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第四話 世界を知る

 朝日が差し込んできた。それを感じて私は完全に覚醒した。マグノリアはまだ寝ている。仕方ない。私はいつもかなり早起きだ。

 

 顔を洗いに湖まで歩いていく。湖の近くにテントを張ったのはこういう理由だそうだ。その他にも、この湖には主のようなものが居るらしい。温厚な性格らしく、滅多に人は襲われないらしいし、魔物も主を恐れて近づかないそうだ。これを聞いたときの私の感想は魔物ってやっぱりいるんだである。そのことも今日聞くとしよう。


 湖に顔を近づけると⋯⋯


 見知らぬ顔が湖面に映っていた。


 年齢は多分十五、六歳ほど。そして白髪。透き通るような白色だ。目を惹くのは文字通り目である。本来白いはずの部分が黒く、瞳の色も、右が赤というより真紅と言ったほうがいい色。左は緑⋯⋯エメラルドみたいな色。

 しばらく眺め、誰かに似ているような気がしてきた。そう。他でもない私の面影が有るのだ。

 手を顔に当ててみる。湖面に映った人物も顔に手を当てた。


 流石に気付いた。


 その後については思ったよりも私の叫び声は響いたのと、慌てるマグノリアもかわいかったとだけ言っておこう。





「つまり、自分の顔が変わっているのに気付き、叫び声を上げてしまわれたと」

「ええ。そうです。その通りですよ」

「なんでそんなに不敵そうなんですか⋯⋯本当に驚いたんですよ。敵襲かと思ったんですよ。ですから急いだんですよ。だというのに⋯⋯そんな私を見て面白がるなんて⋯⋯」


 マグノリアからじとーという効果音が聞こえてきそうな目を向けられる。

 仕方がないじゃないかわいかったんだもん⋯⋯とちがうちがう。顔のことだ。顔立ち自体はそこまで変わってない。少し幼くなったくらいだ。しかし、平凡な黒髪黒目が変わればそれだけでも印象が変わる。それこそ、思わず叫んでしまうくらいには。だから仕方がないのだ。それに容姿については言ってくれてもよかったはずだ。マグノリアにも責任がある。という旨を伝えたところーー


「容姿が変わっているなんて思うわけがないじゃないですか⋯⋯」


 呆れられてしまった。

 今日に限ってはこんな朝の一幕もちょうどいいだろう。多分、これから聞くことは、マグノリアが話すことはきっと重いものになる。なら、少しぐらい笑っていたほうが話も進む。ある程度、彼女が私に優しくしてくれた理由は察している。そして、当たっていれば彼女はそれほど⋯⋯いや、全く悪人ではない。それなら、私は⋯⋯



_______



「何からお話するべきでしょうか? 」

「⋯⋯」


 朝食を終えた後、昨日から延期してきた本題に入った。

 聞きたいことはたくさんある。『転異者』、『種族権』、『ステータス確認』、『魔眼』など。他にも、なぜ追われていたのか。あの男たちは何者か。本当にたくさんある。

 たくさんの疑問の中、なにより初めに私が聞かなくてはならないこと。それは、多分、多くの疑問の答えにもなる。


「マグノリアはどこに行こうとしていたの? 探検に森に来ていたっていうわけではないよね」


 マグノリアはどこかに向かう途中で襲われた、と私は思う。ほとんど勘だが、間違っているとは思わない。

 この質問は私の疑問に直接的には全く関わらない。それでも聞いておきたかった。


「⋯⋯本当に鋭いですね。でも⋯⋯最初に聞くことがそれでいいんですか? 聞いても分からないと思いますよ」

「だろうね。ほとんど分からないから補足してほしいかな。それに、私にすごく優しかったのはその辺に理由があるんじゃないかなと思っているけど」

「⋯⋯」


 マグノリアが少し苦しそうな、悲しそうな表情を滲ませている。少しキツイ言い方になってしまっただろうか。


「本当に鋭いですね。⋯⋯それに⋯⋯とてもいじわるです」

「それはどうも」

「はぁ⋯⋯私はエルロイ王国に向かっていました。西の盟主と呼ばれる国です」


 うん。さっぱりだ。だが、それでいい。


「どうして? 詳しく教えてくれると嬉しいな」

「理由は⋯⋯背景までとなるとかなり長く⋯⋯そういうことですか。ここまで鋭いとなると恐ろしいと思えます」


 気付いたみたいだ。

 私が最初になぜこの質問をもってきたのか。

 それは、マグノリアがどこかに行こうとしていたなら、その理由に『私の聞きたいこと』が詰まっている気がしたからだ。ほとんど勘だが⋯⋯

 今の場合はその背景が私の聞くべきことだ。こういう聞き方ならいちいち聞くよりも効率的に、かつ、分かりやすく説明してくれるだろう。それでも分からない部分があれば、それこそ聞けばいい。


