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幼少編:12

外での愛称ルディにも慣れ、私はとうとう5歳になり兄達は中央へと旅立ちます

領地から中央への一ヶ月をかけての移動には父も同行します

幻獣に乗って移動すれば簡単ですが普通の移動手段にも慣れる必要があり多くの出会いや経験も必要だからだそうです

野宿や野営も楽しそう!

というのも魔術具の開発が凄く前世より便利になっている気がします

「大変」を「楽しい」にする為の開発は領民たちの趣味みたいなもの

実際、実習で経験した家畜の解体も全く血生臭くなく驚くほどで無駄を一切出しません

命を頂いているのだから血の一滴も無駄にしませんと言っています

大切なことですよね

自給自足だからと家畜の首を切っての血抜きや内臓取出し等の解体を覚悟していたのが拍子抜けするほどです

また魔術具が使えない私でも簡単に使える日常に密着した道具の数々

少数派(弱者)の視線に立った開発はこの領地ならではなのだと父が自慢していました

確かに開発しているのは文官ではなく領民で昨日畑耕してたよねって人や家建ててたよねとか全く違う業務についていた人だったりします

違うことをやっている方が閃くんだとか…

中央から派遣されてきている方々まで時々混ざってるのは気のせいですよね


「「やっぱりルディも一緒に」」

この期に及んでまだ言ってます兄達は…

そのための準備ももちろんしましたよ私

「アル兄ぃ~にはコレ、エル兄ぃ~はコッチね」

二人に両掌くらいの大きさのモノを渡します

「「これは?」」

蓋の付いた鏡にしか見えません

「ソレを見てて下さい。そのままジッとしてて」

ウルルとともに少し離れて兄達に渡したのと同じ手鏡を出して

「見えて…聞こえる?」

手鏡へ自分の姿を映して話します

「「うわっ!ルディの顔に…声が聞こえる」」

成功成功

ウルルとハイタッチ

といっても指一本と肉球に触れるだけです

あっ

ぷにぷにを押し続けたい誘惑が…

「何も見えないし聞こえないが…」

兄達の隣にいた父には覗き込んでもただの手鏡にしか見えません

たったったっと兄達の元へ戻り説明ですエッヘン

「みんなに手伝ってもらって作ったプレゼント。魔素を用いた伝達魔術具でイルさんの魔術具と連動して魔力を供給しています。個人認識されていて循環できる兄さん達だけが使えます。所有者が許可を出せば魔素の循環の範囲内にいる人も使えます」

テレビ電話モドキ

もちろん録画等の機能や所有者の健康状態、他にはメール機能や掲示板機能もあります。

学園が忙しくても迷惑がかからないように、そして兄達が長電話をかけてこないようにとイロイロ考えました

「他にも機能があるのでイルさんの魔術具に収納したら分かるよ。これで寂しくなったらいつでも顔が見られるし声が聞けま…ムギュ」

「「ルディ~」」

思いっきり抱きしめられて最後まで言えませんでした

循環している本人しか聞こえない見えないなので情報漏えい対策もばっちりです

「あとねぇ~イルさんの魔術具も改良して3人の共有ポッケも作ってもらったから私が収納したものを兄さん達が取り出したり、その逆もできます」

故郷の味が恋しくなったら送れるし中央の珍しい食べ物を送ってもらおうと考えました

中央には珍しい食べ物もあるでしょうしぃ~ふふふ

なんて考えていると兄達とウルルが熱くお互いを激励しています

『向こうに行ったらしっかりね』

「「任せろ。5年後ルディと一緒に学園へ通うために害虫駆除はしっかりやる。ウルルも頼んだぞ」」

『もちろん!二人の分も頑張って全てのモノから守るから安心して』

「まぁ~最悪、独立してしまえば良い。相手が王族だろうと貴族だろうと大切なのはルディだ!しっかり見極めてきなさい」

あっ父まで…

祖母は呆れ顔で母は目をキラキラさせて父も見つめているしイルさんは…知らないフリ?

森は害意あるものを排除するのに腹黒系はOKなの?

父達を排除されても困るけど森や領民に害意がなければ大丈夫なのかなぁ~?

正当防衛とか因果応報的過剰防衛とかも森の判断基準って大丈夫?

兄達は何故か必要以上に武術を学んでいるし何処目指してるの?

仮想敵は誰??

私もそろそろ武術を教えて貰えるんだけど兄達みたいなハードモードだったらどうしよう

自分と身近な平和を守れたら良いだけです

世界平和とか規模の大きいことは望みませんので一般常識レベルでの指導をお願いしたい

年の近い子達とはいつも両サイドを兄達ががっちりガードしていたので顔と名前が一致して挨拶を交わす程度だったし一緒に遊ぶことはなかったけど今後は一緒に学べるかな?


