表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/38

中央編:13

世界と繋がって知った

この世界の事

魔素は全ての優しい思いの結晶

優しい思いから生まれたこの世界の理は優しいが故に不安定になってしまった

正の思いを叶えるのは可とし邪の思いを叶えるのは不可といった可否基準が曖昧な為に元は正の思いを叶えるものだった理が邪な思いをも叶えてしまえた

世界が調整しようとすればするほど理は歪になり崩壊を招く

人は認識できてはいないが今も徐々に世界は崩壊し虚無に飲み込まれ無と帰し始めている

優しい思いである魔素が強い願いを叶えようとして変質したのもその為

変質は歪んだ思いが招いた哀しい現象

愛が憎しみに転じたもの


幻獣は核と呼ばれる意思が魔素を纏ったもの

姿かたちが自由自在だったのも纏う魔素の量や形を変えるだけだから

核に力があればあるほど自由の幅が広がっていた

魔獣は本来幻獣として存在するはずだった

纏った魔素が変質した魔素だった為核を変革し知能無きものへ変質した

レベルにより規制される情報開示

レベルとは耐性の事

情報の質量に耐えられるかどうか

理不尽なまでに矛盾だらけの理を理解することは大変難しい上に日々増加する

魔素の本質である優しい思いが願いを叶えようとすればするほど増え続ける


幻獣の上位種で世界の一部でありレベルを超越したもの神獣

私は人から神獣となった

契約により繋がっていたウルルも神獣へと

下手をすれば消滅していた

幻獣は契約者が死ねば同時に消滅する

人は誰も知らなかった事実

ただ愛を与え続ける幻獣

世界と繋がったことにより世界の理=情報が一気に押し寄せた

ウルルに教えて貰っていた循環による情報収集方法及び蓄積

普段からの経験のおかげで消滅せず情報を整理し存在を維持できた

「ウルルまで付き合わなくても良かったのに…かなり危険な賭けだったと思うよ。契約を切れば巻き込まれることも無かったのに…」

そばには変わらずウルルがいる

「ずっと一緒っていったでしょ」

少し怒ったような、それでいて楽しそうな声が届く

神獣となり言葉として発している

ありがとう

照れくさいから心の中で伝える

お互いが神獣となったことで契約による繋がりではなく世界を介した繋がりとなった

神獣もまた姿を自由に変えられる

金髪銀眼となった色も元の紅金髪と蒼銀眼へ戻す

金色に銀色

魔素の中でも高濃度で透明純度の高い集まり

本来魔素が集まって魔力となる

魔力は似た性質の集合体

私達は魔素を纏っているだけの存在

世界の始まりとともに存在している神獣はイルさんだった


イルクオーレ

長い孤独に耐え頑張っている最古の神獣

イルさんはとても優しい存在

まさに魔素そのもの

創造神が遣わしたといわれる天の御遣いとはイルさんの事だった

世界が混沌とした時に現れたとされる天の御遣い

見る者全てに違った姿であった伝えられる

聞く者全てが違った声だったと伝えられる

言葉すら違っていたが伝わる内容は全ての者が同じであったとされている

誰もが知る古い古い伝承

確かに世界そのものを創造神とするなら世界と繋がっている神獣は天の御遣い

世界とともに消滅する定めの神獣

それは消滅するまでは存在し続けるということ

不老不死のようなもの

人としても普通からも平凡からも介護不要な元気な老衰からも程遠い存在になった

望みは幸せになること

人としての幸せではないかもしれない

でも幸せだ

消滅するその日まで独りではない

ウルルもイルさんもいる


領地に平和が戻り私は自分の事を正直に家族へ伝えた

ウルルと同じ存在になったと

ウソは言っていない

ウルルも幻獣から神獣になったのだから同じ存在だ

存在そのものが変わっても私にとっての家族であることは変わらない

家族からの拒絶もあるかもしれないと頭の片隅に思った

でも彼らなら大丈夫だと確信があった

伝え終わった後の静寂が怖い

数秒も無かったのかもしれないが数時間にも感じた

何も言わず強く抱きしめられた

私達の元へ戻ってきてくれたのなら、それだけで良いと

シルディはシルディだと戻ってきたことを喜んでくれた

ずっと求めていた家族

本当のところただ母に愛されたかっただけかもしれない

愛されていることに

大切にされていることに

気付くのを見守り惜しみなく愛を与え続けてくれている家族


世界と繋がっていた時は時間の流れが違うらしい

違う事に気付かず私が家族の元へと戻ったのは和平条約締結後で進軍から数カ月が経っていた

あまりの情報量に自身を維持するのが精一杯だった私について無事であることだけはイルさんから伝えられていたそうだ

痒い所に手が届くきめ細やかなフォローありがとうございますイルさん

生まれる前から力を貸してくれていた

思っていた通りキラキラの温もりをくれた恩人


祖母を送り両親の死に水も取った

両親は逝く時まで同時だった

本当に仲が良い

兄達も見送った

こちらも二人一緒だった

そこまで一人として行動しなくても良いのに

「「僕達の子供達がずっとシルディの側にいる僕達の心もね」」

最後まで兄達らしかった

皆大往生で平均寿命を軽く超えていた

別れは哀しいけれど皆笑って逝った

私が独りではないことを安心して

独りきりだった神獣は今は3体

親しい人達は皆逝った

別れがあって出会いがあって

将来訪れるであろう世界とともに消滅する日

満ち足りる幸せ

もう独りではない

一番に望んだ「幸せ」は今も続いている

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