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銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第二章:『宇宙の彼方へ☆』篇
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禁忌の黄金バトル

「ここまでくるとおめでたいぜ! それじゃ、そうしてもらうか」

飛鳥の意思に呆れ返ったガンマは再び、シザーススラッシュを構え直して

飛鳥の心臓めがけて、突き放った――。

刹那、金属がぶつかって弾ける衝動が走った。

「こ、このくそアマが……!」


「へへ、油断し過ぎだよ。いまのうちに飛鳥。逃げて!」


完全沈黙していた、テトラは全身全霊の力で背後から、

ガンマの急所股間に痛恨のケリをお見舞いした。

さすがの黄金騎士の鎧でも、効果は絶大だった。


しかし、予想外の出来事に飛鳥はたじろいでいた。

復讐に燃えたガンマはすぐさま、目標を変えて反転してテトラに

シザーススラッシュを向けた。


「て、テトラさんッ!!」


テトラは自身の生命を諦め、目を閉じた。

だが、紅蓮の男が覆いかぶさり鮮血が飛び散った。


『飛鳥!!』


テトラ、目がけた攻撃は飛鳥が盾になり防いだが飛鳥は代わりに

腕を損傷して腕の頸動脈を斬り裂かれた。


この出来事に、一同は我に返り翼や紅蓮機甲隊の隊員は

一目散にガンマに突撃した。


「飛鳥。待ってろ、いま……!」

「た、隊長!!」


鬼気迫る翼たちの覇気に圧倒され、

ガンマは中央指令室から、ランナウェイした。


「グっ。これは無理だ……。仕方あるまい……」


『待ちやがれ、ガンマ!』


愛憎入り混じった怒号は虚しく響いた。

しかし、感傷に浸れない。


すぐさま、命と蘭大尉により飛鳥への応急処置が行われた。

損傷した右腕を包帯により、包み込み出血は著しく弱まった。


「これでどうにか、大丈夫。林、飛鳥君をおんぶしてこの場は

戦略的撤退を行います。テトラさんも一緒にきなさい!」

「私のせいで飛鳥が……。どうして、どうして……」


テトラは倒れ込む形で手負いの飛鳥に懺悔していた。

だが、目を瞑って静かな飛鳥に届いているかは定かではない。


「テトラさん。飛鳥くんは、こういう人なんです。

あのとき飛鳥くんなら、テトラさんを犠牲にしていれば、

ガンマを倒せていたと思えます。

でもそれじゃ、意味がないんです。だから、また一度私たちと」

「そうです、テトラさん。これでよかったんです。

僕も一命は取り留めました。

テトラさんも無事で何よりです……」


命の話を聞いていた飛鳥は目を細め苦しそうだが、

テトラに救済の光の言葉をかけてあげた。


「ありがとう飛鳥……。私は……」

「こっちの件は一見落着ね。だけど、飛鳥くん大丈夫?」


テトラは目から透き通った水滴を拭き取り、再び立ち上がった。

一方、飛鳥は微笑を浮かべて蘭大尉に返事した。


「俺が動けるのはあと、六十秒です。これが最後の技です兄さん……」

「やれやれ、そんな状況でもいつものヤツをやれるのなら大丈夫ね!

