね」
「昨日はすぐに帰りましたからね。そんなことになっていたなんて知りませんでした」
だらだら残っていたら一緒にされていたかも。あぶなかった……。他の子供にとってはよかったんだろうけど。
「だから、あなたは一緒じゃなくていいのかなと思って。1人じゃ大変でしょ? 住むところもあるわよ」
「そうなんですか? でもいいです。気をつかうし、そういうの苦手なんで」
スキルのこともあるし、なにより集団行動が得意じゃない。前世でいい経験がないからな。もともと1人で生きていく予定だったから、このままでいいや。
「あなたがそう言うならいいけど……」
「かなり困ったときは頼るかもしれませんが、それ以外は1人でいいです」
「わかったわ。何かあったら相談してね」
「ありがとうございます。あ、そろそろ帰ります」
他の子供たちのことは少し気がかりだったので、話を聞いておいてよかった。これで心おきなく自由に出来る。
もらった荷物には大きな袋があったので、それに入るだけ入れて持って帰ることにした。あとでアイテムボックスに移すからちょっとくらい重くても大丈夫だろう。入らなかった分は明日取りに来るから置いておくように頼んだ。
「それじゃあ、ありがとうございました。また来ます」
「じゃあね」
自分の身体より大きな袋を肩に担ぎギルドを出た。
ヤバい、けっこう重い…。身体強化しているけど、それでも重い。早く人気のないところにいかないと落としそうだ。
なんとか路地裏までたどり着き、アイテムボックスに荷物を仕舞う。はぁ~、キツかった。もう少し身体が大きくならないと、なにをするにも大変だな。
必要な物はまだまだあるが、しばらくはもらった物でなんとかしよう。もう少しお金を貯めておかないと不安だから、食べる物があるうちは我慢しよう。
まだお昼前で時間もあるから、野宿出来るところを探しにいこう。城壁の中でいいところがあればいいんだけど、なければ外に探しにいかないとな。
とりあえず、人の少ないところで、できるだけ綺麗なところがいいんだけどあるかな?
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ギルドの近くや教会のまわりなど探してみたけど、いい場所がなかった。あるにはあったんだけど、他の子供が使っていたんだよね。スラムにいた子供は見習い冒険者が世話しているって言っていたから、それ以外の子供だと思うんだけど……。
他の場所も見てみたけど、あんまりいいところないなぁ。やっぱり、危ないかもしれないけど、城壁の外に行くしかないか。
木の上ならなんとかなるかな。とりあえず行ってみよう。どうしようもなかったら前の家にでも行って隠れよう。




