ホーンラビット
慎重にホーンラビットとの距離を詰めながらどうやって倒すか考える。
スライムより強いのは確実だ。今まで通りエアーカッターを使うか他の攻撃魔法を使うか悩むな。あの角で刺されたら間違いなく重傷だ、場所が悪ければ即死もあり得る。
ここはやっぱり使い慣れたエアーカッターでいったほうがいいだろう。がっつり魔力を込めて首を狙えばいけるはず。
しっかりと狙いを定めて魔法を放つが、魔法が届く前にホーンラビットが動いてしまった。
「ヤバっっ!」
ホーンラビットのいた地面をえぐっただけでダメージは与えていない。攻撃されたことに気付いたホーンラビットは辺りを警戒している。私の場所はまだ分からないようだ。
今のうちにもう1発エアーカッターを放とうとすると気配に気付いたホーンラビットがこっちに突進してきた。
まだ距離があるから大丈夫だ。もう1度魔力をためてエアーカッターを放つ。
焦ってしまったせいで少しずれてしまった。これを外すとマジでヤバい。放ってしまったエアーカッターに更に魔力を送り強引に軌道を変える。
(ザシュッ)
……はぁ、何とか当たった。当たったのは背中のほうで致命傷にはなっていない。少しだけ近づき、首を狙って仕留める。確実に死んでいることを確認し、アイテムボックスにしまっておく。
「怖かった、兎って強いな」
肉のためとはいえしばらくは遠慮したい。攻撃が外れた時はヒヤッとした。精神的に疲れてしまったので、今日はもう帰ろう。
いのちだいじにだ。
ーーーー
ヘトヘトになりながら帰宅した。思っていた以上に疲れていたみたい。初めて生き物を殺したんだから疲れて当然か。母親が来るまでまだ時間があるから、今のうちに採ってきたレナウス草を洗っておこう。こんなに疲れるなら採取しながら洗っておけば良かったな。
レナウス草の処理をし、母親が持ってきた食事を食べ終わったらステータスのチェックをする。何度かテロ~ンって聞こえたからレベルアップしているのは間違いない。画面を出して確認する。
LV 6
HP 352
MP 2880
SP 80
「だいぶ上がったなぁ、けど、HPはもう少し欲しい」
こんな小さい子供の身体じゃ、素早くは動けない。せめて、攻撃されても持ちこたえられるくらいHPがあれば魔法で何とか出来るだろう。
今日みたいに攻撃を外すこともあるだろうし、不意討ちをくらう可能性もあるからレベルは上げておいたほうがいい。
攻撃魔法ももっと練習しなきゃダメだな。放った魔法もコントロールすることが出来るって分かったから、明日からは真っ直ぐの攻撃だけじゃなく色々試してみよう。
それにしても、スキルポイント貯まったなぁ。この際、使えそうなスキルまとめて習得しちゃおう。今まで必要なスキルだけ習得していたから、その前後の補整スキルも取っちゃおうかな。
「結構使っちゃった。無駄遣いした気もする……」
ポイントがたくさんあるのをいいことに片っ端からスキルを習得した。衝動買いみたいだ。多分使う、いつか使うと思うって選び始めたら止まらなくなった。念のため10ポイントだけ残したけど。
スキルポイントはスキルを習得するだけじゃなく、スキルレベルを上げることにも使えるようだ。スキルレベルを上げるのにも使ったから今までより便利になるだろう。
明日は草原に行くのお休みにしてスキルの確認をしよう。倒したホーンラビットも何とかしなきゃいけないしね。
そういえば、隣の部屋も確認しようと思ってたんだ。何か使える物があるかもしれないし、明日こそやろう。
……お肉、楽しみだなぁ。
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