とにかく、私たちは一度基地の外へと行きます!」


疾風の如く、一同は基地内部を駆け抜けて外に脱出した。


「ここを抜ければ、出口だわ」


しかし、そう甘くなかった。

一同は、見慣れた『巨大な黄金の輝き』を目の当たりにする。


「待ちくたびれたぜ! さて、今度こそは」

「ちッ。ほんと嫌な性格だわ。だけど実際問題……」


最低最悪な状況下で満身創痍の一同。

対抗するにも、機動機甲兵器の出撃が不可能。


「まさか、生身の相手に卑怯とは言うまいな。

これは戦争だから仕方がない。そもそもお前たちは俺を舐めすぎた。

皆殺しにしてやる」


蘭大尉と言えど、詰んだ盤面。

だけども、黄色いツインテールの子は、いの一番に一歩前に踏み出した。


「ここは私が囮になります。そのスキにみなさんは逃げて下さい!」

「待った、風間マネージャー! その役目は俺だ。

俺たちの希望の『紅蓮の飛鳥』は、風間マネージャーが

そばで見届けな」


いても立ってもられなくなった翼も一歩前に歩を進めた。

このとき飛鳥は、意識朦朧とするなか、自身が行ってきた姿にデジャブを覚えた。


「そういうのが癪に触るぜ。見せしめに女とガキは先に殺る……」


窮鼠猫を噛む。

そんな、何か一つことが起きれば可能性があるが誰一人と打破することはできず。

ガンマが搭乗する、【ガーベルサイズ】の魔の手が二人に迫った。


「こ、コ乃反の卯HA!? み奈さN、退火シテ下さ医!」

急遽634が慌てはじめると、月夜の明かりに照らされ黄金の塊が落下していた。

「総員、退避!」

凄まじい轟音が響き、辺り一面が砂ぼこりに包まれ落ち着くと一同は驚愕した。


「え、エクスカリバー・クィーンナイト? マリアさん!」

命の疑問符にもう一人の『黄金騎士』が返答した。


「助太刀に参りました、命殿! 間に合ってよかった。

ガンマ、貴様の卑劣さは、相変わらずだな?」

「え、エクスカリバー・クィーンナイトだと?!

マリア。どうしてここに?」


動揺が隠せず、ガンマに焦りが見えている。


「そちらの命殿には、恩義がある。故に助太刀に参った!」

「おいおい。生息不明と噂され、突然現れて【蒼き星】の奴らに味方するのか?

これはれっきとした反逆罪だぜ、マリア?」


「察しのとおり、私は蒼き星でエリス姫から仰せつかった任務に失敗し、

こうして生き恥を晒している。ガンマよ、我々は間違っていた。

彼らとは、理解しわかり合える存在だ。

だから、この場は退くんだ!」


互いに武器を抜刀せず、言葉だけで黄金騎士は対話する。

だが、ガンマはマリアの説得には素直に応じなかった。


「聖騎士、マリアとあろう者がよくも。まぁいい。俺とお前がいまここで協力して

コイツらを焼き尽くせば、お前の失態も免除されるだろう。

だから、俺と向き合わずいますぐ、後ろを振り返りその小娘を殺せ!」

「ふ。運よく黄金騎士になれたお前に愚ろうされようとも。

エリス姫様への忠義は変わらん。

しかしそれは、この先の銀河帝国メルディアスを思う気持ちでもある。

お前が裏でこそこそと『聖寂のザード』と何かを企んでいるのも知ってる。

そもそも、私はお前が大っ嫌いだ! ならば交渉決裂だ!」


マリアの宣戦布告により、ガンマは体を通してガーベルサイズから

再び負のオーラを全開にして、マリアを威嚇した。


「薄々こうなると踏んでいた。見るからに手負いの機体。

俺は全力でお前を倒し、お前を手土産げにこの星を去るぜ。それじゃいくぜ!」


シザーススラッシュを両手で持ち、天に掲げて

超新星機関ビッグバンエンジンを解放してガンマは、マリアに強襲した。

対するマリアは、ガンマの高速攻撃に迅速に反応し“奥義”を発動した――。


「私も時間が惜しい。短期決戦で貴様を討つ!

