第2話 大宮 葉の転生
「転生しますか?」
あれ、俺寝てるはずなんだけどな…て、え!?転生とかまじかよ!あれだけ夢見てた転生できんのか!
期待に胸が踊る。それはもう心臓の音が耳で聞き取れるんじゃねってレベル。だってさ、この長かった友達できない生活から脱出の可能性大じゃん。てか友達作り放題じゃん。人見知りが消えればだけど。
「はい!」
もちろん答えはこっちだよな。もしかして俺って転生して勇者にでもなっちゃう?最強賢者とか?世界救って親友と恋人できたりする??やっべ、めちゃめちゃ楽しい。考えてるだけで生きていける気する。
どうか夢じゃありませんように。もし夢ならば覚めませんように…
「転生に成功。幸せのステータスが1上がりました」
っしゃぁぁぁぁ!!転生した!!俺はついにやったぞ!!
…ん?待てよ、俺が見てきたラノベだとこのあとめちゃめちゃいろんなスキルが手に入るんだけど…あ、願ったら手に入る系多いし願ってみるか。
「最強になりたい!社交的になりたい!」
………返事がない。ただの屍のようだ。
二つ同時に言ったのが悪かったのか?
「社交的になりたい」
……………
もしかして俺スキル無し系?異世界転生して秒殺される系男子?いや、でもスキル無しで肉体能力最強とかあるからな。
あ、幸せのステータスが1上がりましたって言われたわ、俺。ほか何も上がってなくね?てことは詰み?『異世界転生したら即死した件。』てタイトルで書けそう。死んだら書けないけど。
「それではさようなら」
突然聞こえた、どこか耳奥に残るその言葉で俺は意識を無くした。