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開幕の前に

おそらく、この作品内での戦闘描写は麗羅の文才の問題で割愛されることが多いです。

平にご容赦ください。

まあ、天音ちゃんは攻略にあまり乗り気じゃないんですけどね。

さてと、帰宅して、宿題や夕飯やお風呂を全て終わらせてから、VRMMO専用のデバイスをつける。


昔と違って、頭をすっぽりと覆うヘルメット型ではなく、スポーツ用眼鏡みたいな形であると言えば分かりやすいかな?


小型化するまで色々あったらしいけど、それも10年前の話だ。今や軍事用の訓練から病院でのリハビリ、果てにはゲームに応用されてるくらいだし、性能はお察しである。


さて、そろそろ始めますか。

「PASS:アマネ・ニノミヤ」

<声紋認証…確認。お帰りなさいませ>

<虹彩紋…確認。ご主人(マスター)です>

いちいちコレしないと入れないから、面倒くさいんだよね。

「ーLink STARTー」

そう呟くと、私の意識は闇に飲まれていった。



ーーーーーWELCOME to Fairy Tale Chronicleーーーーー



「始めまして!!

ノワール様、ルナ様よりお話は伺っております。

私はサポートAI、ユナと言います。サポートはお任せくださいっ!!」

目の前に、手のひらサイズの黒髪な妖精が現れた。目の色が青く、水色の羽を持ち、ティンカー・◯ルみたいな服を着ている。各プレイヤーひとりひとり違ったりするんだろうか。それならこのゲームやばいな?まあ御伽噺(フェアリーテイル)だから違和感はそっちのがなさそうだし、今度二人に聞いてみようかな。

そして、そんな彼女(ユナちゃん)の隣には、真っ黒な女性のシルエットがある。これが私のアバターになるわけだ。

「よろしくね、ユナちゃん」

「ハイです!!お姉さん!!

えと……お姉さんの親はっと…獣人と人間(ヒューマン)のようですね」

FTCの設定は色々なところが特殊だったりする。

まず、種族だけど定番である、人間(ヒューマン)・エルフ・獣人・魔族・ドワーフ・竜人(ドラグニル)は分かりやすいよね。


人間(ヒューマン)はステがどれをとっても平均的だよね。

器用度(DEX)と敏捷度(AGI)にMPが高いけど、筋力(STR)にHPが低いエルフ。

ドワーフはHP、器用度(DEX)が高いが敏捷度(AGI)は低いね。

MPは少ないけど、全体的な身体能力の高い獣人でしょ?(ただし、種族によって色々変動は起きる)

身体能力、特に筋力(STR)とHPが高いのに、MPは低い竜人(ドラグニル)。(そのためあるいみ脳k……)

魔族は平均的な能力だけど、魔法職に強いステータスをもつ。


これは、FTCでも一緒。ただし、親の種族によってレアな種族になれるのも事実だ。

たとえば、筋力(STR)・敏捷度(AGI)とMPは高いのに、器用度(DEX),HPが低いダークエルフは魔族とエルフの間の子だし、エルフ×エルフならハイエルフが生まれるし。(人間(ヒューマン)×エルフでハーフエルフができるけど、あんまり人気がない。ステが人間(ヒューマン)みたく平均的になるからだ)


さて、私が何を選ぶか?

人間(ヒューマン)とか面白味ないから獣人…………って!!狐っ!?猫とか狼じゃないのっ!?いや、うん。選びますけど!!

【獣人(狐)でよろしいですか?YES/NO】

「…はい。確認しました。顔はこちらでよろしいですか?」

YESを押すと真っ黒だったアバターに狐耳と尻尾が生える。見た感じモフモフですな。

ちなみに、顔は自分の写真がVRサーキュレットに登録されているので、嵌め込まれている。体は真っ黒のままだけどね。


ーーーーーなーんか、面白くないなぁ……。せっかくのファンタジー(ゲーム)だし。

髪を桜色にして、目はオレンジがかった茶色(明度は高め)にしよ。


ーーん?どっかで見たことある?細けーことは気にすんな!

