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きみとふたり。  作者: しっちぃ


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由実 永遠を、君と。

「結婚、かぁ……。やっぱり、理沙とがいいなぁ……」

 ソファーに隣り合わせで座って、流れてるニュースを見ながら、思わず呟いていた。

 理沙となら、『永遠』を分かち合える気がするし、私がそうしたい、と素直に思えるのも理沙とだけ。

「でも、うちら、結婚できないもんね……」

 いくらお互いがお互いを愛していたって、一緒の時間を二人で過ごしていたって、日本じゃ私たちは結婚できない。

 それに、周りの環境もまだ、こういう関係を快くは見てくれていない。

 そういう事を分かってきたから、余計に、理沙のこと、大事にしたいって思える。

「外国だったらできるとこあるみたいだけどねー」

 そういうことは、理沙と二人暮らしを始めたときに調べたし、そうしたいなって思う。

 もちろん、私と理沙の関係は、切っても切れないようなものだけど。

 指輪とか、贅沢なものじゃなくてもいいから、二人の繋がってる証みたいなのが、欲しいって思ってしまう。

 ……私、贅沢なのかな。理沙がどれだけ私のことを好きでいてくれてるのか、わかってても、もっと欲しくなっちゃうなんて。

「じゃあさ、……ちゃんと大人になって、自分たちだけで暮らせるようになったらさ、……二人だけの結婚式、しない?」

 こっちの方をわざと向かないで言われた、理沙の言葉。

 私を舞い上がらせるのは、それだけで十分すぎた。

 だって、理沙も、同じこと、思ってくれてたのかなって思ってしまう。

「うん、そうしよ!」

 自然と、唇が重なる。

 誓いのキスみたい、なんて、そんな事言ったらら3日に1回はしてる気がする。普通にちゅーするのは、毎日、それも数えられないくらい。

 でも、それだけ、いっぱい約束できて、いっぱい理沙といられるってこと。

 それは、私の中で、『幸せ』という感情を満たしていく。

「ん、……由実?」

 抱きついて、理沙の温もりを濃く感じる。

「理沙、あったかい」

 肌も、吐息も、優しくしてくれる心も。

「うちも、由美にあったかくされたいな」

 頬に触れた理沙の手。顔を上げられて、目線が合う。

「いい、よね?」

 理沙にちゅーされるの、拒むわけがない。

 目を閉じて、――唇が触れた。

 ちゅっちゅっと、幾度となく繰り返されるバードキス。

 熱くて、息が苦しくて、うれしくて、気持ちいい。

 唇が触れ合う度に、ドキドキが増していく。

「ね、理沙ぁ……っ」

「何?」

「ずっと一緒にいよ?」

 そう言うと、もう一回唇が重なって。唇の上で囁かれる。

「ふふっ、今の、誓いのキスだから」

 顔が赤くなるの、顔が近いからごまかせない。

「理沙ぁ、……大好き」

「うん、うちもだよ、由実」

 いつか来るお別れの日まで、ずっとずっと隣にいさせてね、理沙。

『きみとふたり。』は、この回で筆を置かせていただきます。

過去に書いていたストックが無くなりここ最近は書下ろしだったのですが、現在連載している『私と愛猫かのじょ。』との両立はこれ以上は難しいと考えた結果です。

もちろん、この二人に嫌気が差したからではありません。むしろ、初めて自分が創作百合を始めた思い入れのあるキャラですし、一番多く書いてきて、愛着があるくらいです。

この子たちの生活を描くのはここで一旦終わりますが、二人の生活が終わったわけじゃありません。私の心の中にいる、もしかしたらこの二人を見てくださった皆様の中にいる由実と理沙は、ちゃんとそこに生きていちゃいちゃしてます。蟻一匹すら遠慮するくらいいちゃいちゃしてます。大事なことなので2回言いました。

それに、気が向いたらふらりと別作品扱いで二人のいちゃいちゃは書くかもしてません。

今まで、この書き物と由美と理沙を見ていただき、本当にありがとうございました。


これからもうちの書き物を見ていただけたら嬉しいです。

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