「では話しましょう。私がエルロイ王国に行く理由とその背景を。長いですがギョクト様も必ず関わる話ですのでちょうどいいでしょう。これは歴史の話になります。百年ほど昔のことですーー



 --三百年ほど昔のことです。正確な年代は伝わっていません。今が聖暦三百二十年なのでそう言ってるだけです。本当はもっと前かもしれません。それくらい昔にとある戦争が終わったと言われています。始まった年代も終わった年代も何一つ分からない戦争。人魔戦争と呼ばれる戦争です。歴史のほとんどが失われたため、具体的に何が起こったかは分かってはいません。ですが、どういった戦争かは分かっています。人魔戦争は種族間の戦争だったそうです。昔は人という種族が圧倒的に多く⋯⋯今でも種族権の認められている種族の中では一番多いですが、昔は今の比にならないほどだったそうです。その昔の人々は自分たち以外の種族の権利を一切認めなかったそうです。酷い扱いだったそうですよ。奴隷として扱き使ったり、奴隷にならない者を邪悪な種族、魔族と貶めたりと。あとは分かりますよね。人以外の種族が増えてきたのと、人の中にも彼らを擁護する者がかなり増えてきていたそうなので、きっかけができて戦争です。その後、様々な国が生まれました。種族権もこのときにできたそうです。種族権は要するに国に所属したり、仕事をしたりといった当然の権利のことです。そして、種族権が認められるのに必要な条件は一つだけ。知恵と秩序と共感のある存在であること。これだけです。これはこの世界の全ての国で通用します。もともとこれはただ一つの国に対する牽制で決められたものです。その国は東の盟主と呼ばれていた国です。⋯⋯私の事情も分かってきましたか? ええ。多分、今、ギョクト様が思われている通りだと思いますよ。ただ、ここからが大事です。ギョクト様にも関わってくる話です。まず、この世界は北、南、東、西で大きく分けることができます。そして、それぞれその四つで分けられた国々が牽制し合うことで三百年間なんの変化もなかったそうです。技術や文化はもちろん変わりましたが大まかな勢力図は変わらなかったそうです。東は種族権に否定的、西は寛容、北と南はどちらとも言えない。このような状況が三百年続いたそうです。ただ、三百年の中で、人以外の権利は当たり前のものになっていったそうです。とある国以外は⋯⋯とは言っても何かできるわけではありませんでした。当たり前です。もし、種族権を認めないなどと言い出せば世界を敵にまわすのに等しいのですから。しかし、今から約五年前、均衡が崩れました。鋭いギョクト様ならもう分かっていますよね。そうです。転異者です。異世界の人々。とても強力な。初めて確認された転異者はその種族権に否定的な国に所属することになりました。理由は分かりません。ただ、そこからあっという間でしたーー



「何が起きたの? 」


 なんとなく事情が見えてきた。となると、もしかしたらあまりここでゆっくりしていられないかもしれない。


「種族権に否定的な国、聖アルトロン帝国が東を統一しました」

「ここは⋯⋯その国の領土なんだね」

「はい。その通りです」


 なるほど。マグノリアにとってはここは居づらい場所。つまりはそういうことだろう。


「早く移動したほうがいいか? のんびりしていると危なくないか? 」

「大丈夫かと。ここの森は惑いの森と呼ばれる場所です。あの程度の者たちでは三日かけてもここまでこれないでしょう」


 なら大丈夫か。急いで損は無いだろうけど、できるだけ知ってもおきたい。肝心な時に誤らないためには情報は必須だ。


「そう。ならもう少し聞きたい」

「それはいいのですが。これまでの私の話を疑わないのですか? 」


 なぜ急にそんなことを言い出すのだろうか? 

 ああ。そうか。弱気になっているのか。


「もちろん。鵜呑みにはしない。でも、嘘をついているとも思わない」

「そう⋯⋯ですか」


 マグノリアは目を瞑って何か考え込むような仕草を見せた。そして、覚悟を決めた顔になり私を見た。


「すでに気付いているとは思いますが、私の事情をお話します。そして、申し訳ありませんでした。助けていただいたというのに私は⋯⋯ギョクト様を裏切っていました」


 そう言って、マグノリアは私に頭を下げた。


この度は読んでいただきありがとうございます。

今回のお話はとても読みにくいです。説明ばかりです。なので、もしかしたら、大幅に修正するかもしれませんので、その時は申し訳ありません。

誤字脱字や悪い点などご指摘くださるととてもありがたいです。

読んでくださって本当にありがとうございます。

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