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幼少編:11

魔術具の使えない私ですがイルさんがくれた上位魔術具は使えます

理由は上位魔術具は使用者認定されている為、魔力を自分の意思で送ることが出来なくても魔術具自体が使用者本人の魔力を引出す設定が出来る

もちろん魔力量や体調等の設定もされており使用者の負担になるような魔力量を引き出すことはありません

この地は魔術具がとても発達しており前世の上下水道といった概念もあり水洗トイレモドキやシャワー等もあります

電化製品のようなものも魔術具として存在していた

魔力が使いこなせればシャワーや蛇口の魔石に触れるだけで温度や水量を一瞬で好きに調整できます

私の場合は使えないので自分で調整して使うことになります

自分で調整といってもトイレだと自動で分解する(流れる)のをボタンを選択して押すといった動作が必要になるだけです

そう!

トイレは下水道へ流れるのではなく分解し既に肥料に近い状態で地下へ

その先は…畑かな?

元々魔力量の少ない人や魔術具を使えない人もいることから、日常的に必要なものは誰でも使えるように最初から作られています

歩けるようになってからは祖母と母と3人で温泉の家族風呂に入ってます

湯船もあって日本と同じです

勿論お湯は湯元の温泉から引いてますよ


一人でトイレに入っても流れないしお風呂でお湯を出すことが出来なかったことから魔力が使えないことが発覚しました

トイレやお風呂は他の人が使っているのを見て自然に使えるようになるはずが使えなかったので魔力を使わない魔術具の使い方を教えて貰いました

さらには魔力が使えない人用がどんどん開発が進んでます

領内全体で!

なぜ!!

父!?

魔力が使えないのは魔法が使えないのと同様で天性のものなので本人の努力ではどうにもなりません

まぁ~私の場合はウルルが率先して対応してくれます

契約で繋がっているので私の魔力を引き出してウルルが代理で設定をして使えます

魔術具を自動的に魔力を引き出す機能を付けると魔力量が少ない人等が大変なことになりかねないので引き出す設定は付いていません

上位魔術具は本人調整しているから大丈夫でイルさんは私が魔力を流せないのを知っていて調整してくれていました


イルさんの魔術具なら攻撃魔術等も使えるのですが威力や規模の設定が難しく周囲が危険なので使用しない方向となりました

魔術は種類が「壁(防ぐ)」「球(捕え閉じ込める)」「矢(攻撃する)」「纏い(強化する)」の4種類だけなんですが…

長い間戦争もなく魔獣を退治する以外に使うことがない為に発達しなかったのがよく分かりました

それぞれにプラス属性ですから用途に応じる必要はあるでしょうけどファンタジーな世界な割にとても平和です

ただ治癒魔法はないようで治療方法は主に薬を用いた治療

怪我等であれば薬でも治せるけど病気を治すのは難しいようです


学校の地下にある訓練場を貸し切ってアル兄やエル兄が見本を見せてくれ真似るだけだったのですが

「ルディこれが”水球”」

アル兄がブレスレットの魔術具での魔力変換で水属性の球を出し的を水で包み込みます

やってみると水属性の球は出せたのですが巨大過ぎて的一つだけでなく部屋ごと包みそうになったところでイルさんが消してくれました

あ…危なかった

「ルディこれが”水壁”」

次はエル兄がブレスレットで水属性の壁を的との間を遮るように出現させます

同じように球みたいに巨大にならないように注意しながらイメージしたのですが壁の厚みで全員が押し潰されそうなところでイルさんが消してくれました

き…危険です

続いて攻撃の「矢」や強化の「纏い」となるはずでしたがイルさんのストップと私には向いてなさそうなので魔術は断念しました

報告を受けた父達も自分達やウルルがいるから必要ないだろうと…

人間向き不向きがありますよね

どうやら魔力量が多い為に少量をイメージしても大量に魔力が引き出されて変換されるようです

ちなみに魔術具で変換された魔力は行使後魔素へと戻ります

そして私が魔力を使えない理由

ウルルが教えてくれました

魔素の循環

無意識に自分の魔力を魔素へ戻し循環してしまっているそうです

魔力でなければ魔術具は使えません

健康第一なので仕方ないですね!

日常生活に不便はないし

不便がれば自分で工夫すれば良い

必要は発明の母ですよ!!

前世で手を手術した時も日常生活では支障がないが針仕事などの細かい作業は出来なくなりますと医師に言われた

実際、机の上に置かれた針を摘まむことはできなかった

でも大丈夫

私の仕事は針仕事ではない!

元々不器用で編み物をすれば目は増えるし最後には編み針が刺さらないほど堅い目になって断念するほど

針が摘まめなくても机の端まで転がして摘まむとかテープで吊り上げて掴むことも出来る

いくらでも方法はあるのです


ふふふ…受けて立つ!

魔術具開発

ウキウキワクワクです

そして生まれた光属性の閃光球と闇属性の煙幕球

何かあった時一人でも誰も傷付けず逃げられるように助けが来るまでの時間稼ぎ用の魔術具

前世、部活動で文化祭に向けて製作キットで作った盗聴器

基板にハンダ(独特のにおいがまた良い!)でICチップを取り付けてぇ~と楽しかったです

魔術具も似たような感じで素材・設計図・専用インクとペン

設計図は明確な完成図と用途を想像する力があれば何とかなりました

もちろん素材の適量も計算しなくてはならないので想像力だけでは難しいですが研究所の方々やイルさんにウルルが手伝ってくれました

これはハマります!


何かに集中している時って嫌なこととか思い出さないのに集中が途切れると思い出す

嫌なことほど忘れられず思い出したくもないのに隙をついたかのようにフッと浮き上がってくる記憶

引きずり込まれるように記憶の沼へ囚われる

刺さったままの棘のよう…

気付けばチクチクと痛み出す

取れない棘は時とともに膿んで排出されるはずだけど

どれだけ時間が経てば排出されて痛みがなくなるんだろう

愛の反対が無関心

憎悪や恨みを向けるその感情すらもったいないし美容にも健康にも悪そう

感情を向けることすら必要を感じない

向けるなら自分にとって良い方へ前に感情を向けたい

無駄な時間を取られたくない

思っていても難しい

新しい家族は前を向く元気をくれる

もちろんウルルも

契約で繋がっていることもあってウソがないことが分かる

笑顔で嘘を重ねていた前世の母の影響があるのだろう

今生の母に対して無意識に身構えてしまう

身構えられているのを気付いているのだろう母は少し悲しそうな顔をしてもすぐに笑顔で抱きしめてくれる

大丈夫だよと

何も言わずギュッと優しく抱きしめてくれる

伝わる思い、そして温もり

騙されていたり勘違いでなければ愛されていると思う

無償の愛かどうかはわからないけど大切にされていると感じる

涙が出そうになるほど嬉しくて申し訳ない

いつまでも過去へと戻ってしまうのは過去に縛られているから…

過去にとらわれたままでごめんなさい

いつか乗り越えてみせるから

待っててお母さん

疑うことなく母を慕えるように信じられるようになるから

意識しなくても安心できる場所なのだと心で体で感じているから、もう少し時間を下さい


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