由実 温もりと心
いつのまに冬になってた。
そしてJust loving you.を超えて文字数数最大になった
「寒いねぇ、由実……」
「う、うん……」
理沙と一緒に生活をし始めた最初の年。もうそろそろ、それも終わってしまうような時期。
寒いのは苦手だけど、理紗といるなら逆に嬉しくなる。理紗とくっつくと、温かくなれるから、――体も、心も。
「小学校のとき、こんな中普通に遊んでたなんて信じられないや」
「今だともう凍っちゃいそうだよぉ……」
想像しただけで身震いがする。寒いのと錯覚したのか、理紗が軽く抱いてくれる。
窓が結露して曇っていて、その向こうは牡丹雪が舞っているはずだ。
「今日バイト休みで買い物も昨日のうちでよかったよー」
「こんな中出かけたらたどり着く前にこけちゃうもんね、由実が」
「もー、なんで私だけなのー?」
理紗のことをクッションで叩く。もちろん、怪我させないように軽くだけど。
そんな軽口の端に、私のことを好きでいてくれてるってわかるから。
「ごめんって由実、やめてぇー」なんてかわいこぶってくる。そんなことしなくたって、理紗はかわいいのに。
「ちゅーしてくれなきゃ許してあげないっ」
精一杯、かわいこぶって言ってみる。
「もー、由実は本当に甘えたさんだなぁ」
そうやって、ほっぺたにちゅーしてくれる理紗が大好きで、もっと理紗と触れてたい。二人で一緒にいられる間はずっと。
でも、からかわれてることに気づいてしまう。
「えー?そこじゃないよぉ……」
「じゃあ、どこなの?」
白々しく、そう言う理沙。
どこにしてほしいか、最初からわかってるはずなのに、理紗はそこを避けるように私に何回もくちづける。
はぐらかした言葉に、怒るより先に、かわいいなんて思ってしまう私に気づく。――それだけ、好きでいてくれるんだって、私がしてほしいことをするの、ちょっと照れてるんだって。
私、本当に、理紗に弱いや。
「もう、ここだよ、理紗」
理紗の顔を、そっと手で包むと、すぐ目を閉じてくる。もう、やっぱり、最初からわかってたんじゃない。理紗の意地悪。
……でも、そんなとこも、大好きだよ。
理紗の唇に、そっと唇を重ねる。もう何度もしてるのに、その瞬間の胸の高鳴りは重ねる度に起こってしまう。
唇が離れて、目線が合う。
「もう、由実ってば、顔真っ赤だよ?」
「もー、言わないでよー!」
こんなにほっぺが熱くなるのは、理紗のせいなのに。
でも、こんな日常も、楽しいって思えるのも、理紗のせい。
きっとからかわれてしまうから、理紗には言えないけれど。
そんな理沙と一緒にいられて、幸せだし、大好きだよ。
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