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きみとふたり。  作者: しっちぃ


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20/26

由実 温もりと心

いつのまに冬になってた。

そしてJust loving you.を超えて文字数数最大になった


「寒いねぇ、由実……」

「う、うん……」

 理沙と一緒に生活をし始めた最初の年。もうそろそろ、それも終わってしまうような時期。

 寒いのは苦手だけど、理紗といるなら逆に嬉しくなる。理紗とくっつくと、温かくなれるから、――体も、心も。

「小学校のとき、こんな中普通に遊んでたなんて信じられないや」

「今だともう凍っちゃいそうだよぉ……」

 想像しただけで身震いがする。寒いのと錯覚したのか、理紗が軽く抱いてくれる。

 窓が結露して曇っていて、その向こうは牡丹雪が舞っているはずだ。

「今日バイト休みで買い物も昨日のうちでよかったよー」

「こんな中出かけたらたどり着く前にこけちゃうもんね、由実が」

「もー、なんで私だけなのー?」

 理紗のことをクッションで叩く。もちろん、怪我させないように軽くだけど。

 そんな軽口の端に、私のことを好きでいてくれてるってわかるから。

「ごめんって由実、やめてぇー」なんてかわいこぶってくる。そんなことしなくたって、理紗はかわいいのに。

「ちゅーしてくれなきゃ許してあげないっ」

 精一杯、かわいこぶって言ってみる。

「もー、由実は本当に甘えたさんだなぁ」

 そうやって、ほっぺたにちゅーしてくれる理紗が大好きで、もっと理紗と触れてたい。二人で一緒にいられる間はずっと。

 でも、からかわれてることに気づいてしまう。

「えー?そこじゃないよぉ……」

「じゃあ、どこなの?」

 白々しく、そう言う理沙。

 どこにしてほしいか、最初からわかってるはずなのに、理紗はそこを避けるように私に何回もくちづける。

 はぐらかした言葉に、怒るより先に、かわいいなんて思ってしまう私に気づく。――それだけ、好きでいてくれるんだって、私がしてほしいことをするの、ちょっと照れてるんだって。

 私、本当に、理紗に弱いや。

「もう、ここだよ、理紗」

 理紗の顔を、そっと手で包むと、すぐ目を閉じてくる。もう、やっぱり、最初からわかってたんじゃない。理紗の意地悪。

 ……でも、そんなとこも、大好きだよ。

 理紗の唇に、そっと唇を重ねる。もう何度もしてるのに、その瞬間の胸の高鳴りは重ねる度に起こってしまう。

 唇が離れて、目線が合う。

「もう、由実ってば、顔真っ赤だよ?」

「もー、言わないでよー!」

 こんなにほっぺが熱くなるのは、理紗のせいなのに。

 でも、こんな日常も、楽しいって思えるのも、理紗のせい。

 きっとからかわれてしまうから、理紗には言えないけれど。

 そんな理沙と一緒にいられて、幸せだし、大好きだよ。

感想が欲しいです。ブクマでもポイント評価でもいいんだよ?(むしろそっちもください)

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