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幼少編:4

父とポーの気配が遠くから近づいているのを感じたので、もう少しで帰ってきそう

「だー!だー!」

とバタバタして父が戻ってきたことを伝える。

最初は分かってもらえなかったけど最近はすっかりお馴染みの行動だ

元々行動的でもなかったのにポーが絡むと元気に動くと認識され始めた

モフモフするのだ!

ハイハイでは大変なので抱っこを要求

「あらあら。今日もロイドのお出迎えをしたいのかしら?ロイドというよりポーね」

「「まだ何も見えないけど…」」

母や兄達には窓から見えなくても魔素の流れでわかるんだもん

「ポー!ポー!」

猛烈アピールに祖母は

「ふふふ。ロイドさんよりポーなのね」

「バー!!(正解)」

「クックックッ…ロイドが大泣きするぞシルディ」

笑いながらもイルさんが抱き上げてお出迎えに連れて行ってくれます。

もちろん母や兄達そしてすっかり元気になった祖母も一緒です。

春とはいえ雪が積もることはなくてもまだまだ寒い北の辺境

風邪などひいたら今後一緒にお出迎え出来なくなる可能性も出てくるので循環で皆を包んで温まります

「シルディは器用ねぇ~」

イルさんに抱かれている私の頭を祖母が撫でて褒めてくれます。

思わずふにゃりと笑みが…

祖母もすっかり元気になったので一緒にいる時間が長くなり、たくさん褒めてくれます。


家族に褒めれれたことがなかったのでアラフォーなのに照れます

前世では生まれて初めて家族全員分のお弁当のおにぎりを担当した時にはテレビを見ていた父や弟とは違い一人炊飯器の前で熱いのを耐えながら延々握っていたけど結局食べずに全て捨てられてしまいましたし…

頑張っても嫌な思い出に結びつく結果ばかりで褒められた記憶もないなんて今さらですがビックリです


「あら」

「「あっ見えてきた」」

兄達と父を捜していた母が先に気付いたようです

まだ小さな点のような姿ですが声が頭に響きます

『ただいま~』

ポーがスピードを上げて真っ直ぐ向かってきます

すごいスピードですが父は大丈夫でしょうか

何故か私にはポーの声が聞こえ私の声も届きます

契約者である父には言葉ではなく雰囲気が何となく伝わるらしいのですが、これほどハッキリ聞こえるのが契約していない私って


領地内で幻獣と契約している者は少なく父は特に珍しい例だそうです

中央で育った父は学園で知り合った母に一目ぼれし卒業後、実家である領地に戻ってきた母を馬車で一ヶ月はかかる距離を一目会うためだけに長期休暇の度に数日も居られないにもかかわらず通っていた

そんな父を見かねて契約を持ちかけ3時間ほどで来れるようになったとか…

小さいサイズで側に居るのは消費魔力量を抑える為で父の負担を少しでも減らせるようにだそうな

本当になんて献身的なんだろう幻獣は!

鳥(?)なだけに情熱的で一途な女性メスへのアピールに共感したのかな


「「お父さぁ~ん」」

「だー!ポー!」

手を振る兄達と私に父もポーも

「ただいま」

『到着!』

目の前に降り立ち返してくれます

ポーから飛び降りた父はイルさんに抱っこされている私を受取りハグしておでこにチュッてしてポーの上に、そして兄達をハグとチューをして母の元へ行き見つめ合って抱きしめてと長ぁ~いキスを贈っています

ラブラブですね

私も負けてはいません

「あう~ポーきゅぅ~(フワフワなのぉ~ポー)」

『クスクスクス…シルディ』

私はポーの羽の海でモフモフ堪能してルンルンです

ポーも笑ってされるがまま

勿論落ちないようにイルさんがしっかり見張りをしています。

ハグを終えた兄達も見守ってくれます。

兄達は幻獣には触れないようにしているようです。

私だけ??

モフモフを十分堪能したのを見て取ったイルさんはポーから私を抱き上げ

「そろそろ中へ入ってロイズとポーを休ませてやれ」

と私のモフモフ堪能待ちになっていたようです。

モフモフ充填終了

毎日お手数をお掛けします


ここ数日朝早くから中央での会議に参加していましたが、それも今日で終わったそうです。

ポーが居なければ馬車で一ヶ月、会議期間中宿泊し戻りにまた馬車で一ヶ月のスケジュールなんだそうな

ポーありがとう!!

家族大好き父には可哀想な会議だよ

会議では研究所の研究内容の報告も含まれる為に会議に向けての資料作成が大変なことになっていて朝早くから夜遅くまでお仕事してたんだって

収穫後までは落ち着いて仕事ができるので一緒にいられる時間も増えると父は大喜び

私に弟や妹ができたりするのかしら?

忙しくなるまで家族団欒が堪能できそうです


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