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異世界転生した先はスラム街でした~無一文から始めるスローライフ~  作者: 熾之


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16 自重はしません



 「さて、どうしようかなぁ」


 ステータス画面を見ながら使えそうなのを探す。スキルを誤魔化すやつも探さないとな。今更、家に戻されるとか絶対ムリ!


 とりあえず、生産スキルから確認していく。前にまとめて習得した時は日常生活で使いそうなスキルとスキルレベルをあげるのに使ったんだよな。


 今回はもう少し考えて習得しよう。


 ……やっぱり錬金術のスキルが1番使えるかなぁ。回復ポーションの材料になるレナウス草もいっぱい持ってるし。でも、項目が多くてポイントをだいぶ使うんだよね……。


 【乾燥】【粉砕】【撹拌】【抽出】【調合】

 【加熱】【冷却】【加圧】【減圧】【錬金】


 これで一部なんだよ、多いなぁ。実際に何か作るとしたら、もっと必要になるかも。作り終わった後処理用のスキルもいくつかあるし。


 あれば使えるけど悩むなぁ。一旦保留にしよう。悩んだら保留!


 今日からしばらくは草原に行かないことにしたからじっくり考えて選ぶようにしよう。命名式が終わるまでには決まるだろう。


 その前にスキルを隠さないと。生産スキルにはなかったから、職業スキルを探すか。見つかればいいけど……。



 ーーーー



 「あった! やっと見つけた~!」


 かなり時間はかかったが何とか見つけることが出来た。まさか暗殺者のスキルにあるとは。たしかに暗殺者には必要なスキルかも知れないけど。


 【隠蔽】【ステータス偽装】【気配遮断】【千里眼】【地獄耳】等々。


 物騒なスキル名ばっかりだな。でも、この5個は絶対必要だと思う。私は平凡で穏やかな生活を送りたいんだ。そのためには自重はしない。もしかしたら鑑定で見破られるかもしれないからスキルレベルも上げておこう。



 ……自重しなかったよ。だからスキルポイントが0になったんだよ。でも上限まで上がったからいいじゃない。別に調子に乗ったわけじゃないよ。必要だったんだ。



 ……前言撤回! 明日からも草原でレベル上げだ!なんとしてもスキルポイントを貯めるのだ!


 こうして、命名式までの2ヶ月間、可能な限りレベル上げをすることになった。



 ーーーー



 「一緒に来なさい」


 朝、母親が食事を持ってくるのを待っていたら突然言われた。多分、今日は命名式なんだ。聞いていなかったら焦っただろうな。


 大人しく母親の後ろをついていく。あらかじめ【隠蔽】と【ステータス偽装】のスキルを使っておこう。何があるか分からないからね。


 母親は、私の歩くペースを考えることなくズンズン進んで行く。ちょっと歩くの速いよ~! 改めてこの人とは一緒に住みたくないと思った。


 身体強化をしながら置いていかれないようについていく。方角から考えると城壁の方に向かっているみたい。教会でやるって言ってたからそこに行くんだろう。スラム街にはないみたいだな。


 しばらく歩くとやっと城門に着いた。城門の近くには私と同じような子供と母親がいる。ただ、子供の様子にかなりの差があった。前に教えてもらった、あえて厳しい環境で育てる人と、いらないからとりあえずスラム街で育てる人との差だ。


 前者は小汚ないものの栄養状態は悪くない。身体もしっかりしてるし、身長は私より高い子もいる。笑顔で母親と会話している子供もいるなんてすごいな。


 後者は……とりあえず酷い。見た目も栄養状態も最悪だ。よく生きていられるなと思うほどガリガリに痩せ、汚物にまみれている子供もいる。正直、見たくない。自分と同じ立場の子供が辛い思いをしているのを見ると心が痛む。ヤバい、ちょっと泣きそう…。


 やがて、ある程度揃ったのか移動を始めた。城壁の中に行くようなので、出来るだけ他の子供たちを見ないように下を向いて歩きだす。



 ……早く終わってほしいな。



 大きな城門の前では兵士らしき人が通行人の確認をしている。私たちの団体は事前に話を通してあったのか、そのまま中に入ることが出来た。


 城壁の中はまるで外国の街のようだった。道には石畳が敷かれ舗装されているし馬車が走っている。通りの脇にはレンガでできた家が建ち並び、多くの人達が生活している。思ったよりも活気があった。


(うわ~、映画で見た街にそっくりだ。観光したいな)


 キョロキョロしているのは私だけじゃなく、殆どの子供が同じように街を見ていた。これなら浮かずに済むな。


 前の人達が移動し始めたのでそれについていく。ゆっくり見て回りたいけど、また今度だ。街の中心に行くのかと思いきや脇道に入って行く。少し進むとレンガ造りだった家が木造に変わっていった。


 道こそ舗装されているものの、全体的に廃れた雰囲気が漂っている。あー、なるほど。貧困層の住む地域だ。10分ほど歩くと教会に着いた。


 思ってた教会とはだいぶ違うな。私のイメージだと大きくて厳格な感じの、聖堂とか神殿とかそんな場所だと思っていたんだけど、実際は木造の大きな家って感じ。三角屋根の上に十字架があるから、辛うじて教会だと分かる。


 スラム街の子供がそんな立派な教会に行けるはずないか。木造でも教会があるだけましだろう。スラム街にはないんだから。


 中は意外とちゃんとしていた。古い建物だけど清潔に保たれており、派手さはないが、質素で教会らしい内装をしている。今日のために椅子を退かしたのか、両脇に移動してあった。



 「子供たちは前に来なさい」



 神父らしき人が子供を前に集め、親は後ろで見ているようだ。前に座らされると神父からありがたいであろうお話を聞かされる。最初の話はこの国についてだった。





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― 新着の感想 ―
おぉ!!↓の方に全面同意です♪ フィクション&ファンタジーなのにリアリティを求めてどうするの?とか、 中世風〜なのに中世ヨーロッパと違うとかどうでも良い事をウダウダ言う方々はスルーして良しと思います。…
[良い点] 今のところ、主人公の魅力を活かされて、とても面白い 作品だと思う毎回、読むのが楽しみだよ~ [気になる点] 探すけど見つからない、特になし。。 [一言] 今はいいだろうが話数が長くなるとモ…
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