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銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第二章:『宇宙の彼方へ☆』篇
38/59

憎悪

「よーし。そうとなれば、俺の自慢の迫撃砲で木端微塵にして……」

「それじゃ、私たちがそれにやられて死んでしまうでしょ?

少しは真面目に考えて行動して!」


「はい、蘭大尉。634。アナログだけど、レーザーが放出されてる

部分を解体して、調べて配線を切っていくか」


林と634は手際よく解体して、配線をむき出しにさせた。


「……! って、なんて複雑な配線してやがる!」


林が絶句する程、驚異のテクノロジーで赤いレーザーは

制御され稼働している。


この危機的状況にさらに追い風を駆けるかの如く、上下だけではなく

左右からも赤いレーザーが放出された。


数秒前までは、広く浅く散らばって回避していたが飛鳥たちは

中央に集まることを余儀なくされ、林と634に祈りを捧げるしかなかった。


「くそ。これなら、カーテンの柄をかけておくべきだった」

「オ医ラは、ア○ライザー。ド○えもんを超えラれない乃か」


一同全滅フラグ。

これを回避するには、勇気と根性パラメーターの向上が必要不可欠。


「林さん。このままでは、僕たちが……」

「林さん、頑張って! 634も諦めないで!」


「えぇい。こうとなれば、水城補佐官私を肩車しなさい! 飛鳥君は、風間さんを。

紅蓮機甲隊は各々やってちょうだい! レディーが恥ずかしい思いして

時間を稼ぐから、男らしくシャキとしなさい!」


迫るレーザー線から身を守るには、効率的な作戦だった。

さすが、我らが蘭大尉。


しかし、翼と命。『紅蓮の飛鳥』は心境が複雑だった。


「ルカ。ぶっちゃけ、俺一人じゃ蘭大尉は担げない! お前も力貸してくれ」

「了解。僕もそんな感じがしてた。これってテレパシーだよね?」


蘭大尉が激情する最中も翼とルカは、立体的に蘭大尉を肩車に成功させた。


――一方、飛鳥と命は。沈黙で意識的に目線を逸らして頬を赤面させている。


年頃の男女には、「酷ってもんだ」と飛鳥と命は“心の声”をユニゾンさせ

蘭大尉にぶつけていた。


「そこのお二人さん。ラブコメは、ジャンル違い。

飛鳥君も変な気起こさないで命さんを肩車して上げないと!」


渋々『紅蓮の飛鳥』は、命を肩にかけ持ち上げた。


「お願いします! 林さん。だいたい、こんなシーンは難なく終えて

尺を合わせて次のシーン繋ぎ程度ですから!」

「頑張ってください。でないと私たち……」


試行錯誤繰り返し、お尻に火がついた林と634は思考が停止していた。

そして、赤いレーザーはついに飛鳥たち一メートル付近まで到着してしまった。


絶対絶命、運命黙示録。


この状況を打破するには、林にしかできない偉業。


「あぁぁあ! もう、こんちきしょう! こうなれば634。

お前は逆の方に回って、俺と一緒に赤い配線をぶち抜け!」


一転して、林の怒号が響き周りの心配する声をかき消し勇ましい姿で

もう一つのレーザー放出に行き身構えた。