【これでよろしいですか? YES/NO】

「あとで再調整もできますよ?」

「…ん。おっけ」

「は〜い。次は職ですね」

狐耳までピンクは止めてほしいけど。金色(黄色?)だとモロ被りな気がするので、耳は白にしようと思います。ま、そこは調整効くでしょ。


「さてさて、……お姉さんのお父さんは巫覡(みこ)。お母さんは魔術師のようですね。

……と、なりますと、選べる職はこちらとなります」

ここからは全てウィンドウ操作だ。私の前に薄い青色のウィンドウがでる。……でもさぁ。

「椅子ってないの?」

「あ!気が利きませんでした。…えいっ!どうぞ」

どこから出したって聞きたいような杖を取りだし、B◯のように一振りすると白い煙が立ち、中から椅子が現れる。

「ありがと、ユナちゃん」

「いえいえ」

立ったまま作業とか疲れるじゃん。ユナちゃんにも座るように言ってウィンドウに目を向ける。

選べる職は五つのみ。"精霊魔術師"、"巫女"、"戦乙女"、"魔術師"、"弓兵"の五つ。

ていうか、弓兵って適当すぎるでしょ。……運営、何やってんのさ。

とはいえ、私の興味を引くのは一つで。

「ユナちゃん、巫女って?」

「巫女って大分レアですよ………?

……えっと、極東の方の神職で、色々な神様のお力を借りることができます。ダメージの一定量阻害からバフ・デバフ付与まで色々できます」

あ、楽しそう。被ダメ判定ちょろまかす裏道(チート)を使うゲーマーはいるけど、その効果を運営から貰えるとか。

でもさ、

「そこまで言っていいの?」

「だって、他にいないもん!って、あ」

このAI(娘)口が軽いようです。てへっ、って笑うのは可愛いけど初登場ってことは他にはいないってことだ。回りから追い回されたくはない。

……でも、ゲーマーの血が騒ぐ。楽しそうなんだもん。回復職と組めば、タンク役がより活躍できる地を作れるしな。

リキャストがどうなるかって言う不安はあるけどね。ま、回復職の一部ならそこまで長くはないはずだ。


「ま、それで」「はーい♪」「楽しそうだね」

声が始めたときよりも弾んでる。AIの技術力は回数こなす度にどんどんよくなっていて、もはや人と話しているのとたいして変わらないのだ。

「はいっ。すっごく!レア引く人、本当に少なくて…」

「ふぅん。ま、さっきの失態は見なかったことにしてあげる」

「す、すみません…」

それにしても、狐の巫女とか、ギャルゲにいそうだよね。ま、ギャルゲ的展開はないので別にいいんだけど。


ユナちゃんをちょいちょいからかいつつ、設定を決めていくのが地味に楽しくなってきた。

……これが、ゆえちゅ!!……なわけないですよね〜。まぁ楽しんでいるけど(あれ?愉しんでる?いや、こっちはアウトだ)。


「あ、そっか、これ。一応事前登録だから……!!少しお待ちくださいっ」

「え、」

ユナちゃんは何かを思い出したかの様にパッと消えた。

何事?いや、別にいいけど。今の内にアバター(全体の色について)をみる。

髪は桜色。目はどっちかって言うとオレンジが強い茶色だ。(童顔ですが何か!)耳と尾は真っ白である。いい感じだな。

で、これに白と赤のハッキリした巫女服。(狙ったみたいだが、偶然の産物です)

まぁ、いいんじゃない?可愛い感じでまとまってるし。


「お待たせしました〜!!事前登録限定!!レア度未定ガチャです。五回引いてくださーい。狐と巫女もレアですけど、まあ、そっちはリアルラックで得てますし」

「あれ、狐も?」

「はいっ。逆にどんな確率っ!?って聞きたいくらいですよ。レア×2って。

とはいえ、起きるのは一万に一回の確率なんで、後続では出てくると思いますよ」

欲しくて登録、何回もする人いますからとにこやかにユナちゃんは答えた。私は苦笑しかでない。リアルラックの良さは、正月にくじを引けば、一等のテレビ当たったし。大吉と大凶しかでないし。なんなんだよっ!ってかんじだ。

さすが、ユキ曰く、物(欲)滅体質。(ユートに言わせるとコレクター体質になる)

ちなみに、ガチャ五回はβ組以外に送られるものらしい。(βは三回+引き継ぎがあるからね)


ガチャ、何て言ってるけど、ユナちゃんが持ってきたのはよくある一番クジタイプの箱だった。これ、ツッコミまち?

「まま、とりあえず」

箱に腕を突っ込んで、グリグリ回す。それでこれだ!と思ったタイミングで手を握り取り出す。手の中には九枚の紙が入っていた。

「…ぁ、とりすぎた」

「大丈夫ですよ?えいっ」

ユナちゃんの気の抜ける掛け声に、九枚の紙が宙に浮き、横一列に並んだ。

ここがVRの中だとよく分かるよね、こういうエフェクトって。

「どれにします?」

「……じゃ、中の五枚。あれからそれまで」

「はーい。では、オープンっ!!

