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銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第一章:『地球激闘』篇
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初陣を終えて

『お願い……。マジックナ○トたち、セフィー○―を救って』


この期に及んでも飛鳥は飛鳥だった。

実際のところ、病室のベッドで寝込んでいる。


「痛っ、体中が痛いや。頭も少し、ズキンズキンする……」


それもそのはずだ。

初陣であの状況下での戦闘だった。


丈夫な飛鳥とて、心身ともに疲弊しきっていた。


「でも、あれは本当に現実だったのだろうか……」


まだ実感がなかった。

コンコンと、ドアをノックする音が聞こえた――。


「失礼するわね。大丈夫かな、飛鳥君?」


メカニックレディー大尉との再会により、 昨日の出来事は現実だったと彼は悟った。


「は、はい……問題ないです。このとおり、ピンピンしてます」

メカニックレディー大尉は、ベッドに座り込んで飛鳥へ語りかけた。


「よかった、本当によかった。ごめんね。

あんな形で飛鳥君を危険に巻き込んでしまって。

でも、おかげでみんな救われて生きている」


紫色のセミロングの髪をなびかせ、妖艶で大人の香りが漂う。

メカニックレディー大尉は、少し目を潤わせて優しく飛鳥に微笑んだ。


「僕もあのときは無我夢中でした。

そういば、僕の友達は無事ですかね?」


彼の疑問にメカニックレディー大尉は少し狼狽した表情で答えた。


「あの辺一帯の人たちは無事に避難できたわ……」


なぜだか、メカニックレディーは言葉を詰まらせている。


「それに……昨日の出来事は情報操作されて、テロ集団による襲撃となっているわ。

人型ロボット、それに紅蓮丸も極秘事項として扱われ世間へは非公開された。

その情報操作をしたのが、ここ東京の博物館施設。

一見国直属の施設だけど地下では……私たちがいるとこは」


少しずつ、飛鳥が疑問に思っていたことが紐解かれていく。


「地球防衛軍所属・特殊機密組織・NETERO。

私は戦略・戦術官、藤崎蘭大尉です。

ようこそ、NETEROへ!」


ち、地球防衛軍? それに地下秘密組織だと……!

これって、いろんな意味で大丈夫かな? 

エ○ァやヤマ○もビックリな設定だ。


「は、はい……。藤崎大尉! 僕もよろしくお願いします」


瞬時に敬礼をして、ぎこちない様子で飛鳥は藤崎大尉に挨拶していた。


「いきなりかしこまっちゃって。それもなにかのロボアニメの真似かな?」


グサっと、飛鳥のバイタルゲージが削られ、すぐさま赤面してしまった。


「ふふ、可愛いね❤ だったら!」


下を向きながら、赤面している飛鳥に藤崎大尉は抱き付いてきた。


「な、何するんですか、藤崎大尉!?」


体中じゅうが熱くなり、汗ばんでいる。

気持ち下半身に熱を帯びていた……。


「そんな行業しくしないで、蘭って呼んでよ……。

ここはわりかし、フランクな組織だから」


ぽよん、ぽよんで大きな蘭大尉の胸の谷間に顔を埋めながら、彼は必死に頷いた。


「は、はい。蘭さん。わ、わかりましたら。」


逃げるにも、逃げられないほどの圧力だった。


「やめろって、言うわりに楽しんじゃって。

結構ウブ、なんだ。もしかして……!」


飛鳥は理解した。


この人がこのあと言おうとしていることを……。


「僕はそんなじゃ、ありませんし……」


飛鳥の年齢だと、わりかし劣等感にさらされる。


「こんな綺麗な顔で十三博士のご子息であの有名高校に通ってるならさぞ頭もよくて。

こんなに強い君を放っておくなんて、最近のJKわね」


そ、それは違うと断言できます!

