幼少編:6
結局正解者はいませんでした。
父の手作りなんて初めて食べたんだからわかるはずないです!!
ってか父器用です。
お仕事が忙しいのに…
さてお茶会が終わって森への散策
兄達に左右でがっちり固められて手を繋いでます
たまに持ち上げて貰って両足をブラーンとするのはお約束
私本当にアラフォーなのかしら…
もう少しでアラフィフなはず。。。
でも兄達は10歳になれば中央の学校へ通うことが決まっています。
そうなれば中央での寮生活
長期休暇にしか戻ってこれません。
次期領主候補なので中央での基礎課程からの入学となります
中央では10歳から13歳までが基礎課程
14歳から16歳が専門課程となり専門課程へ進学するには試験や適性が必要
専門課程は医官・武官・文官の3種類でそれぞれ正副の魔力有り無しの全6コース
専門課程を経て国に雇用される条件が揃います
貴族の方々は漏れなく通う学園なので領主候補の兄達も将来国の中枢を担う方々との面識を得る為と新たな人材の発掘を兼ねて入学します
中央の学園へは希望すれば身分を問わず誰でも学ぶことができ授業料も無料で国の教育に関する補助は前世以上
人材育英に力を入れているのがよく分かります
王族をトップとし次に貴族・平民となります
貴族の上層部には大貴族と呼ばれる貴族がいるそうです
貴族と平民の違いは過去の王族(国)への貢献度といったところで人種的な違いはありません。
北の辺境である私達のご先祖様は貴族になり国へ貢献することよりも領地(森)を守ることを一番に掲げ実行してきたので貴族とはならなかったそうです。
一応身分制度があるので面倒なことも多々ありますが北の辺境は中央から隔たっていることと自領で自給自足が出来ており魔木や魔石の国内シェアも6割程あるので立場的には強いようです。
研究所も国内トップレベルというか最先端ですし…
北の辺境から中央へわざわざ学びに来る必要性がないので領主候補でもなければ入学しません
特に13歳までの基本過程はとっくに終了した内容なので専門課程の聴講生として先に単位取得したり研究室に詰めたり時間の余裕があるので複数のコースを選択し終了(卒業)する
父は中央が地元だったはずなのに医官と文官を卒業している
何気に父はチートだ
文系なのに細マッチョだし…
今しばらくは兄達と仲良く一緒に居たい
森の浅いところを散策している時何かが聞こえた気がする
「?」
立ち止まり循環の精度を高め耳も澄ましてみる
「「どうしたの?疲れた??それとも眠いのかな」」
兄達が心配げに目線を合わせて聞いてくれます
とっても優しい自慢の兄達です
アッ見つけた!!
握られていた手が離れたことをよい事に近くの大木へ向かい見上げると
「いた!ちいちゃいコ」
慌てて追いかけてきた兄達に指で指示し伝えていたら白くて小さいコが動いたので兄達も気付いてくれました
「「本当だ!こんな近くに幻獣?」」
新たなモフモフ!!
幻獣とかって循環でなかなか把握できないんだよね見つかって良かった
ポーは分かるようにしてくれているみたいなんだけど…
森には幻獣しか存在しないはずですが、これほど人の住むところに近いところにいるのは珍しいです
じーっと見つめていると幻獣と目が合い飛ん(落ち)てきました
「「「えっ!?」」」
幻獣へ手を差し伸べると、ゆっくり私の手の中へ着地し、白い毛並みの青い目、しっぽが何気に多い
猫又の親戚?
それとも九尾のキツネ系??
『やっと会えた』
嬉しそうな可愛い声が頭に響きます。
ポーの時と同じ
「あえちゃ?」
初めましてだと思うのですが
「「会えたってシルディに会いに来たってこと?」」
同じ角度で首をかしげて聞かれても私もわかりません
『生まれた時から探してたの。近くにいるのは分かってたんだけど学ばなくてはならないことも多くて…”前”は怖い人間から助けてくれてありがとう。あなたの声も手のぬくもりも嬉しかったの。寒さに気付いたら一人ぼっちで追いかけられていたから本当に怖かったの。今度は絶対離れないからね』
はて?
いきなりのストーカー宣言ですが…
『この姿ならわかる?』
困惑しているのに気付いたのか姿を変えて…
えっ、も…もしかして!?
前世で助けようとした子猫!
助けられなかったのか…ごめんね
『助かったんだけど、長くなかったの…もう一人ぼっちで寒いのも寂しいのも嫌!あなたの側にいたい。ずっと側にいられるように、いっぱい勉強して強くなって役に立てるように頑張ったの』
心の声に返事をしてくれました。
そっか…助かったけど生きながらえるのは無理だったのね。
それにしても前世は猫だったけど幻獣として転生すると知能も能力も高くなるの?
それってスゴくない?
しかし可愛い幻獣にストーカー宣言されちゃったけど連れて帰っても両親は許してくれるかな??
『大丈夫よ!契約しちゃえば誰も二人を引き離せないもの』
何だか駆け落ちとか無理心中な勢いですが…って気付けば幻獣は光り始めてその光に私も包まれ契約完了
私の意思は…
兄達もビックリ
幻獣との契約なんて見たこともなかったんだろうし私も初体験です!
『これでずっと一緒』
幻獣だけは嬉しそうです。
私も可愛いモフモフと一緒に居られるのは嬉しいのは嬉しいけど状況に頭がついていきません。
兄達に至っては会話も聞こえないのでさらに混乱状態
戻りの遅い私達を捜しに母が迎えに来てくれていたようで気付けば父に幻獣の名前はどうするのかと聞かれています
兄達が興奮気味に経緯を説明してくれたようです。
ナイスアシスト!
流されるままウルルと命名しました。
これからウルルとは長い付き合いになります
よろしくね