表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第三章:『破壊と希望のヒカリ』篇
48/59

まさかのハヤシ回!?

「どうだい気分は渚?」

「気分は最高よ! 飛鳥を始め、みなさんとお話ができてね!」


二人の『ラブラブ天驚拳』な状態に翼は一気に後ろに退いた。

飛鳥も飛鳥で、両親のこうした場面は耐えがたいのでしれっと、

父に腕輪を貸して飛鳥は翼を連れてこの場を退散。


「あらっ! 飛鳥ったら、気を効かしてくれたのかしら」

「飛鳥よ……。そうとなれば、渚少し二人で語り合うかね?」


そう言うと、剣持副長はスマートに妻をエスコートした。

渚は夫の腕に手を通して、二人はそのまま、仲つむじよく格納庫を後にした――。


この宴も盛り上がりを見せつつも、終焉が見え始めていた。


それでも、修羅場を離脱していた蘭大尉はメカニック班と紅蓮機甲隊の隊員たちが語り合うなか、

林が暴走していた。


「ゴグっゴグ……ぷは! それじゃ、次は〇キの死刑囚編の名シーンやります。夜の公園で戦う、刃○の花○薫さんと死刑囚スペ○ク戦のモノマネです!」


彼はドヤっ顔でモノマネのタイトルコールを告げると、おもむろにパンツ一丁になり両手を岩石のように固め、拳を作り上げ天に捧げた。

一般的な女性なら、容易にこの奇行は無視でき、既読スルーができるだろう。


でも、意外にも林は脱ぐと胸筋を始め、身体全体に隆起した血管が浮き出ていた。

蘭大尉が見とれてしまうほど『筋肉』があった。


この手のタイプは脱いだら凄い。


あやよくば、自然に脱ぐタイミングを日々模索していて

若い女子の前で自身の肉体を披露して、自尊心を満たしている。


「おお! 林技術長。その構えは真の漢にしかできない雄姿ですな」

「へぇ~。似ているかは別として、意外とマツチョなんだな……!」


褒められ、気を良くした林は『第二フォーム』へ移行した。


「これが無呼吸乱舞を可能にする構え!」


一般人だと差分がわからない。

しかし、彼の拳に着目してみると、握っていたはずの拳に僅かな変化が起こっていた。


両手の人差し指と、中指のみ微妙に突き出ている。


「見事に細部へ渡りこだわりが再現されている……! あとは『スキンヘッド』だったらパーペキだわさッ!」

「あの陰キャラの林が輝いている。っても、私にはさっぱり……」


林が活躍する最中、格納庫入口付近では一人寂しげに一杯やっていた。

綺麗な銀色の髪をなびかせる女性は妙に味が出ていた。


「ふ、この船はあいも変わらず、呑気なものだ……。まぁ、いまだけでも……」

「おやま~。そのお歳でなにを黄昏てはるの?」


実は飛鳥たちより、二個上のマリアは一人で酒を飲んで干渉に浸っていた。

そのマリアの背後へ――冷たく、彼女の肌に突き刺さるほどの闘気が出現した。

たまらず、彼女は口に含んでいた酒を吹いてしまった。


「ゴホっ。あ、あなた……!?」

「どうも~。人呼んで『神代大文字』でありんす!」


神代大文字はマリアと目線が合うと、殺気を収めた。

その流れで『神代大文字』は笑顔のままそっと彼女はマリアの横に着いた。

マリアは神代大文字の優しい表情に安堵した。


立ったままはやぼだったので、二人はあまり人気がない場所へ移動をした。


「神代大文字殿でしたか……! 少しビックリしましたぞ」

「許してなぁ~。つい癖で相手の度量を測るのに殺気を出してしもうて」


かねて、マリアは飛鳥の口から、神代大文字のことは聞いて知ってはいた。

