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幼少編:13

兄達が父とともに中央へと旅立った

毎日魔術具で会話をしていても日に日に寂しさが募っていく

一人での授業

ウルルの一人乗りの練習

魔術具作成にも集中できない

食事も父と兄達が居ない

父は忙しいと一緒に食事が出来ないこともあったけれど兄達とは常に一緒だった

一人は慣れていたはずなのに寂しい

昔は家族といるより一人の方が寂しくなかったのに…

いつの間にか弱くなった

一人の方が寂しいなんて

「にぃ~に」

うっ

目から汗が…

『私がいるよ』

ウルルが大きくなって私を抱え込む

いつもなら嬉しいモフモフ布団

お腹の柔らかい部分に顔をうずめてギュッとしがみつく

そのうち兄達が居ないことに慣れるだろうけど今はまだ寂しいね


森の外での実習

収穫時には毎日バーベキュー

皆でワイワイ楽しそう

いつも隣にはイルさんがポッケにはウルルがいたので少し離れた所で参加する

見ているだけでも楽しい

体力仕事だから魔術具でトラクターみたいな便利農耕器具を考えていた時もありました

結果は不要

皆、纏いをしながら競争しています

娯楽代わりのようだけれど毎日運動会みたいです

田植え競争、稲刈り競争、羊の毛刈り競争、牛の乳しぼり競争などなど全てが競争だった

淡い色彩を纏っていて儚げな外見をしているのに脳筋集団

女性も男性もない

纏いでの強化に性別差はなかった

食料品など前世と同じようなものが多い

電化製品も魔術具で似たようなものがある

不思議

私と同じように転生者がいたのだろうか

それとも人の営みは似てくるのかな


最近の日課は妊婦の皆さんと過ごすこと

一人一人のお腹にギュッとくっついて循環をする

妊婦が風邪になったりしたら大変なので健康維持と生まれてくる子供たちが元気に生まれてきますようにって祈りを込めて

噂では安産で元気な赤ちゃんが生まれるらしい

役に立っているようで嬉しい

幼く魔力の使えない私に出来ることは少ない

平凡を望んでいたけれどココでは平凡どころか落ちこぼれ予備軍だった

前世では頭が悪くても学力や学歴は無くても生活力があれば生きていけた

魔力を使うことが普通のこの世界では厳しい

生き難いだけで生活力さえあれば贅沢は出来なくても暮らせていた

学歴があっても仕事が出来ない人はいたし学歴が無くても優秀な人はいた

でも学歴社会

就職したくても応募要件が満たされていなかったり就職するのに親のサインを必要とする会社が多かった

縁を切りたいのに縁が切れない

入院していても見舞いにも来なかった家族

逆に友人達が毎日来てくれた

高熱を出しても自分の病人食は自分で作れと言われた実家暮らし

結婚して子供が居れば家族の食事も作るのだから今から練習しろと言われた

もし結婚して子供が居ても夫が料理が出来ないなら外食するだろう

ついでにレトルトのお粥でも買ってきてもらう

もしくは日常的にストックすると思う

高熱を出している配偶者の心配をせず自分の世話を望むような人と結婚したいとは思わない

自分で作ったおじや

何度味見しても味が判らなかった

空腹感もなく、ただ薬を飲む為だけに食べる

早く家を出ようと思った

今思い出しても虐待ではないかと思う

大人になってから子供時代からの虐待を訴えられたら良いのに

虐待は最悪死ぬまで訴えられない

死んでも気付かれない子供達もいる

行方不明の子供達

出生率や少子高齢化を問題視するけど本当に必要なのは労働者で納税者

本当に必要だというならまずは行方不明の子供がこれ以上増えないようにするべきでは?

子供が増えてもニートや生活保護になっては意味が無い

結婚せず子供を持たない人の責任だという風潮があるが一人者はより多くの税金を納めている

配偶者控除もなければ年金の第三者もない

生活費も一人だと割高

人口増加という意味では社会貢献できないが労働者で納税者という意味では大いに貢献している

お金がある人はお金を

時間がある人は時間を

子供を欲しい人は子供を

と皆それぞれが出来る役割を果たしている

ただ子供が欲しくても産めない社会

働かなければ生活が出来ない

いつまでも整わない子育て環境

安心して産めない

安心して育てられない

増え続ける生活保護者

仕事が無い

働くところが無いという人と生活保護での生活に味をしめて働かない人もいる

生活保護者の子供も生活保護者となる場合が多いそうだ

悪循環

正しくまじめに生きている人が保護を受けられず餓死する例もある

年金の不正受給

行方不明の子供と同じ

放置されるまま

弱者や正直者達へとしわ寄せがくる

どうにかならないの?