………どんなセンサー持ってるんですか?」

あ、☆までついてる。えっと、右から、刀(☆5)、卵(☆4)、鈴(☆2)(巫女が舞を踊るときに使う形をしてる)、弓(☆5) 、卵(☆4)。

ちなみにほかのは、刀の右にポーション?×2(☆3)、槍(☆5)で、卵の左は卵(☆2)、盾(☆3)だった。

……ポーション欲しかったかも。

「ゲーム内のレア度MAXは☆7で、ガチャに入ってるの☆6までなのに……。☆5の武器二つに、☆4の卵二つとか!」

「さすがコレクター体質……」

というか、どんなアイテムかはゲーム開始まで教えてくれないんだね……。気になるわぁ。

ユナちゃんには悪いけど、ガチャの結果に全然ビビんなくなってる自分がいる。(だって、正月のくじ引きで一等のテレビ当てたし。それに比べれば、ネ?)


「ユーナーちゃーんー。とりあえず"スキル"」

「はっ!!ガチャの結果見て決めて貰うんだった!」

さっきまで、ブツブツと乱数がどうなこうなと呟いていたユナちゃん。(ぶっちゃけた話、怖かった)どうにか我に帰ったようだ。

「……大丈夫?」

「大丈ば……ないですけど、まあ。お仕事ですし。

……はい、お勧めを一番上にしてます」

選べるスキルは10個。それ以外は派生したり、買ったり、リアルな動作で覚えたりするしかない。まあ、職業固有のものも含んでるので、実質9個までだけど。

ユナちゃんが見せてくれたやつは、私が元から選ぼうとしていたものが大半だった。

「サポート、行き届きすぎじゃない?」

「だって皆さん、お喋りする気ないですし?お勧めするだけ無駄ですもん。

ま、びっくりの代償(おれい)と思っていいですよ」

「ウン、アリガト」

「なぜに片言?」

狙ってないもん。

リアルラックの賜物だし。リアルTASさんじゃないもん。VRMMOはそういうのできないし。(一応)私はパソコン関係は、人並みにしかできないよ?技術力なんてありませんっ!!


さて、落ち着いたところで、オヌヌメを見てみよう。各"魔法"(火、水、風、土)、"刀術"、"弓術"、"回復魔法"、"ステップ"、"テイム"、"採集"だった。んーと、

「鑑定と解体は?」

「歴代のゲーム内容より、全員に初期スキルとして配備されます」

ふむ。ならその枠を考えなくていいのか。なら二つ枠が余る。どうしようかな。

「なら、なんでテイムと採集?」

「採集持ちの方がアイテム入手時に品質がいいんですよ。

テイムは、ガチャで従魔の卵を引いたのでです。テイムないと色々大変なんです」

ふむふむ。なら両方を入れておこう。AIのサポートが折角オヌヌメしてくれたからね。

"巫術"を除いたスキルは以下の通りだ。

"刀術"、"弓術"、"回復魔法"、"テイム"、"採集"、"細工師"、"火魔法"、"風魔法"、"水魔法"。

ステップは無くてもなんとかなるだろうし、刀術のスキルアップ中に拾うと思うからね。細工師は、ま、やりたいからだ。気にしない気にしない。

「以上10個でいいですか?」

「うん、後からとれるからね」

「これにて終了となります。おつk……「いや、名前!!」あっ!!」

入力ウィンドウが、私の前に現れる。ユナちゃん完璧に忘れていただろ………。この子、絶対もとの人ドジッ子だわ。


アバターがかなりネタに走っているので、終始完結しようか。

k・y・a・s・u・k・oっと……変換。キャス狐、エンター。

「キャス狐って……」

「駄目?」

「いや、被ってないし、既存のキャラとは色が微妙に違いますし。何よりも、中の人のキャラクターが違うのでオーケー出ました」

ご主人様っ!!とか、言わないもんね。変えられないと念押しされたけど、別にいいのに。

「……これにて、()()()終了となります。お疲れさまでした」

「ん。本番でドジしないようにね」

「もぅ!!そんなことしませんよっ!!さよならっ」

ぷりぷりしながら飛んでいったユナちゃんに、ついつい吹き出してしまった。


【称号"妖精の友人"を得ました】


え、もう?なんでチュートリアルもしてないのに?

クジのくだりは、麗羅の実体験です。ただし、地デジ非対応のやつでした。(しかもちっちゃい)


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