でも、マリアは面と向かって、伝説の剣豪としゃべるのが初なので緊張気味だった。


ただ、神代大文字はいつもと雰囲気が違っていた。

酒に酔ってしまい、少し違うスイッチが入っている。


「まぁまぁ。そう固くなりなさんな、マリアはん。見たところ、かなりのモノを持っているようどすな~」

「か、神代大文字殿! な、なにを……するのです……!」


シニカルにほくそ笑みながら、神代大文字はマリアの敏感な部分を優しく触れた。


「う~ん。これだけ、大きくともハリと弾力がある。重力にも負けない若さ。

これならば、愛弟子の飛鳥ハンもイチコロやな~。はぁ、スケベやわ~。」

「うっ……。や、やめて下さい――!」


普通の女子ならば、マリアの胸の大きさは圧倒的な強み。

しかし、マリアは違った。

幼い頃から、騎士を目指す上で胸は邪魔でしかなかった。


「おやおや、かわゆいのぉ~。ではでは――。マリアさん僕は……」


そんな恥ずかしがる、マリアを見て神代大文字はギアをさらに加速させた。

普段、飛鳥をシゴク要領で意地らしくマリアを弄んだ。


どこから、声を出しているかは不明だったが神代大文字の声は優しく、それでいて爽やかな紅蓮の少年。


そして、そのまま飛鳥の口ぶりで稀代の剣士は調子に乗り、マリアを責めたててみた。


「前々から、あなたをこうしてみたかったです……。マリアさんはいつみても、僕をどきどきさせる。それにとてもいい匂いで柔らかそうな唇……です」

「や、やつにそんな……度胸など……」


リアルに――現実において、聖騎士マリアが飛鳥にこんなことをされた日にゃ、剣持飛鳥の人生は絶たれるだろう。


しかし、いまのマリアは違い、見るに堪えられない。


見事なまでに大人のレディーである、神代大文字の術中にハマっていた。

神代大文字はこなれた手つきで、みるみるマリアを責め弱体化させていった。


さらに恐る恐る目線を下にやっていくと、ついにマリアが色気ある声を自然と漏らしてしまっていた。


「や、やめるんだ……紅蓮のあす……!」

「マリアさん。本当に……やめちゃってもいいの?」


目の前にいるファントム・アスカはテクニシャンかつ、まるで隙がない。


そして、ついに禁断の『領域』まで、神代大文字の魔の手が迫るのだった――。


「ほほおぅ……」

「……!! ぐ、紅蓮の飛鳥――!!」


神代大文字の中指と薬指がマリアの“コア”をすり抜けた瞬間――

彼女は快楽の地獄の底から、蘇りマリアは意識を取り戻し、神代大文字の手を跳ね除けた。


神代大文字はあと一歩という悔しさが残る感触を覚えつつのところで、マリアの間合いから離脱した。


「流石騎士ドスな~。そちらの方はツルツルさかい……!」

「――もう、神代大文字殿っ! つ、次は許しません。それとこのことは他言無用で!」


マリアが女として乱れ、愛弟子に対して特別な感情を抱いていることを現実にしてみると

神代大文字は悪ふざけが過ぎたと思い反省したので、颯爽とこの場を後にしてしまった。


すると、急に一人になったマリアは先ほどの醜態が恥ずかしくなった。


彼女も早々にこの場をフェードアウトした――。

マリアが格納庫に戻ると、この頃はもう人がいなく、とても静かだった。


決戦前夜なので、大人たちは切り替え明日のために備えていた。

そのため、マリアは自分の部屋へ戻ろうととき――彼女の名前を呼ぶ声が聞こえた。


「ま、マリアさん……? どうしたの?」

「おぉ……! 命殿でしたか」


その声の主は、たまたま、あと片づけをして残っていた命だった。


なんだかんだ、二人はこの【決戦前夜祭】で接点がなかった。

