表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第二章:『宇宙の彼方へ☆』篇
33/59

黄金の旋風

風間艦長の掛け声と連動して、蒼い波動を纏った二門の主砲が敵艦を襲った。

だが、黄金の鎧を纏った存在に蒼い主砲は防がれた。


「ギャラクティカ・右ストレート!」

「パワーシュート」


フォーマルなデザインでボクサースタイルのナックルズが搭乗している、

【グレート・ブレーカー】による星々を砕く、衝撃拳。


機体の身の丈を超える巨大な斧から放たれた、『キングアックス』の斬撃。


「俺の必殺技を相殺するとは、やるな!」

「我が一撃を止めるとは、末恐ろしい船よ……」


単騎でナックルズはこの戦場に顔を出し、バーンは非常事態のため

精鋭中の精鋭を連れついに、参戦した。


「やはりこうなったか。あとは、飛鳥に託すしかないのか……」

「作戦だとルカ君の部隊が指揮官を討ち取り、飛鳥君が一人で黄金騎士三機と

交戦してその間に水城副隊長の小隊で敵艦隊を沈黙させます」


想像を絶する作戦プランだった。

飛鳥が黄金騎士を一手に担う。


この作戦には、その状況を作るためにルカと翼の力が必須だった。

そんなとき、ノア付近で歓声が轟いた。


「アーバン・ストラトスーッ! 所詮、銀では私に勝てんよ」

「ぐっ。このミュウ、不覚。シン様申し訳ありません」


予想より早く、ルカがシンの右腕ミュウを撃破した。


「案ずるなミュウ。君は俺の騎士たちを連れて、帰還してくれ。

あとは、俺がやるから」

「はっ! シン様。我が同胞たちよ。これより、帰還する」


「おやおや、シン君。本気だね。俺もギアをトップギアにするよ!」

「とにもかく、あの碧色の機体と紅蓮の翼を付けた奴は危険だ。

我が側近たちが、碧色の機体をやる。

紅蓮の翼を持つ赤ツノは、我らで片付けるいいな?!」


黄金騎士連合は、体制を立て直し消耗している

ルカの部隊にバーンの側近が襲いかかりルカの部隊は、連戦へ突入した。


瞬く間にルカの部隊は囲まれ、飛鳥の鳳凰紅蓮丸の前に

黄金に輝く三機が対峙した


「母さん。いよいよクライマックスを迎えたね!」

「ええ。そうね、飛鳥。なら、話は早いわね。早速例のヤツを発動しちょうか!」


飛鳥は渚になにやら同意を求めた。


「そうと決まれば行くよ、母さん。

超新星機関ビッグバンエンジン、最大出力」

「エンゲージリンク・システム良好。行けるわ、紅蓮の飛鳥さん!」


明鏡の止水の境地に達した達人の如く、飛鳥は静かに両目を瞑り次の瞬間――。

紅蓮の親子は、禁忌の呪文を詠唱した。


超新星機関ビッグバンエンジン解放リノベーション


その瞬間、紅蓮の翼を持つ、機体は太陽ように燃え上がり炎の如く、

機体が紅く煌めいた。


ついに、飛鳥は持てる全てを解放して勝負に出た。


「あの輝きに膨大なエネルギー量は、(ビッグバンエンジン)の解放か。

さて、どれほどの力なのか」


紅蓮に燃えさかる、鳳凰紅蓮丸はシンとの距離を加速的に詰め寄り、

鬼神の如く、太陽刀と月詠刀で乱舞した。


「でぇぇい! 母さん。ショルダーキャノンと弓矢の展開をお願い!」

「合点承知よ、隊長☆ 一気に攻めつつ、他の部隊にも掩護射撃しないとね!」


開始早々、飛鳥はゲイボルグ・ラーハルトを圧倒して、

スキをついて、鳳凰紅蓮丸の肩のキャノン砲をルカの部隊に放ち


超新星機関ビックバンエンジンのエネルギーで生成した

炎の弓を翼率いる部隊にも拡散せた。


言うなれば、『炎の矢―ッ!』。


「これほどとは! バーンのおっさん。俺たちも全力で行くしかない。

あとのことは捨て、手遅れになる前に……」

「承知した、ナックルズ。我らに退路という道はない。あるのは、前進のみ」


「シン君がここまで押されるとはっ! この場は俺たち三人で

あの『赤ツノ』を叩くべきだ!」