国での管理も難しい

そもそも管理しようとも思っていないのかもしれない

今が良ければそれで良い

自分達(政治家も)へ被害が及ばないのなら放置

廻り廻って自身の子孫に振りかかるろうとも自分良ければそれで良い

昔は性善説で良かったのかもしれないが現在は性悪説での対応が必要

何処から間違った道を歩むようになったんだろう

正義の味方はどこ?

誰も救ってはくれない

立場によって違う正義

難しい


イルさんの武術の練習が始まった

基本的には闘うためではなく逃げる為、守る為の闘い方

最初は体術、次に武器の使用

実際に武器を使用すれば弱点も理解しやすく対処法も覚えやすい

前世での合気道経験が役に立つかな


体力もないので稽古でも自分の体調と相談しながらできる

大人になってから興味もあったので習い始めた

実際ご年配の方が運動不足解消に、ヘルニアのある方が筋肉をつけるよう医師に言われたのでといった方もいた

相手の力を利用する

関節技が多いように思うが師範達は何故かマッチョ系が多かった

相手の力を利用するなら個人の力は不要では?

本部の道主はすらりとした紳士な方だったが知っている師範は8割ほどムキマッチョだった

リンゴが片手で割れる

サル並み!?

本業お豆腐屋さんですよね?

とても豆嫌いな私でも食べられた美味しい豆腐に厚揚げ(揚げ豆腐?)でしたよ

寒い冬には体を温める為に木刀を百単位で振った

一番軽い木刀でも真っ直ぐ振り下ろせない

丹田に気を入れてと言われても難しい

道場によって稽古内容も違う

師範達が自主練用にと借りている道場の稽古は面白かった

ニュースでナイフを持った犯人について報道されればナイフを持った相手との対応と捕え方について

実際に遭遇すればとどうするのかと師範達に聞くと戦わず逃げると声をそろえて言う

無駄に怪我をする必要はない

確かに稽古をすればするほど闘うという選択肢はなくなる

習い始めの頃は強くなって犯罪者を捕まえてやると思っていたが上には上がいて死に物狂いの相手は難しいとも理解した

ある日は寝てる時に馬乗りになって首を絞められた時の外し方というのもあった

…師範

ご自宅で何かあったんですか?

聞けなかった

気にはなったけど

奥さまは線の細い小柄で華奢な方でしたよね

それとも…

稽古でも後ろから羽交い絞めにされた場合の返し方も習う

合気道としての対処法と実生活で女性の場合はヒールで踏んで相手の股を蹴り上げ頭突きを入れると教えられた

師範達は自身の体格や得意とする技が違い同じ技でも説明方法が違うので自分に合った師範を稽古しながら探す

体格が小さく非力な人間が巨漢な人間と同じことが出来るはずがない

目指す方向性

多種多様な職種や年齢の方々

稽古の合間の会話も楽しく勉強になった

背中に墨が入った方も参加させてもらっても良いかと聞いていた

もちろんOK

本当にいろんな人がいた

年齢層も立場も生い立ちも国籍もその人を取り囲む状況も

本当に多くの出会いが勉強になった

中央へ行くということは多くの出会いと経験の機会でもある

珍しく父も母と出会えた素敵な場所だからと嫌がっている私に折れることも無く中央へ行くことを推奨する

やっぱり逃げられない

身分制度はともかく護身術はしっかり学ぼう!

中央でなければ手に入らないものもあるかもしれないし見極めには一度行かなければならないとは思っている

実際に行ってみなければ判らないことも多々あるだろうから何があっても戻ってこれるように頑張ろう

ここでずっと暮らしていたい

優しい人達と一緒にいたい




幼少編終了です。

しばらく短い閑話が続きます。

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