飛鳥たちとレーザー線が目と鼻先の距離になったとき、

林は運命のカウントダウンを口ずさんだ。


『3、2、1……! 行くぞ、634!』


ドュリューン……と、小さい機械音が聞こえ一同は一命を取りとめたと確信した。


「い、生きてる。やった林さん流石です?」

「やれやれだわ。まぁ、とにかくよかった……」


飛鳥たち一行は、林の英断に感謝していたがもう一つ別の局面を迎えていた。


「ら、蘭大尉。感動の瞬間ですが、俺たちげ、限界です!」

「カーネル・藤崎。僕も限界だ。あとは流れに身を任せる」


翼やルカをしり目に蘭大尉と命はいまだに天上で喜びを分かち合っている。

故に限界の域に達し、翼たちと飛鳥は全身が震えている。


「ちょ、ちょっと!!」


色っぽい声とキャピキャピの声が響いた。

その後、悲鳴が聞こえ、事件の現場には翼とルカが弾き飛ばされ、

蘭大尉の下敷きには林がすり替わっていた。


あの刹那、林は驚異的な反応速度で蘭大尉の下敷きになった。


「ふふ。林にしては上出来ね☆ さてさて、飛鳥君はと……」

「まだまだ、若い子たちには負けませんよ。蘭大尉」


一同が視線をシフトチェンジすると、想像を絶する光景を目の当たりにする。

飛鳥も反射的に命の下敷きになっていたが、

その形があまりにも放送コードに引っかかる型。


飛鳥は全力でレディーの大切な部分を顔で受け止める形で受け止めていた。

飛鳥には、『神がかり』なフラグ立ちを持っている。


「大丈夫か二人とも? 特に飛鳥は……」

二人とも支障はきたしていないが、命は事態を把握できていなかった。


「命さん。飛鳥君が死んじゃうから“そこ”からどいてあげて」

「えっ? わ、私……はい!」


命は蘭大尉からの言葉を理解して立ち上がった。

飛鳥も翼や林に支えられ、立ち上がった。


「大丈夫かい、命ちゃん?」

「うん。大丈夫だよ、飛鳥君。でも……エッチ!」


命は素直にお礼を述べるにも、恥ずかしさと羞恥心が邪魔をした。

そのやりとりに林がそっと飛鳥の肩に手を伸べて。


「《紅蓮の飛鳥》は、主人公の鏡ですわ☆」

「お前は、年頃の女の子の気持ちを察しろ! 少しは活躍できたのに……」


とにかく、一同はピンチを乗り越え、テトラとガンマが待つ中央司令室を目指した。


颯爽と基地内部を駆け抜けるなか、生体コアの渚が息子の飛鳥に助言した。


「飛鳥。どうやら、あそこが中央指令室でテトラさんの生体反応を確認できたわ。

また、なにかあるからも知れないから気を付けて!」

「流石、母さん。了解したよ! みんな、いきましょう☆」


紅蓮の親子のやりとりを信じて、一同は敵の懐に入り込んだ。

すると、早速黄金の鎧を身にまとった騎士が目に入った――。


「ぎゃはは。まさか、あれを突破してくるとは! やるじゃねぇか?」

「あなたがガンマですね? 僕たちはあれぐらいでくたばる玉じゃないです」


「さ~て、状況はと……」


蘭大尉が辺りを見渡して、分析解析を進め。


「しかし、テトラ。こいつらもおめでたいな。

お前に裏切られ死にそうになり蒼き星から、

ここまできたのにかかわらず、おまえたちは死ぬ!」

「そ、それは……。とにかく、形はどうあれ彼らをここに連れてきた!