二人はちゃんと、会話したのは久しぶりだった。

特に理由はないけども、しいて言うのであれば、マリアなりの配慮だったかも知れない。


しかし、マリアの気持ちを裏腹に命は飛鳥と、二人きりになるシュチュエーションがなかった。


「流石、命殿ですな~。感服いたします!」

「お父さんや蘭大尉たちは忙しいから。私は私のできることをね☆」


命の純粋無垢な思いやりや、周りを気遣う気持ちにマリアは久しぶりに笑みをこぼした。

マリアは人間として、そんな命が大好きだった。


だから、こうして笑い合っていられる。


マリアは命、接して行く内に心に新たな光が差され、道筋が照らされた――。


「ええ、それでこそ命殿です……。それと命殿……」

「ドゥットゥーン! ど、どうしたのマリアさん?」


先ほどまで楽しそうに会話していたマリアだった。いきなり声量が乏しくなり、彼女は

潮らしくなってしまった。命は豹変したマリアを見かねて、彼女に寄り添った。


「ま、マリアさん。なにかありましたか?」

「いいえ、命殿。その……ありがとう!」


――突如、マリアの口から出た、感謝の言葉に命はショートフリーズしてしまった。

命の脳内で処理を終えて、彼女は口を開いた。


「な、なんだか照れちゃうな……。マリアさん……」

「唐突にすみません。でも、普段なかなか命殿にお伝えする機会がなくて。このような、場面になってしまい……」


「う、うん……。私こそ、マリアさんに感謝しっぱなしだよ! マリアさんのおかげで

いまこうして――生きていられる。だから、ありがとう!」


これまで、黄金騎士連合の死闘、卑劣な聖断のガンマとの戦い。

そんな、重要な場面で飛鳥を含め、命は何度もマリアに命を救われてきた。

命はその度、彼女への感謝の気持ちを忘れずにいた。


「わ、私は……。蒼き星をこの手で……壊滅させ……。尊い命すら略奪してきた身。

いまさら、その大罪を償えるとは思っておりません。でも、せめて業を背負う者として、責任を全うするには、この戦争を最後まで見届けて結末を知る義務があります。そのためには見苦しくても、騎士として生き抗います……!」


「確かに地球はマリアさんたちの手によって、混沌として不安定な世界になりました。

それでも、私たち――地球人類は、絶望せず、立ち向かいました。結果的にマリアさんたちに敗北してバラバラだった世界は少なからず、一つになれました。私も私で……。真実から眼を逸らさず現実に向き合え、大切な家族……。飛鳥君をもっと、そばで支えられる存在になれたような気がします……!」


本来ならば、どらかの種族が“死に絶える”まで地球上で戦い合っていたかも知れない。


ただ、彼らは憎しみや復讐心に囚われず、互いを理解することができた二人。


人類の歴史を紐どいても、度重なり争い、奪い、殺し合ってきた。

その都度、互いを理解し明るい未来がある素晴らしい世界を創造してきた。


だから、地球に住む人々。銀河帝国メルディアスで暮らす人々も、互いを理解できる。


――きっと、二つの種族は他者を思いやることができる『知的生命体』なのだ。


「そう……でしたね、命殿。あなたには“絶対的な騎士”がいましたね。あやつなら、

きっと、大丈夫です。ただ、あやつは色々とその辺は鈍感ですからね……」

「――はい、そうです! って、ちょっと照れちゃいます。確かに飛鳥君はいつもそうなんです。でも……だからこそ、誰にでも優しくて、カッコイイんです。本人に悪気はないですけどね☆ マリアさんもこの際、少しだけ正直になってみては?」


