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銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第二章:『宇宙の彼方へ☆』篇
34/59

終結

「母さんは、お気楽だね。光の国に帰れてたら、どんなに楽か……。

でも、彼らを倒さないと確実に僕らは全滅する」


無数の斬り合いにより、鳳凰紅蓮丸とゲイボルグ・ラーハルトは

装甲が抉れ、飛鳥やシンの気力も削がれている。


もうじき、二人の対峙も終焉へと向かっている合図でもあった。

息つく間もなかったが飛鳥とシンは一度距離を取り、間合いを取った。


「他の黄金騎士は、戦力を削いだ。しかし、槍使いの黄金騎士は

まだ動ける……。母さん、賭けだけど僕の提案に乗ってくれるかい?!」


飛鳥は誰にも聞かれないようにワザと音声システムをオフにして、

渚に大博打を打って出た。


「さすが、飛鳥だわ。まぁ、そのときはそのときね☆ ルカちゃん側の

戦況は落ち着いてるから、私たちは彼らを是が非でも止める!」


飛鳥は頷き、渚にアイコンタクトをして残りの全エネルギーを出力に回した。

シンも飛鳥が最後の攻撃に出ることを感じとり、二槍の槍を握り直した。


残り開放時間……十秒間の『激闘乱舞TURBO』がはじまる。


「スティング・スピィア!」

「でぇぇいやッ!!」


鳳凰紅蓮丸の太陽刀とゲイボルグ・ハーラルトの必殺技が

激しくぶつかるのと同時に二機は、再び無数の斬り合いになった。


こうなると、飛鳥は【抜刀術・居合斬り】が封じられ

シンもシンで槍の間合いがネックになってくる。


飛鳥は、はじめて優位に立てている。

だが、戦況はそう甘くなかった。


刹那たる隙を突いた飛鳥は、月詠刀でシンを切り払い

太陽刀で止めの一撃を討てる場面で起こった。


「これで、最後です! ……!?」


先ほど受けた肩の損傷の付けが今頃になって帰ってきた。

鳳凰紅蓮丸の右肩部分がコンマ一秒停止してしまった。


「フっ。確実にいまのでやられていた。だが、俺の勝だ!」

金属と金属が甲高く弾け飛ぶ、快音が宇宙に舞った。


「僕とあなたとの決着に勝利者はいません。だから、いまはお預けです

母さん、残りの動作をこれで行くよ!」

「残念だけど、そうなるわね。だけどいまは仕方ない。

んじゃ、ファイナル・アタック」


鳳凰紅蓮丸は活動限界を迎える手前で、赤い彗星のように蹴りをお見舞いさせ

シンのゲイボルグ・ラーハルトは、両手に刀を貫かれたまま水平に飛んだ。


「……あの一瞬、攻撃動作が重なった瞬間に赤ツノは恐れることなく

俺の槍に両手を捧げ、相打ちに出た。結果的に俺たちは、刻が静止した」


斬り合いに入る体勢からは飛鳥は、自身の鳳凰紅蓮丸を犠牲にして誘発させた。

両機は互いに二刀流と二槍で敵機の両手を貫いた。


「母さん、ありがとう……。きっとすぐに出番は来るはずだから」

「……えぇ、飛鳥。一か八かも知れないけど、飛鳥に希望を託すわ!