極みの道へと突き進む、飛鳥の『鳳凰紅蓮丸』の前に

三機の黄金騎士ゴールドナイトは決断した。


「行くぞ! 我が同志たちよ……」


超新星機関ビッグバンエンジン……解放リノべーション


三つの光の柱が爆誕し、一気に凝縮され光の鱗粉が飛び散った――。

かつて、マリアが飛鳥に見せた引きをとらぬ、神々しく赤く煌めく黄金の三機。


「……ゴグっ。ついに、母さんこの瞬間がきたね……」

「敵ながら見事な美しさね。でも、ここからはピンチでもありチャンスよ、飛鳥?」


戦場に光が消滅したとき、ノアの第一艦橋がやけに騒がしくなった。


「マリアさん。待って、待ちなさいッ!」


追っての介護者の手を体で振り払い颯爽と聖騎士マリアが現れた。

両手には拘束具が装着されているが、マリアは付き添いの一瞬のスキをついて、

いっても立ってもいられなくなったマリアは、強行策に出た。


「ま、マリアさん……。どうして!?」

「命殿……。すみません、勝手なことをしてしまって。ですが、私は……」


作戦中で多岐にわたり、紅蓮機甲隊をサポートしていた命だったが

その手が停止している。


だけど命は、マリアの気持ちを汲みとってあげた。


「マリアさんは大丈夫だよね。私も逆の立場だったら、じっとしてられない」

「命殿、感謝いたします。私は騎士道に誓って、反逆はしない! 故に紅蓮の飛鳥と我が黄金十二騎士の戦いを見守りたい。ただ、その一心だけ!」


動揺が隠せない第一艦橋だが、風間艦長は即決断した。


「今回は、特例として君の立会いを認めよう。むしろ、君には見届ける義務がある。

命は彼女の傍にいてあげなさい」


こうして、風間艦長の鶴の一声でノアの騒動は一件落着した。

だが、この間にも紅蓮機甲隊は苦戦を強いられていた。


そして、翼は葛藤にかられている。

疲弊しきったルカの部隊が明らかにバーンの側近との戦闘で戦力が

ミルミル削がれていた。


紅蓮機甲隊の要の飛鳥は、三人の黄金騎士を一手に担い孤軍奮闘している状況。

蠍座のアンタレスの如く赤く輝く、四機は次元を超えた戦闘をしていた。


翼は頭と経験で理解してしまっていた。

仮に自分の部隊が参入しても、確実にやられると。

故に脳と体の信号がわずかに停止している。


「み……ずき、水城副隊長。

私は飛鳥の母で“鳳凰紅蓮丸”の生体コア、剣持渚です。

はじめましてです。飛鳥のことは、大丈夫だから、

あなたはルカちゃんの部隊を掩護してあげて」

「は、はい……。って、飛鳥のお母さん!? そういえば、

そんなことを……。了解しました! 直ちに向かいます」


翼は疑心暗鬼だったが、この助言を素直に聞き入れ自分の部隊を引き連れて

ルカの部隊へと急行した。


「どうやら、あっちの戦闘はこれで大丈夫そうね……。問題はこっちの方ね。

紅蓮の隊長さん。残りの解放時間は……二分半です……」

「確かに厳しいね。それに僕たちが先に切り札を使用したから、実質一分強で

黄金騎士たちを討たなくては……!」


飛鳥はギュッと拳を握りしめ、渚に視線を送り返した。

ラスト一分でやりきるには、防御を一切捨てた攻撃しかないと。

「母さん。月詠刀も太陽刀と同じエネルギー出力を纏って、

『二刀流』で終らせるよ……。準備はいいね?」


無言で頷き超新星機関の全エネルギー計数を

二本の刀とエンジン出力に回して、鳳凰紅蓮丸は最後の攻撃に出た。


紅の翼を飛翔させ、ナックルズが駆ける【グレート・ブレーカー】の

高速ワン・ツーをギリギリの間合いで躱して、必殺の十二連撃をお見舞いした。

紅蓮の太刀筋と蒼炎の煌めきが黄金の鎧を斬り裂いた。


しかし、ナックルズもただでは被弾しなかった。


飛鳥がさらなる力を手にした、鳳凰紅蓮丸の最後の十二連目に

脳震盪を起こすキツイカウンターを放っていた。


「聖拳の異名を持つ、俺でもほとんど目で見きれなかった。