「べ、別に……! わ、私はあやつなど……!!」


気高い志を持つマリアであっても、命の不意を突いたストーレト玉に対して、マリアはあきらかに動揺してしまう。

ここいらで今後を左右する三角関係に展開と思いきゃ、機動機甲兵器が収納されている方向で、

ゴーンと床になにかが叩きつけられる鈍い音がした。


その怪しげな音を耳にして、命とマリアは目を合わせた。

彼女たちは恐る恐る鈍い音がした方へ向かった――。


すると、そこには二人が見慣れたシルエットが横たわっていた。


「痛てて。つぅ~いつの間にか寝てたか……!」


意識が朦朧とする中、おもむろに飛鳥が反転すると、二人と目が合った。


「う、うん!? 命ちゃんにマリアさん……。な、なんで!?」

『い、いやいや。こっちの台詞だし!』


眠気眼の飛鳥であっても、二人は彼へ容赦をしなかった。

シンクロした――呼吸の合ったツッコミを飛鳥にお見舞いした。


飛鳥はただただ、圧倒されるだけで苦笑している。


「それにしても飛鳥君。こんなところでなにしてたの?」

「ふむ。いつも貴様の行動には悩まされる」


この二人からの連撃になす術もなく、飛鳥は苦笑いをするしかできない。


「――して、紅蓮の飛鳥はなんでここにいるのだ?」

「そう、そう。飛鳥君! なかなか疑問だよ~?」


ようやく、飛鳥に生気が戻り彼は勢いよく立ち上がり、目線をやや上にやった。

彼女たちも飛鳥につられ目線を上にやると――。


「ぐ、紅蓮丸だ!」

「……うん。なんとなく、眺めていたくなったんだ。でも、いつの間にか寝てた☆」


まるで飛鳥が初めて『紅蓮丸』に搭乗したときのように、彼は紅蓮丸に引き寄せられ眼前にいたらしい。

その流れで飛鳥は紅蓮丸……鳳凰紅蓮丸を眺めていて色々なことを思い出し眠ってしまっていた。


「その気持ちは――わからなくもない。私も大事な一戦の前には愛機、エクスカリバー・クィーンナイトへ語り掛けていたからな」

「ふぇ~、珍しくマリアさんと飛鳥君の波長が合致しましたね!」


たまらず、マリアは命の口から放たれた、飛鳥と考えが同調できていたという事実を聞き流してしまった。

ただマリアは頬赤め少しだけ嬉しそうにしている表情にもみえた。


――と、しばらく三人は無言のまま鳳凰紅蓮丸を見つめた。 

しかし、鳳凰紅蓮丸から妙な声が聞こえたのだった。


「おやまぁ~。こんな時間に男女が密会とはよろしくないわね~。しかも、女の子二人に対して男の子は一人……」

「……! その声は母さんだね。なにも紅蓮丸の中から話かけなくても!」


飛鳥はが紅蓮丸から語りかける渚に話かけつつ腕を曲げてみるも、

自分の右腕に腕輪が装備されていないことにやっと気づくのだった。


この瞬間――父親に腕輪を貸したままだと曖昧だった記憶を思い出す。


「すまなかったな飛鳥。ほれ!」

「おっとっと……!!」


格納庫の二階から、聞き覚えのある声を辿ると副長の剣持博士だった。

息子から借りていた親子の絆の象徴である『腕輪』を山投げで飛鳥へ返却した。


「おかげで渚とは久しぶりに素敵な時間を過ごせた。ありがとう飛鳥。それはそうと、

あんまり夜更かししないで寝なさい。もちろん、命君とマリア君もだぞ?

とにかく、みんないい夢を見てくれ。おやすみ」


エレガントに振る舞い、剣持副長は息子に激励を述べ立ち去っていった。

しかし、驚くことに命は座り込んだ。マリアもその場腰を落とした。


飛鳥もあぐらをかき得意気に腕輪を右腕に着けた。


「おば様。その……少しだけ、お話してもいいですか?」

「親父の出番はここまでで、あとはお母さんの番かな。うん。あれはあの人なりの配慮。ようはフラグが立った訳なので命ちゃんいいわよ! だけど、あえて“紅蓮丸”から会話しちゃうね!」