最近の女の子たちは、男の彼が引いてしまうほど積極的だ。

言うなら、『エッチなのはいけなと思います!』


飛鳥が蘭大尉の胸の中でアタフタしていると。

わざと咳き込んだ低い声が聞こえた――。


「ゴホっ。熱烈な歓迎もいいけど、そこまでだよ、藤崎大尉!」


――その声の主とは、飛鳥の父だった……。


飛鳥はこの光景が気まずくて、さらに顔を赤めてしまった。


「も、申し訳ありません。大切なご子息に……」


ようやく、蘭大尉は飛鳥を気持ちのいい場所から、解き放ってくれた。

すぐさま、蘭大尉は厳粛なメカニックお姉さんに戻っていた。


「そんなあらたまらなくて、大丈夫だよ、藤崎大尉。

献身的に息子の面倒を見てもらって、ありがとう!」


あの騒動から、ようやく父との再会……。

飛鳥にとって、かけがえのない家族との再会だった。


「……父さん。お、おはよう!」


彼の第一声が少し遅めの朝の『あいさつ』だった。


「飛鳥、よくやってくれた。私は、本当にダメな父親だ……」


そう言って父は彼の手を握ってきた。


「いいんだ、父さん。

自分自身で決めて、あの『紅蓮丸』に乗って、戦うって決めたから」


飛鳥は力強く答え、父の手を握り返した。


「ありがとう、飛鳥。初陣は見事だったらしいな」


父は不思議と得意げに幼い頃、飛鳥が剣道の大会で優勝したときのように蘭大尉に話していた。


「まぁ、蘭大尉たちの協力があって、正直いまでも実感がないよ」


彼も幼少期の子供のように、楽しげに答えていた。

その際、いつもは隠された力、病的な念○力を使用していた。


「はは! どうやら、いつもの飛鳥だな。父さんは安心したよ」


この光景を見て、後ろにいた大男の林は感涙していた。


「これこそ、親子愛! 父と子のヒューマンドラマ」


すかさず、蘭大尉による強烈なひじ打ちのツッコミが繰り出された。


「シッ! いま、いいところでしょ。テレビなら取れ高のシーンよ!」


蘭大尉も当事者として、思い耽っていた。


「それで父さん。

あの『紅蓮丸』、『古びた騎士』のような奴らは何者なんだ?」


飛鳥は話筋を戻して、父・十三に真相を問いた。


「……飛鳥。私もいま、話そうと思っていた」


父の雰囲気も一変して、剣持十三博士のオーラに包まれた。


「さて、なにから話せばいいか……。そうだ、飛鳥。

この宇宙には地球以外にも、知的生命体がいると思うかい?」


教育TVのような切り口だった。

彼はすんなりと首を縦に振ってみせた。


「……いると思うよ。じゃないと色々と矛盾しちゃうと思うからね」


理屈や論理的な考えを抜いて、飛鳥はある種の真理を悟ったかのように答えた。


「うむ、結論から言えば正解だな。

彼らは地球侵略をたくらむ敵ではあるが……」


父は辛そうに目を瞑り。

地球……世界、日本で起こっている真実を淡々と語りはじめた。


「ここでは少し不便だから場所を移そうか?」


眼鏡の位置を直して父は後ろへ振り返り歩き出した。

一同は十三博士の後ろについて行った。


「ここが私たち、NETEROの中枢区。セントラル・アースよ。飛鳥君」


巨大なモニターに、近未来な機械たちに囲まれたいかにも司令室っぽかった。

軍服に身を包まれた人たちが四十人ほどいた。


「こ、こんな技術が存在してたなんて、信じられません」


飛鳥の口から漏れた声を聞いて、林は鼻を膨らまして誇らしげに微笑んでいた。


「そりゃ、そうだよ! 飛鳥君。世界で一番安全で人類の英知がここにある」


どうやら、飛鳥が夢見てきた世界だった。

いや、ここでは『具現化』されていた。


「でだ、飛鳥。さっきの話の続きだが。

