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幼少編:9

翌日

「おはようございましゅ」

元気に挨拶をして教室の扉を開けても一人先生以外は誰も居ません

「おはようオルディウス。今まで兄達二人でしたが今日からはあなたを含めた三人の担当をするシリウスです」

教室には先生お一人ですし兄達と同じ担当とは?

兄達とは学歴に差があると思うのですが…

?が頭いっぱいの私へ挨拶を返しながら近くの丸テーブルの席に着くように促されます

兄達に挟まれるように席に着くとシリウス先生も席に着き説明されます

「まずは学校の説明が必要ですね。アルフレドとエルネストは既に知っているから説明できますね」

「「はい。学校は何歳でも入学でき卒業できます。また個人に合わせたカリキュラムが組まれているので毎日通う必要がありません」」

家庭教師と同じようですが…単位制の学校が近いでしょうか

しかし兄達は毎日通っていたような

疑問が顔に出たのか続けて先生が説明してくれます

「あなた方は領主の子ですので他の子とは少し異なり貴族とのお付き合いについても学びます。

もちろん同じ内容である座学や貴族についてを私が、体術や魔術具関係については特別にイルさんが領地の産業についての実習はその時々の担当者が指導します。この産業の実習については見合った賃金も出ますので頑張ってくださいね」

賃金が出るとは!?

兄達からのプレゼントはソレで賄われたのですね

しかし盛りだくさんです

領地の産業は多岐にわたっていて自給自足が出来るほどなので特に楽しみです!!

森の外での実習ですしね

『それに加えてルディには私の乗り方もね』

ポッケから顔を出しながら追加されます

ウルルの乗り方ですかぁ~

前世で乗馬も微妙なものでしたが大丈夫でしょうか

「「ルディ安心して!僕達が先に練習してウルルも乗せるの上手くなっているから」」

『大きさを長時間安定させることも乗っている人間に負担をかけない駆け方も完璧よ』

知らないところでウルルと兄達が頑張ってくれていたようです

本来、幻獣は契約者以外には触れられず触れようとしても通り抜けてしまうそうです。

ところが私の循環に巻き込まれることが多かった兄達は自然に自分達でもできるようになり気付けば手の届く範囲内であれば幻獣の言葉を理解し会話できるようになってました

さらには契約していない幻獣に触れることも出来るようになったんです

循環しているのは万物に宿る世界に満ち溢れる魔素

前世でいうところの「気」に近いのでしょうか

意識的に循環させて無意識レベルにまでなる

練習に付き合ったウルルと兄達はとてつもない努力を重ねたんだとポーが内緒で教えてくれました

どれだけ努力してくれたのでしょうか

きっと私の為ですよね

誰かが私を思って頑張ってくれる

ふわりと嬉しいが溢れます

内緒の努力なので私も知らないふりですが心の中でありがとうを

契約で繋がっているウルルには筒抜けですが…


兄達が触れられるということは巨大化を安定できれば三人同時にウルルとともに移動が出来ます

出会った当初はポーに抱卵状態で一緒にお昼寝していたのですがある日突然、自分も安定した姿で巨大化するんだと頑張りだしました

モフモフを堪能する私の心はウルルにダダ漏れだったからかもしれません

幻獣は姿・形・大きさを自由に変えられ変幻自在

ウルルは前世が子猫だったので無意識に今もその時の姿になるそうですし気に入っているようで変える気はないとか

可愛いのでOKです!

最初に会った時は複数のしっぽがありましたがウルル曰く強そうだからってだけだったようで最近は尻尾は1本です

「さて学校については大丈夫かな?いつでも質問を受け付けるので聞いてください。とりあえずはカードを作りましょう」

ウルルとの会話は聞こえないながらも私達兄弟の会話で察してくれたようです

カード

やっとです!

図書館で借りる時に必要なカード

本来の使用用途は身分証明書兼キャッシュカードです

実習で収入を得るので最初に作る必要があります

国内どこへ行くのも必要で国内どこでも使えるそうです

イルさんに貰った上位魔術具でも代用できる機能がありますが上位魔術具が珍しいので普通のカードを使用する方が安全面的には良いとか


役所へ行ってカード作成です

ココでは領地内の全ての情報と税として納められた品が集まっています

地下には魔術具を設置された保管庫もあり上階には国から派遣されている方々に与えられる個室もあります

商人や他領の方は森の外の迎賓館を利用し領主との商談や面談はそちらでおこなわれます


受付でカード申請をしていると面談でもあったのか数人の方々と共に父が戻ってきました

そして笑顔で私のカードを作成します

結婚前の業務だったそうですが領主業務に専念してください!

皆さん困ってますよ

笑ってますが…

平和ですねぇ~

「お父しゃん、ありがとう。お仕事頑張ってるお父しゃんはカッコいいでしゅ」

カードを作って手渡してくれたのでお礼と褒め言葉で仕事へ送り出します。

とっても良い笑顔なので、しっかり働いてくれることでしょう!

その後カードの使い方、学校内の施設、これからの私のカリキュラムについての説明で授業は終わりとなりました。

読み書き計算は兄達にも教えて貰っていたので基本は大丈夫

というより兄達は自分達が学んだことを私へ教えることで復習していたので同レベル学んだことになるかもしれません

日常的なマナーは母や祖母に注意を受け学んでいるので貴族とのお付き合いに必要なのは身分制度や系譜とかでしょうか

面倒です

領内では皆が平民なので気にしなくてもよいので楽なのに…

行動範囲も狭く一応領主の子ということもあるのか周囲には大人しかいないので平和です

このままずっと領内で引きこもりたい

うぅ~マナーも男女両方学ばないとなんですね

言葉使いなんて…

日常使いがそのまま出ないように気を付けられるようになるのでしょうか。。。

元社会人ですが尊敬しているか嫌悪している相手にしか反射的に敬語はでないんです私

丁寧語なら大丈夫…だと思います

前世でマナー本も本によって違うし数年で内容が変わるしで困った

学校の先生をしていた友人は毎年漢字の書き順が変わるので確認していると言っていた

常識は常に変化する

やっぱり面倒

身分ある方々と面識程度は必要だからと言われて必要性は理解できても関わりたくない

どう考えても平穏に過ごせなさそう

かかわる必要がなければ観賞用とか人間ウオッチングして楽しいかもしれないけど接触するとなると好まない人種ともかかわりが出来そうで嫌だ

清濁を呑み込めるだけの度量なんて私にはないし持ちたくない!

もう兄達が領主なんだから私は無関係ということには…

ならないんですね

はい

前向きに善処いたします

大切な兄達や家族、領地の為にも頑張ります

でも平和でのんびりした今の日常が一番好きなんです


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