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幼少編:7

誕生日を明日に控えた今日になってやっとイルさんが戻ってきた。

ウルルを紹介すると名前の由来について聞かれた。

家族も聞き耳を立てて気にしているようだけど

特にこだわりがあるでもなく何となく流されるままに付けただけだと指をさしつつ

「アル兄ぃ~イルしゃん、ウルルにエル兄ぃ~なの!」

馴染んだ名前にちなんだだけ「ア行」+「ル」です

前世の記憶があるからか前世からなかったセンスは今世でもありません

微妙な顔をされたので

「オルの方がよかっちゃ?」

「ウル」がダメなら残るは「オル」なんだけど…

さらに微妙な顔をされてしまった

だからセンスはないんだって!!

聞かなかったことにしたのか父から明日の予定を教えられる

「明日は魔力量と属性について調べてから皆でお祝いをしよう」

おぉ~やはりあるのですね!

「どうやっちぇ調べるんでしゅか?」

皆が笑いを堪えています。

何故??

「「温泉で調べるんだよ」」

はい?

なんて??

温泉はかけ流しで男湯と女湯、予約制の家族風呂があっていつでも誰でも入れます。

そんなところで調べるの??

「明日のお楽しみね」

母も笑うだけで教えてくれません。

明日まで秘密にされるようです。

でもそんな茶目っ気たっぷりな今生の家族は大好きです


やってきました誕生日

昨夜はドキドキして眠れなかったけど影響はないかしら?

『大丈夫よ』

ウルルが励ましてくれます。

能力だけでなく精神年齢も上なような気が…

朝食も上の空でしたが家族は見逃してくれたようです

残したりしていないですしね

そして昨日聞いた「温泉で調べる」は嘘でもなんでもなく本当のようで今、「関係者以外立入禁止」と書かれてある扉の前です

暇な人達も一緒についてきています。

フリーダム

一応鍵はかかっていたようでよく見かける丸い魔術具ではなく手のひらサイズでピラミッド型の魔術具を扉へ差し込むと取っ手の用になって開けることが出来るようになりました

湯気がもうもうと立ち込めていますが湯元かしら

「ここは温泉の湯元となっていて温泉はこの湯を引いているんだ。この湯元は面白くてね。中央にもないよ」

父が説明してくれたところによると中央では魔術具で魔力量や属性を調べるそうです

魔術具の下位・中位・上位で必要とする魔力量が違うため触れて反応させることが出来るかどうかで魔力量を3段階に分け中位以上の者は続いて属性を調べます

中位の魔術具は属性によって使用者を限定するので、その特性を生かして触れることが出来ても魔力を通すことが出来なければ属性ではないと判断されます。

5歳くらいで調べるのが一般的で3歳で調べるのはココだけだそうです。

それも温泉で…

何故3歳かというと、この地で生まれた子供は魔力量が多くたまに無意識のうちに魔術具なしで魔力を行使することがあるからだそうです

そう魔法です

一般的には魔法が使えるものがいないとされていますがココでは普通に存在していて使い勝手が悪いというか上手く使いこなせないので魔術具を使っているだけだとか!?

ただ魔力量が豊富でも魔術具が使えない人も少数ながら存在します

魔力を魔術具へ流せない為、使えない状態です

前世の七五三ではないけど一つの節目的におこなわれている

魔法を無意識に使っている子供は危険な場合もあるので魔力量や属性を調べ魔術具を身に着けるのだとか

ちなみに3歳前から魔法を使っていたのは兄達です

なのでイルさんが兄達の側に常にいるようにしていたんだとか


さて温泉でどうやって調べるんだろう?

一緒についてきた人達も私より年上ばかりなので知っているけど教えてくれない

湯元の湯は近くで見ると池のような丸い窪みの中心にある大きな丸い石から湧き出し溢れています

穴があるようには見えず石から滲みだしているようにも見えますが不思議です

窪みの近くにキラキラした真珠のような光沢のある平たい石がありました

私はその上に乗るように父に言われたとおりに

ドッドッドッドー!!