渚は二言返事で命の申し出を快諾し、そのまま四人は語り合うこととなる。


「へへ。その方が威厳出ていいですね!」

「もう命ちゃんたら~。年は四十代でも見た目は一応、二十代なのよ! なんなら、

藤崎さんより肉体は若いんだから~!」


命は楽しそうにツインテールをゆさゆさ揺らしてしゃべり続けた。マリアは時折入る、

渚のブラックジョークがツボだったらしく、手で口を押さえて爆笑を堪えていた。


「……ふふッ。ぐ、紅蓮の母上は愉快な方だ……!」

「ふふ、マリアちゃんは笑いセンスあるわね。今頃、藤崎さんは――」


『ハクション!!』


大の字で眠っていもしっかり蘭大尉はお約束のリアクションはとっていた。


――それはそうと。


「でもねマリアちゃん。紅蓮の母上は頂けないわ。せめて、飛鳥の『ママ』か飛鳥のお母さんにしてちょうだい☆」

「あ、あす……。私は……」


打って変わりピンチな聖騎士マリアさん。


「そうだよマリアさん。ノアでは剣持君は変だし。元々、紅蓮の飛鳥はコードネーム。

私もいつの間にか平然と、飛鳥君って呼んでる身だけど?」

「それは承知しております命殿。で、ですが……」

このときばかし、飛鳥や命よりも年上なマリアが渚には乙女に見えた。


「お、おい! あ……貴様ッ!」

「ま、マリアさん! ダメだよ。おば様の前で飛鳥君をそんな呼び方しちゃ!」


いつになく強気で強固な命の眼差し。こうなった命は飛鳥でも、なかなか制御できない。

もはや、伝説のスーパーサイ〇人を抑制する機械も効かない状態。二人のやりとりに飛鳥は未来予知し、心を落ち着かせ身構える。


そんな光景に不思議と“紅蓮丸”からふわふわしたオーラが出ていた。


「おやまぁ~飛鳥の未来は明るいわね。お母さん一安心!」

「おい! あ、あす……。紅蓮の飛鳥――!!」

「な、なんですマリアさん?」


結局、勢いよく飛鳥の名を叫ぼうとするもマリアは断念してしまった。

いつもとおり、彼女は剣持飛鳥を『紅蓮の飛鳥』と呼ぶハメに。


「無理です、お二人とも! 私には彼をそんな親しい気に呼べません。飛鳥の母上と、

命殿……。どうか堪忍を……」

「うぅ~。飛鳥君の名前のなにか付くと、マリアさんはどうにか、飛鳥って呼べちゃんだ。よしよし~」


「いまは紅蓮の飛鳥でも、その内互いを呼び捨てで、呼び合っちゃったりしてね☆

まぁ~いまはそれでOK! 私もマリアちゃんが呼びやすい飛鳥の母上で」


一連の流れは渚と命が折れる形で終息した。


しかし、マリアの胸の内ではある感情が駆け巡っていた。


実はマリアも母の愛をほとんど知らない。

幼き日に彼女は両親を亡くしていた。そのため、いつしか――彼女は自分の母親と渚を重ねていた。


だから、一生懸命機体に応えようとしていた。

ただそれでも、無理なモノは無理だった。


「これから、頑張ろうねマリアさん!」

「えぇ、命殿。それにしても、なんだか穏やかな時間ですね……」


この場にいる誰もが感じていた一つの思い。

あまりの優しい時間を過ごすなかで、マリアは自然と口にしていた。


「そうですね……。きっと、何年後かに思い出して――この瞬間のことを思いふけっているかもね!」

「その頃は僕も成人して、なにをしてるのかな……?」


いつの間にか、この戦争が終わったことを飛鳥は想像していた。

高校を卒業して、大学に進学。そこでなにかを学び社会へ旅立つ未来。


それか、高卒で働きサラリーマンをしているかも知れないIF要素。


「きっと私は……大学でキャンパスライフを謳歌してるかな☆」

「この戦いが終わったあとか……」

「私は研究所や秘密結社行きかしらね?」


現状、渚は秘密結社所属なので置いておいて。


――未来ある若者たちは違った。


きっと、飛鳥たちは未来を歩むとき、その都度考え将来を決めていくことになる。

けれど、その前に超えてなくてはいけない壁がある。


「そんなことを思うと尚のこと、地球に還ってちゃんと進級して高校を卒業しなくちゃ!」

「そうだったね。このままじゃ、卒業どころか進級も怪しい……」


この日は笑い声に包まれたまま……終息し、彼らは各々の部屋へ戻った。

心地のいい星の光りに起こされ、飛鳥は目覚め約束の日を迎えた――。


紅蓮の飛鳥は普段とおり朝の支度を済ませ、ボディーラインがくっきりな真紅のノーマル

スーツを着て第一艦橋に着いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