25 再会
「お久しぶりですね。3年ぶりですか」
すぐにでもぶん殴ってやりたいのをぐっとこらえ冷静に話しかける。神様が悪いわけではない、ミスをした神様の部下が悪いんだ。ここで怒鳴っても意味はない。そう思い気持ちを落ち着かせる。
「…申し訳ない。もっと早く会ってあやまりたかったのだが、そういうわけにもいかず…」
「死ななきゃ会えませんからね。死んだほうがよかったですか?」
「いやいや、生きていてくれて嬉しいよ。本当によかった」
神様からは申し訳なさと生きていたことへの安堵感がものすごく伝わってくる。ぶん殴ってやろうと思っていた私が罪悪感を感じてしまうほどに。
実際、ミスをしたのは部下で神様はその尻拭いをしているだけなんだよな。ちょっと気の毒になってきたよ…。
「もういいですよ。ちゃんと償ってもらえれば。ミスをした部下はどうなりましたか?」
「えっ、いやぁ…、償うって?」
「まさか、あり得ないミスをしたのにお咎めなしですか?」
ん~? 雲行きが怪しくなってきたぞ。普通、1番偉い人が直接あやまるような大きなミスをしたら、クビとか降格とか何かしらあると思うんだけど。っていうか、私の人生2度も狂わせておいて、何もなしなんてあり得ない!
「ちゃんと対処してくれるんですよね? 間違えて魂を回収して落とした人と、話を聞かずに穴に突き落とした人、どんな処罰を受けさせる予定ですか? 何もなしってのはあり得ませんからね!」
「いや~、それはこれから決めようと思う…」
「これから!? 3年も時間があったのに何をしていたんですか!」
「ちゃんと見守っていたぞ。色々サポートしてやっていただろう」
サポート? 神様に何かしてもらった記憶なんてないんだけど。
「そんなことはどうでもいいです。ミスをした部下を処罰してください」
「ミスに関してはあやまったではないか。お詫びにスキルを選ばせてやったろ」
「あやまれば許してもらえるとでも思っているんですか? それに、スキルをもらったのは最初のミスのお詫びにです。あんな所に転生させた分はまだもらってません!」
「サポートを……」
「頼んでません!」
「………」
ごめんで済むなら神様はいらないんだよ!さっきはちょっと可哀想と思ったけど、神様がこんなにあまいんじゃ部下も調子に乗るわ。
「というか、本人達は反省しているんですか? 謝罪もないですけど」
「……ちゃんと言い聞かせた。あと、本人達じゃなくて本人な。1人だから」
「はぁ!? もっとあり得ないんですけど!」
あの時突き落とした女の人か。ってことは、ミスした後も仕事をしていたってことだよね。最初のミスをした後にちゃんと対処していたらこんな所に転生しないですんだのに……。
「ちゃんと責任とってくださいね」
「責任といわれても出来る限りのことはした。スキルを与えたしステータスも良くした」
「それは最初の分」
「スキルポイントもたくさんあげたし、ステータス画面も使いやすくなったはずだ」
「それも最初の分。私が希望したことじゃないですからね」
「では、これ以上どうしろというのだ。」
「まずは部下の処罰をお願いします。そうだ、内容はこれから考えるって言ってましたよね。なら、私が決めてもいいですよね、被害者なんですから」
「…よほど理不尽な内容でなければ許可しよう」
よし、言質とった! あの話を聞かない女の人にはちゃんと罰を受けてもらおう。私が苦しんだ分、お返しさせていただきますよ。
黒い笑みを浮かべながら、与える罰を考えるのだった。