彼ら『銀河帝国メルディアス』は宇宙の彼方より、この地球を侵略するために現れた。

いまのところ、彼らの詳しい実態は不透明ではあるが、騎士のような姿をしたロボット兵器を投入している。

人類は戦争を仕掛けられた」


彼は薄々わかっていた。


でも、彼らが地球を選んだ理由が不透明だった。


「それにしてもなぜ? この地球を選び武力による侵略行為で……。

きっと姿形も同じ。僕たちと同じ人で言語も通じたのに」


ずいぶん、戦争とは無縁な世界だったからこそ、彼は理解できずにいた。

一昔でいうところの武力による、侵略戦争でしかなかった。


まさに、『武力による、戦争の根絶』に繋がる。

う~ん、違うか。


「私たちも早急に解析と解明を進めている。

それに世界では、軍事的施設や組織が真っ先に狙われるなか、

ここ日本では富士山に戦艦が降りたって以降、特に目立った動きがなかった。

ただ、昨日で大きくことは動いただろう。しかしながら彼らは失敗した! 

明らかに紅蓮丸を狙って、鹵獲するか破壊するつもりだっただろう」


世界の国々が狙われるにもかかわらず、明らかに日本を特別視している。

なにか秘密や大きな陰謀があるのか……。


「なんとなくだけど、敵の狙いがわかったよ」


みんなこの親子の会話を聞いて驚いていた。


「あの子、可愛いわね? それに頭もよさそう。

なんでも、紅蓮丸のパイロットさんで剣持十三博士の息子さんらしいよ」


またしても、普通にしているだけで飛鳥は行く先々で女性を虜にさせてしまう。

これも主人公補正が成せる技か。


「それはそうとして、父さん。僕はどうして紅蓮丸に選ばれ?

いや、乗れたの? それに『あの声』の正体は……」


蘭大尉や林が言っていた『適任者』。

普通の高校生である彼にしか、乗れない理由とは?


あらかじめ飛鳥にしか、乗れない設計が未だに謎だった――。


「……答えは簡単だよ、飛鳥。私が作り上げ全てを設計した。

ゆえに息子である飛鳥に紅蓮丸へ乗ってもらう運命を背負わせてしまった。

いや、正確には……するしかなかった……」


博士として世界を股にかける飛鳥の父、十三博士。

彼が全身全霊を注ぎ作った兵器。


語尾の歯切れが悪かった。

やもえなく、息子の飛鳥を選んだ想いとは。


これでは、あの『司令』もびっくりする息子への仕打ちでしかない。


「私もビックリだった。まさか、自分がロボット兵器を作るなんてね。

でも、これは殺戮と破壊の兵器ではない」


ただ、飛鳥も父、十三の意思を汲み取っていた。


『紅蓮丸』は彼らのようなロボットのではなく特別なロボットだと。


そう、彼が夢見たロボットアニメのような、『愛と平和』を勝ち取るための平和なロボット。

彼が貫いてきた『武士道』の結晶の塊だった。


専用機って響は最高だけど、普通の高校生が背負うにはあまりにも過酷だと周囲は思っていた。


「また詳しい内容は『特定機密z1』に引っかかるためあまり言えないが『ある協力者』によって、

紅蓮丸を作り上げる過程で飛鳥に乗ってもらうしかなかった。

理不尽で無責任な答えですなまい……」


ごく一部の人間を除いて、蘭大尉たちすらも知らない、『特定機密z1』

父は狼狽しつつ息子に懺悔していた。


「……うん、わかったよ。僕ももう追及しないよ、父さん。

博士やこのNETEROでの立場もあるだろうしね。

ただ、最後に紅蓮丸が僕に語りかけてきた謎の声について」


飛鳥の危機に語りかけて、彼を紅蓮丸へと導いた『謎の声』。

王道ロボット設定ではあるが……。

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