それじゃ、それまで、お母さんは休憩に入るね」


鳳凰紅蓮丸は超新星機関ビッグバンエンジン

解放リノベーションの代償として、

エンゲージ・リンクシステムは最低限の活動になった。


それでも、残りの黄金の騎士たちは、闘志を絶やさず、飛鳥を襲った。


「……チェンジ・バーストモード。

スター☆ シューティングバースト!!」


螺旋状の拳型衝撃波が《リノベーション》された

グレート・ブレーカーから、繰り出された。


完全沈黙していたように見せて、ナックルズは“鳳凰紅蓮丸”が

ガス欠を起こすことを予想していた。


拳の形を形成した、螺旋状の衝撃波は鳳凰紅蓮丸を確実に破壊する威力で

狙い済まされた必殺の一撃。


「意外と俺は、我慢強くてね……。だけど、切り札はもうない!」

『スター☆ シューティングバースト』を見ている、ノアの人々と翼やルカたちは


女神に祈る気持ちで鳳凰紅蓮丸に乗っている、紅蓮の飛鳥を叫んだ――。


『あ、飛鳥!!』


「きた! 母さん。もう一回行くよ!!」

「再起動よ、飛鳥。んじゃ……」


超新星機関ビッグバンエンジン解放リノベーション


鳳凰紅蓮丸の瞳に光が戻り、禁断の解放を二連続で行った。


「な、なんだと?! 連続で解放だと……」

「赤ツノは、俺たちの想像を超えた産物なのか……」


赤く煌めく鳳凰紅蓮丸は、ナックルズの奥義である

スター☆ シューティング・バーストを紙一重、奇跡的に回避した。


それこそ、奇跡の価値と奇跡は自ら起す意思。


「ふぅ~どうにか、回避は成功よ、飛鳥。だけど、機体の損傷は芳しくないわ。

超新星機関は、オーバーヒートで両手は聖なる槍に貫かれて使いモノにならい。

そして、私たちの稼働時間は約一分……」


飛鳥と黄金騎士たちは、残りの活動限界を共有する形になった。

死の淵から蘇った飛鳥は、考える間もなくナックルズに強襲した――。


「俺の奥義を躱すとはな! しかし、両手が使えないいま、

インファイトとなれば……」

「流石は黄金騎士です。転んでもただでは、起きてくれない。

ぶっちゃけ、賭けでした。でも、まだ四肢は動きます!」


人間で言うなら、互いの吐息を感じるぐらいの距離で鳳凰紅蓮丸と

グレート・ブレーカーは、肉弾戦になった。


しかし、両手の使えない鳳凰紅蓮丸は、一方的に避けるしかなった。


「この期におよんで、避けて……。まぁ、立場が逆ならそうなるか。

だけどな、俺はアンタをぶち抜くぜっ!!」

「ナックルズよ。我はお前を見くびっていた。

このバーンも、戦に終止符を打とうぞ!」


横殴りの雨のように打ち込まれる拳を鳳凰紅蓮丸の飛鳥が

避けている最中、キングアックスの巨大な斧も波状攻撃となった。


飛鳥は咄嗟に避けるも、その次の瞬間――。

黄金の右ストレートと、壊滅的な斧の左右同時攻撃に鳳凰紅蓮丸は、窮地に至った。


「母さん! 出力を脚部に回して。そして、次は僕の掛け声のタイミングで

肩のキャノン砲で砲撃体制に入って!」


飛鳥はグレート・ブレーカーの黄金の拳に合わせて、回し蹴りで対抗させた。


「母さん。いまだ! 黄金の拳騎士には、右肩のキャノン砲。

そして、左肩のキャノン砲で彼の斧を持つ手を狙って!」


黄金と赤く煌めく粒子が舞い、飛鳥とナックルズは、互いに拳と足を砕けさせた。


飛鳥は、その反動を利用して、右肩のキャノン砲でグレート・ブレーカ―を打ち抜いた。


そして、渚の正確無比な射撃により、バーンのキングアックスの斧を持つ手を

見事に打ち抜き、飛鳥はショルダーキャノンの反動を利用しつつ、回転しながら

光輝く膝蹴り(シャイニングウィザード)を決めた。


「グっ。貴様、後ろに目でも付いてるのか……。このバーンとナックルズすらも

超えていくか……。だがな、紅蓮の戦士よ。まだだ、まだなのだ!!」


バーンがそう言うと、飛鳥の目の前を黄金の騎士が駆け抜けた――。


「すまぬ、バーンにナックルズ。お前たちがくれた好機は、生かす。

あの船に俺の最大の技で貫いてみせる!!」

「し、しまった! 飛鳥。二人に気をとられて。黄金の槍騎士が復活していたなんて!?」


ルカや翼の部隊もバーンの側近との激戦のなか見落としていた。

いまやノアは、丸肌が当然だった。


「風間艦長! いまずぐ、迎撃態勢に!」

「わかってる! 総員、全門開け! あの黄金騎士をノアに近づけてはならんっ!」


瞬時に蘭大尉と風間艦長は、総員に命令を伝達して、主砲とミサイルの雨で

ゲイボルグ・ラーハルトに弾幕を撒いた。


「小癪な! たとえ、両手が封じられていようとこのぐらいの艦砲射撃。

あと、数メートル間合いを詰めたら超新星機関の解放が切れる寸前に……」


主砲とホーミング性のミサイルを巧みに躱して、

シンは機動戦果ノアの喉元に辿り着いた。


「ま、まだ! 間に合う。母さん、エンジンが焼き切れてもいい!