性別の都合もあってかお風呂はいつも家族風呂か部屋風呂

兄達は普通に男風呂か部屋風呂だったようですが…

気付かなかっただけでイロイロなモノから守られていたのかもしれません

ウルルに乗るのも兄達に挟まれて寝てても大丈夫といった安心感でした

練習する意味あるのってくらいに…

兄達と離れてもカリキュラムや担当先生の都合そしてウルルの都合で一人の事が多いかもです

精神年齢アラフィフだけど肉体年齢と同年代のお友達が欲しいかもです

既にいる奇人変人オタク友人達(主に研究所に生息)は精神年齢が近かったりするかもですが…

若いエキスが欲しい!?

あ…あれ?

既にいる友人達と類友?

残念無念なあの人たちと同じ!?

前世の友人達や親しい人達からも「変わっている」とは言われていたけど…

イヤイヤイヤ

性別以外はいたって普通…だよね?

精神年齢アラフィフだけど…

あれれ?

うん

考えちゃいけない系だ

忘れよう


兄達はいつまでも二人で一人として振舞う

私も家族も領民全てが個として二人を認識し見分けることが出来るのにです

見分けられていることも兄達は知っています

片方に領主の務めを押し付けるのではなく協力し対外的には一人が着任したと見せたいのだそうです

一卵性双生児だから?

確かに二人は繋がっているのだと循環でも認識できますし循環が出来るようになった兄達は繋がりを強固なものにしています

結婚とかどうするのでしょう?

一人の女性と二人が結婚するのでしょうか

領主だからと次世代を必ず作らないといけない訳でもなく適当な誰かが継ぐでしょう

そういったこともあって結婚を考えていないかもしれません

二人が出来ているわけでもなさそうですし…

女性がダメということもなさそうですから…

たぶん。。。

小さい子が「誰々と結婚するんだー」的な話を聞いたこともないですが…

まぁ~領内では誰も気にしません

兄達がムフフな関係でも皆応援する

森の外へ出るようになって気付いたのですが

結婚も出産も強要されないからかユリやバラを育てていそうな方々が…

周囲に迷惑をかけていませんし本人達の幸せが一番だし何でもアリです

生涯独身で”友人”と二人で暮らしている方々もいらっしゃいます

肉体と精神の性別が一致しないこともありますよね

私なんてどちらも未定ですし本人たちが幸せならウエルカムです!

既婚者達には知らされている私の性別

今後生まれてくるかもしれない私と同じような子供達の為にも情報を共有している

性別未定の私が簡単に受け入れられる環境

あれっ?

領主館の外では男の子としての生活に兄達が私に張り付いてたのって…

珍しい性別未定で平凡顔だけど派手な色彩

金ラメが入ったような真紅の髪に銀ラメが入ったような蒼い目

体に悪そうなラメ入り

カラス並みに光りモノ好きとか珍しモノ好きの好奇心から寄ってくる人もいるかもだったとか?

前世は年寄子供にしかモテたことがなかったのでよく判りません


気付けばいつも私の側に居る兄達

私の様子を見ながら休息タイムを二人が入れたり甲斐甲斐しくお世話されてます

集中すると周囲が見えなくなる癖は変わりませんし変われません

魔術具作成ってとっても楽しい

魔術具で簡易家屋を作ったり移動用の馬を必要としない自動馬車とか…

魔素の濃度が高い領内はともかく魔素が薄いらしい領外では動力源をどうするかが問題だったりしますが不可能がないのではないかというくらい面白い!!

5歳にして魔術具作成

領内では普通

兄達や周囲の方々のお蔭で落ちこぼれは免れたようです

入学して2~3年ほどで興味を持った子供は普通に作ります

そして兄達は私が魔力を使えないと知ってドンドン魔術具を作っていました

領内で増えた魔力を使わない魔術具開発の新(追加?)犯人!?

小さい頃に貰った光るボールや喋るお人形等は兄達お手製の玩具だったんです

師匠(勝手に命名)のイルさんや研究所の方々も面白がって教えてくれるのでついつい夢中になるのは分かりますよ

もう中央いかなくても良いんじゃない?

ココでは経験できないことや出会えない存在もあるので一度は領を出た方が良いのかもしれませんが


北の辺境以外に生息する魔獣とは知能のない凶暴な魔力をもつ獣

どのように発生するか等幻獣と同じで生態は不明

ただ魔獣の死体は魔術具の素材になり北の辺境には存在しません

領内へ入り込むことが出来ないのか存在できないのか遭遇することはありません

魔術具の素材の6割は北の辺境で残り4割は魔獣からです

魔獣素材の魔術具は森が嫌がるようで領内へ持ち込むことはできない為見ることもありません

魔獣の素材や魔獣退治に興味がないわけではないけど安全第一です

平穏な生活を求める私としては君子危うきに近寄らず的に面倒に巻き込まれる可能性の芽は潰したい


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