超新星機関ビッグバンエンジン解放リノベーション

さらに、光り輝く“シャイニングブレード”」


両者黄金の衣が煌びやかに燃え、全開でぶつかり合った。

初撃を終えた結果、マリアが優勢に出た。


「どうしたガンマ。貴様の力はこの程度か?」

「相変わらずつぇ~な。俺とて……!」


黄金に光輝く、大剣シャイニングブレードでマリアはガンマを

追い詰めたまらずガンマは【切り札】を発動するしかなかった。


「こ、こうなれば俺様の奥義で……」

「アクビが出る遅さだ! 光芒の『ヴァーチカルミーティア』。

昔のよしなだ。急所は外して置いた。脱出はさせてやる」


シャイニングブレードから、放たれた光の波動は瞬く間にガーベルサイズを

斬り裂き、蒸発させた。


「このクソアマが! びでぶ」


往年の雑魚キャラが口にする、やられ台詞を口にしてガンマは星になった。


「お前ごときが金の鎧を身に纏うのがおこがましい。これでいいのだ!

後はこの戦いの立役者と戦士たちを連れ戻すのみ」


命は飛鳥を看病する形で、エクスカリバー・クィーンナイトの

コクピットに乗り込み、他の蘭大尉一行は掌に座り込んだ。


しかし、林と634は図体ゆえに東部の甲冑部分にしがみついた。


「な、なんでこうなるんだ!?」

「オ衣らと大将HAこウなる星ノ運命なの堕……」


林は634に諭されつつ、マリアは残された稼働時間を気にして、

一気にビッグバンエンジンを放出させて、


黄金の残像を発生させガンマの基地から姿を消して、

ノアが停泊している地点へと到着した。


しかし、帰還した戦士たちに猶予はなかった。


『紅蓮の飛鳥』は、想像以上に出血が酷く一刻も輸血が必用だった。

風間艦長や剣持博士も事態の深刻さに気兼ねだった。


とにもかく、飛鳥は病室へと急行された。

紅蓮機甲隊の隊員たちもそうだが、命は神妙な趣でいる。

マリアは平然を余所っているが、内心自分が到着に遅れたことを悔いていた。


さらに、追い打ちをかける事実が医師から告げられた。


「ゆ、輸血が必要なのじゃが、剣持少尉の血液型が特殊で

Aの11+の血液が必要なのじゃ……」


数十万人に一人いるかいないかの珍しい血液型。

命が緊急配線を使ってノアの艦内に発信したが、適任者が現れず。


「歯がゆいわ……。息子が瀕死のとき母親の私ときたら……。

私が生きていれば、飛鳥と同じでA11+だったわ」


愛息、飛鳥の危機に渚は狼狽し限界だった。

――と、そのとき黄金騎士が名乗りを上げた。


「力になれるかわからんが、私の血液も一応調べてくれ。

銀河帝国メルディアスでは、血液型について己でも知らないから」


そう言うとマリアは、黄金の鎧をパージして洋服の袖をまくり

名医に腕を差し出した。


機動戦艦ノアは、神にもすがる思いで結果を祈った。


そして、数分経ち名医が隣の部屋から戻ってきた。


「いますぐ、輸血の準備じゃ! よいな、マリアさんとやら?」

「うん」とマリアは二つ返事で了承して、名医とマリアは飛鳥が

眠る部屋に急行した。


その知らせを聞いた、命は祈りが通じてホットとした。

渚も自分が持っていた運の強さに感謝して、胸を撫で下ろした。


いままで一言も言葉を発せず、命と同じく祈っていたテトラも表情に笑みが出た。

それから、ときが流れて命たちの前に名医が現れた。


「ふぅ~、一時はどうなるかと思ったが英雄『紅蓮の飛鳥』の輸血は成功!

現状、拒絶反応もなく、マリア君と適合」

「よかった。本当によかった……」


様々なことが積み重なって、飛鳥は一命を取りとめた。

この知らせを受けた、ノアの人々は歓喜に包まれた。


しかし、いまだ夢のなかにいる飛鳥が心配な命は、飛鳥とマリアが眠る部屋に

立会いを名医に求め名医は快く、それを承諾した。


もちろん、テトラも自身からも命同様に立会いを志願した。

こうして、この星での激戦はひとまず終了した。


そして、その頃黄金の艦隊はと――。

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