至福のとき
順調にレベル上げをしながらスキルの練習もする。
遠距離攻撃は出来るけど、接近されると焦っちゃうんだよね。今まで武器がなかったから接近されたらヤバかったけど、新しいスキル【アイスソード】のおかげで一応、接近戦も可能にはなった。
分かりやすくていいよね、氷の剣って。この世界のスキル名って比較的に単純なのが多かった。イメージしやすくて異世界初心者にはやさしい。中には厨二病っぽいスキル名もあったけど。これで詠唱とかあったら恥ずかしくて使いたくなくなるな。
最初はただの氷の棒だったのを剣の形にイメージして作っていく。自分の身長に合わせて長さや重さを調整するのは結構楽しい。魔力を込めると硬くなるので形が決まったら、これでもかと魔力を込めた。
出来上がった剣を持ちスライムを探す。HPも上がったしスライムの体当たりで死ぬことはないだろう。ちょっと怖いが、いざという時のためにも慣れておかなくちゃ。
少し探すとスライムは見つかった。慎重に近づきドキドキしながらも斬りかかると、あっさり倒せてしまった。
「独特な感触だったな。しかも弱い」
これじゃあ練習にならないので、スライムを倒しつつホーンラビットを探そう。肉が手に入るし練習にもなるだろう。
採取したりスライムを倒したりしながら移動するが、ホーンラビットが見つからない。
「場所が悪いのかも。もう少し森の方に行ってみよう」
森に近づくとモンスターの気配が増えてきた。少し大きな気配がいくつかあるから、そこに行けばホーンラビットがいるはず。
気配を頼りに近づくとホーンラビットがいた。やっぱり接近戦は怖いなぁ。先に魔法で攻撃して外したら剣を使おう。安全第一だ。落ち着いてエアーカッターを放つと、今回はちゃんと当たった。剣の練習にはならないけど、魔法の練習になったから良しとしよう。
その後、2匹のホーンラビットを魔法で倒したのでお昼ご飯のため1度戻ることにした。剣の練習はまた後でやろう。
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いつも通りクルト草を茹でて、いよいよメインディッシュ。ホーンラビットの肉を取り出して切り分ける。包丁はないからアイスソードで切っていく。切り口がちょっと凍ってるけど焼くから大丈夫だ。肉をサイキックで浮かせて下からファイアで炙っていく。
「ん~、いい匂い。もう少しかな」
肉の焼ける匂いに涎が出てくる。
………そろそろいいかな。
「では、いただきます。……あぁ~美味しいっ!」
ヤバい、ちょっと泣きそう。味付けも何もしてないのにすごく美味しく感じるよ。
2年ぶりのお肉っ、最高!
しばらくの間、無心で肉を食べまくった。久し振りにお腹が苦しくなるまで食べたな。あ~満足。
味付けできたらもっと美味しくなるだろうな。胡椒はムリでもニンニクなら手に入りそうだし、いつか試してみよう。
一息つきながらぼ~っとしていると、まわりに肉の匂いが残っているのに気がついた。これ、部屋でやったらすぐにバレるな。焼いた状態にしてアイテムボックスに入れておけばいつでも食べれるようになるから、後でまとめて焼いておこう。
「休憩も終わったし、レベル上げの続きをしますか」
気配を探りながら森の方に向かう。やっぱり、こっちはモンスターの気配が多いな。こういうところって冒険者とか狩人とかいそうなのに人の気配は感じないのは何でだろう?必要ないってことなのかな。私には好都合だけどね。
スライムを剣で倒しながら進み、ホーンラビットを見つける。
……今度こそ剣で倒すんだ!
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