だが、もらってる最中。皮肉にも、貴様の太刀筋の癖を掴み、

ぶっ放したぜっ!」

「ぐっ。ただでは、無理か……。母さん、機体の損傷は?」


さすがの黄金騎士の機体でも、鳳凰紅蓮の最上の乱舞をもらっては

その損傷は計り知れなかった。


憶測でグレート・ブレーカーの損傷率は軽く見積もって

六十パーセントを超えている。


「こっちの方は、飛鳥が攻撃モーションに入った際、私がサブコントロールして

防御の方は成功してるわ。生身の飛鳥の脳は揺れたけど、

損傷は二十パーセントぐらいよ」


ナックルズは沈黙して、グレート・ブレーカーは宙に浮いているだけになった。

しかし、飛鳥に息つく間はない。


時間は流れ、活動限界まで残すとこ四十秒弱。

赤い決戦兵器に乗った少女なら、

『病み上がりにキツイこと、言ってくれるわね』と言う状況。


そして、ナックルズの撃破に黄金騎士の長は、憤怒した。


「ナックルズよ。貴様の意思は受け継いだ。我は、黄金騎士長の意地で

赤ツノをこの手で仕留める。シンよ。後衛に回り、援護を頼んだ」


シンはバーンの言う前より、後衛に付き追撃した。

飛鳥は、瞬時に迎撃策を考案して渚に伝え手に持つ二刀流を帯剣した。


「な、なぜ?! 剣を収めるのだ。まぁ、よかろう。ビースト・スラッシュ」

「星が死ぬ時のようにあきらめたか。

だが、俺は……スティングレイ・スピア!」


バーンの愛機、キングアックスの巨大な斧にオーラが加わり

殺傷力が格段に増した、横振りが鳳凰紅蓮丸を捉えた。


しかし、飛鳥の奥義である、【抜刀術・居合斬り】が重なって残像が見えた。


「グハハ。何かあると思えば妙な技を使うな、紅蓮の剣士よ。

だがな、我も恐れを知らない。シンよ、続けよ……!」


コンマ数秒の取り合いに勝利した飛鳥は、キングアックスの右腕を斬り落とした。


だが、バーンは止まらなかった。

さらに一つギアを上げて左腕で鳳凰紅蓮丸の首部分を捉え、

泥臭く渾身の頭突きをブチ当てた。


「な、なんていう。衝撃だ……。機体制御が……!」

「本来ならDBやOOみたく、超加速の戦闘シーンなのに。

っても、これをやられちゃ、私たちもキツイわね?」


後方のシンのゲイボルグ・ラーハルトが追い打ちをかけるように

飛鳥が搭乗している、鳳凰紅蓮丸のコクピットめがけて

鋭利な槍が飛鳥の目の前に迫っている。


「認めよう、赤ツノよ……。お前は、俺と同等いや、それ以上の力を持っている。

しかし、お前を支える戦士たちが弱かった。これは、戦争なんだ……」


ノアや紅蓮機甲隊の人々は、シンの槍に貫かれた鳳凰紅蓮丸を見た。

だが、飛鳥が搭乗しているコックピットは無傷。


飛鳥は、咄嗟の防御で月詠刀により、シンの槍を受け流し、奇跡的に肩に被弾させた。


「僕は……あきらめない。いや、そんなことはできないんだ。

紅蓮機甲隊のみんなは、あなたたちの技術に劣っていても、

志は武士道を持つ人たちです! だから、いまもこうして戦っている!」

「所詮は詭弁だな。勝つのは、俺たち黄金騎士だ。

今度こそ、お前の心臓部を貫く!」


互いにゆずれない背負うモノがある。

飛鳥とシンは“二本の刀”と《二本の槍》に意思を乗せた一撃を放った。


四つの武器が激しくぶつかり合い、剣と槍の摩擦熱が火花散らした。


鳳凰紅蓮丸は、損傷をモノともせずゲイボルグ・ラーハルトに

死力を出しきっている。


しかし、刻一刻と超新星機関ビッグバンエンジンの解放時間の

リミットが近づいていて、残すとこ二十秒を切っていた。


「いよいよ、クライマックスね。でもでも、尺が圧倒的に不足ね……。

さて、飛鳥どうしますか?」


一瞬たりとも気が抜けない緊迫した斬り合いの最中、

マイペースながらも、ウルトラ○ンでいう

カラータイムが切れることを渚は、飛鳥に伝えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