「ふぎゃっ!?えーっ!!」

大きな丸い石が属性の色と教えて貰った色へと次々に繰り返し変わっていき窪みのお湯が間欠泉のように次々打ち上がっていきます

連続花火のようにといった感じでしょうか

「やっぱり兄弟ねぇ~全属性で魔力量も多いわぁ~」

兄達も同じ現象があったようでココまで派手なのは珍しいので暇な人達は見物に来たそうです

たまやぁ~ってこと?

不思議なことに飛び出したお湯はそのまま霧のようになり降ってくることはありませんでした

降ってきたら大やけどかもしれないので危なくてこんな方法で調べませんよね

誰が最初にチャレンジしたんでしょうか…

属性は石の色で魔力量は飛び上がるお湯の高さで判定

身長より高ければ上位レベル判定で膝までなら下位レベル、中間が中位レベルとアバウトです

教えられない理由が何となくわかりました。

百聞は一見にしかずですね

その後は皆におめでとうとお祝いの言葉をもらってありがとうと返して解散です


夕食後家族でお祝い

父と母からは森での採集用のナイフ(柄の部分に魔石があるような)とカバン祖母からは一緒にお菓子を作ろうねってエプロンとキッチン用品(こちらも魔石が…)

兄達からは一緒にお勉強しようねって一人で通えない学校へのお誘いと勉強道具(入手方法は!?)

父からも入学の許可が出ました。

一階部分の教室でのみお勉強できます。

イルさんからはリングです

これを作る為に出ていたようです。

「イルしゃんのお嫁しゃんですか?」

首を傾げつつ問えば、父と兄達が速攻で「違う!」と突っ込みが

「イルしゃんがお嫁しゃん?」

そしてまた首を傾げてみれば「だから違うから…ね」と断言されます

何気に笑顔が真っ黒に見えるのは気のせい?

イルさん若干引き気味ですが気のせい?

この世界では婚約指輪といった風習はないですから違うのは知ってますよ

ただ結婚すれば家族となって森へ帰ることはなく居てくれるかなぁ~と思ったんだけど難しいですね


本当はアルやエルの時と同じようにピアスを贈ろうと思っていたのだが良いピアス用の双子石が見つからなかったのもあってな

5歳で送る予定だったリングにしただけだ

アルとエルもしているぞ

二人はリングではなくブレスレットとして身に着けているがね


イルさんがリングにした理由を教えてくれます

装飾品は上位魔術具

王侯貴族でも簡単には手に入らないと聞いていましたが兄弟で貢がれてます!?

ポーからは不思議なお花

温泉にあった平たい石と似た真珠のような光沢がありキラキラしてます

『枯れないお守りだよ』

魔石でも魔木でもないようですが…

『私からはコレ!お揃いよ』

ウルルの耳に突然出現したピアス

そして私へと有無を言わさずつけられたピアス

「ウルルは魔術具作れりゅでしゅか?」

もふもふのお手手で??

『いっぱい勉強して魔法で作るのよ』

側に気配がない時があったけど姿を消しているだけだと思っていたらお勉強してプレゼント作成

「うふふ…ありがとう」

ウルルの勉強方法や魔法については教えて貰えません

生態についても詳しくは教えてくれないので人へ教えてはいけないルールがあるようです

ただウルルはレベルによって学べる内容や開示される情報が制限されることは教えてくれました

守秘義務

幻獣には幻獣のルールがあるんでしょうね

きっと人が知る必要のないルールか知ってはならないルールなのか

でも私が知ってもよい事は教えてくれます。

循環も循環では魔力量が増えたり減ったりしないそうです

循環の精度を上げる方法も教えてくれました。

今では幻獣だろうと森の中だろうとプライバシーの侵害にならない程度なら感じることが出来ます

目で見なくても観え、耳で聞かなくても聴こえる。

赤ちゃんの柔軟な脳でなければ情報量の多さに思考回路はパンクしていただろう

現在はウルル式循環で脳内でしっかり整理され蓄積されるようになりました

精度が上がりイロイロと自分自身を調べた結果私はどうも「普通」ではないかもだけど…

循環することによって体の構造なんかも判るようになり私の体は男女両性っぽい

男性体・女性体の両方の特徴を兼ね備えている。

胎児の時に性別は何でもよいって思ってたらナンデモな性別になっちゃった


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