最大出力で行くよ!!」


電光石火の勢いで鳳凰紅蓮丸が飛翔しようとしたときだった。


「悪いな、紅蓮の戦士よ……。これは、戦争なのだ。悪く思うなよ!」

「ちと、キャラが違うが。シン君、あとは任せた。コイツは俺とバーンで止める!!」


一瞬、鳳凰紅蓮丸が溜めたスキをついて、バーンとナックルズは

鳳凰紅蓮丸の肩を押さえつけて、二人で片方の肩を持ち、

空中で同時に肩固めを決めた。


「そ、そんな……! 鳳凰紅蓮丸のパワーを持ってしても、抜けられないなんて!は、放して下さい! あ、あの船には、父さんや大切な……命ちゃんたちが……」


飛鳥の悲痛な叫び声は、黒い狂戦士のように無残に宇宙にこだましている。


「これで、これで……終わりだ! ゲイボルグ・ラーハルトよ。

聖なる一撃を……『レイボルグ』」


全身全霊のエネルギー体を右手の一手に収集させ、黄金の槍を出現させた。

そして、半壊している右手に宿し投擲した。


「ま、待つのだ! シン。この船は討ってはならぬ! い、いまは退くんだ!」

「そ、その声は!? ね、姉さん……なのか。どうして、マリア姉さんが

その船に乗っているのだ?」


宇宙をも揺るがす、マリアの叫び声によってシンのゲイボルグ・ラーハルトの

秘儀、『レイボルグ』はノアの第一艦橋手間で消滅した。


そして、このタイミングを持って、三機の黄金騎士と鳳凰紅蓮丸は

解放時間の限界点を迎えた。


「水城戦術補佐官にルカ隊は、飛鳥隊長を収容して紅蓮機甲隊は、直ちに

帰還して下さい! マリアさんがくれた時間を決して、無駄にしないで!」

「斬り込め! 飛鳥隊長を救うんだ!! 紅蓮の飛鳥は俺たちの希望だ!」


ルカの部隊は、心の火を灯し、果敢に攻め入り、バーンの側近を振り払い

翼とルカは、刻が停止している、三機の場所に着いた。


「飛鳥。帰ろうぜ……!」

「紅蓮の飛鳥。見事だった。みんなが待ってる」


翼とルカは、バーンとナックルズには目もくれず二人で鳳凰紅蓮丸を背負い

ノアへと、帰還した。


「ありがとう、翼にルカさん……。そして、マリアさん……」


黄金騎士連合にも動きがあり、シンの戦艦からも再びシンの右腕ミュウが推参した。


「マリア様。アナタは一体、何をお考えなのです?! シン様は……」

「ミュウよ。俺たちも帰還だ。あまりにも損害が大きすぎる。バーンの側近にも

伝達させ、バーンとナックルズをすみやかに収容するんだ」


威圧、闘気を全開させつつ、シンもミュウに連れられ自身の戦艦に帰還した。


「マリア姉さん……。俺は、まだ……」


――その頃、ノアの格納庫が無残な光景だった。


鳳凰紅蓮丸は、あの激戦で想定外の損傷と禁断の二連続、

超新星機関の解放で満身創痍。


さらに、初陣であった紅蓮機甲隊の隊員、三十人あまりの尊い命を宇宙に散らした。


「覚悟はしていた。ただ、ただ……」

「飛鳥。俺や蘭大尉だって覚悟はしていたよ。だけど……」


双方とも激戦により、甚大な被害を被った。


機動戦艦ノアの主戦力、紅蓮機甲隊の戦力は三分の一を失った。

黄金騎士連合も飛鳥との激闘で地球への進路が極めて困難へとなった。


最終的に煮え切らない形だが飛鳥率いる、紅蓮機甲隊の活躍で黄金騎士連合の

地球進撃作戦は、事実上阻止することができた。


しかし、飛鳥たちに悲しむ時間と立ち止まることは許されない。

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