早くみんなを解放してくれ、ガンマ」


シリアスな会話が続くなか、蘭大尉の打算が打ち出された。


白兵戦に持ち込み、紅蓮機甲隊で青銅騎士と

銀騎士複数を撃破して、

『黄金騎士ガンマ』を孤立させることは可能だと考えた。


ただ、イレギュラーなことが起こらなければの話だが。


「チっ。それとこれば、別な話だぜッ! テトラお前は大人しくいまから始まる

戦闘に指を咥えて見てな。さぁ、いきな俺の兵隊たち」


ガンマの掛け声により、銀河帝国メルディアスの騎士たちは、

紅蓮機甲隊に襲いかかった。


「みんな、行きますよ! 命ちゃんと蘭大尉は、林さん。頼みました」

「おう。合点承知! 『紅蓮の飛鳥』」


紅蓮の隊長こと、飛鳥が先陣を切り最初に敵と刃を交えた。


「僕が切り払いますので、ルカさんと翼は黄金騎士を包囲してください!」


燃えさかる炎の如く、紅蓮機甲隊は突き進み飛鳥はあっという間に

数人の騎士を機能停止させた。


順調にルカも翼の部隊も戦力を保持したまま

当初、蘭大尉が打算した形態へと持っていけた。


「へへ、こんなもんか。同じゴールドでも、あいつらと違うな!」

「さぁ。観念して、白旗を振るんだ! それともこのルカと一騎打ちに出るかい?」


孤立しても、ガンマは不敵に笑い不気味なオーラに包まれ

紅蓮機甲隊の勢いは消滅した。


「お前はタブーを犯したぜっ! 俺は黄金十二騎士でも最強なんだ。

だが俺も馬鹿ではない。だからな……」


ガンマの陰湿で不気味なオーラが全開された。


「あ、飛鳥! あれは……!」

渚の声に気づき後ろを振りかえると、テトラがガンマに囚われていた。


「キヒヒ、それ以上近づくなよ。コイツがどうなっても知らんぞ?」

「そんな卑怯な……」


追い込まれたガンマは、悪役のテッツパン行為に出た。


「俺は最強の盾を手にしたぜ。あとはこの聖断のシザースラッシュで

てめ~らを斬り裂く……!」


飛鳥もガンマの制空権スレスレまで接近したが、ルカや翼同様になす術がない。

それを見かねたテトラが溜まらず、口を開いた。


「な、なんでやめるんだよ? 私なんかにかまわず全員で

かかればガンマなんて楽勝だろう? アンタらを売った私に気を使うなッ!」


さらにテトラの叱咤により、一同は困惑のループに突入した。


「だ、だけどよ……。飛鳥どうする……」


翼の問いかけに飛鳥は、アイコンタクトで応じるだけだった。

それでも、瞳には起死回生の光が宿っている。


「健気なテトラちゃん。まぁいい、ことを進めるか。

そこの赤毛の男。武器を捨てて、前に来い!」


飛鳥は、言われたとおり紅蓮刀を捨て丸腰でガンマの前に仁王立ちした。

すぐさま、翼が動いたがルカが止めに入った。


「水城氏。ここは《紅蓮の飛鳥》を信じよう……」

翼は刀から、手を引き飛鳥の動向を見守る。

「まさか、ここまで素直にくるとは……。

お前の噂は、銀河帝国メルディアスでも一人歩きしてる

赤毛の二刀流使いで紅蓮の機甲兵器に乗る男だと!

だが、実際には随分と華奢で女みたいな野郎だな」


「そんなことは、どうでもいいです。早くテトラさんを解放してください」

いつになく飛鳥は、苛立ちをみせガンマを威圧している。


ガンマも飛鳥の怒りのエナジー波長を感じ取った。


「表情おっかねえ~な。まぁ、用はオレ様が丸腰のお前をいまから

斬り裂く訳だ。だから、そこでじっとしてろ!」


残虐卑劣の言動に蘭大尉、命たちは嫌悪した。

しかし、飛鳥は前を見つめたまま手で一同を停止させた。


「わかりました。そうすればテトラさんは、助かるんですね?」

「あぁ。それだけは約束しよう」


クールに決めたガンマは、テトラを振りほどき

自慢の“シザーススラッシュ”を飛鳥に向け構えた。


テトラは、目を背け蘭大尉と命は祈るしかなかった。

ガンマは一切、躊躇わず飛鳥の額に突きを放った――。


絶体絶命だったが、刃先一ミリ俗に言う、寸止めで飛鳥の額で

シザーススラッシュが停止した。


それは、まるで『時が止まった』かのようだった。


「ムカつくぜ! その目。いかにも、自己犠牲、愛だとほざいて

ヒイロズムに酔いしれてる態度にな!」

「あなたのような人に僕らの気持ちは、わからないと思います。

テトラさんは、僕らを裏切ってでも大切な人や

モノを守るためにあなたに協力して、あなたに裏切られた。

一般的には、テトラさんの行いは因果応報だと片付けられるかも知れません。

でも、僕はあなたのやり方や言動は許せない!

たとえ、ここで燃え尽きても父さんやノアの人々……。

紅蓮機甲隊のみんなが僕の意思を引き継いでくれる」


いつになく、飛鳥は燃えていて赤い瞳に怒りの炎が燃えさかる

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