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銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第二章:『宇宙の彼方へ☆』篇
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飛鳥よ、大志を抱け

「えっ?! ワ、ワープ? ノアってそこまで万能な船だったのか……」

「飛鳥よ……。お前には、基本性能しか伝えてなかったね。

そりゃ、ワープしないと何万光年先の座標にたどり着けないからね。

まぁ、ヤ○トやマク○スでお馴染みの機能だから、説明は割愛」


通常時は、亜光速で宇宙を突き進んでいる。

それを凌駕するのが、【ワープ】なのだ。


宇宙に存在する、点と点が合わさった水平の線を結んで短縮して、

次元を飛び越える機能。

SF系では、定番中の定番。


しかし、ワープの連発や座標点が一致していない状態で発動すると

未曾有の【カタストロフィー】を招くので注意が必要。


「うん、父さん。了解だよ! 僕は大丈夫。

父さんの心の『シールド』を貫通させて理解しました。

あとは、ウラシマ効果がないことを祈るだけです」


飛鳥は父の念を汲み取った。

こと飛鳥なら、容易に理解できるジャンル。


「飛鳥少尉も準備は大丈夫だね。では連ちゃんで申し訳ないが総員、

ワープ準備! 私もはじめ、全員が初の出来事なので心するように。

では、命。カウントダウンを!」

「はい、お父さん……。いや、風間艦長! カウントダウン読み上げます。

9、8、7、6……1、0。ワープ開始っ!!」


ノアが残像に包まれ、閃光の如く船体が宇宙空間から姿を消した――。


こうしている間も飛鳥たちは、ワープを体感している。

体感的に言うならば、当たり一面が暗転して気分が寝起きのように覚めない状態。


大変恐縮なのだが、このワープシーンで服が透明に透けるなどの

お色気シーンは御用意できないので、ご了承下さい。


しばらく、この不思議体験をして体感的に五秒流れてワープアウトする。

先ほど同様に、残像が発生して別の宇宙空間にノアが出現した。


「わ、ワープ終了です……! みなさん、大丈夫ですか?」

「痛っ! 僕は大丈夫です。他の方たちは?」


真っ先に命は意識を戻し、設定航路進路と座標確認を済ませ

第一艦橋にいる人たちの身を案じた。


「どうやら、みんなさん問題なさそうだね、命ちゃん!」

「そうだね、飛鳥君。風間艦長、ワープ成功です。


林技術長も通常の航海モードに切り替えて下さいね☆」


「合点承知です、風間オペレーター。よ~し、634。

機関室の切り替え、総員で連携してやるぞ!」


巨大モニター越しに林技術長と634が切磋琢磨と

他のメンバーを率いて、機関室と格納庫を行き来していた。


「へへ。林の奴いきりだってんな。さてさて、私はと……」

「藤崎大尉は、常に作戦案と各隊との連携と通達を

迅速にできるように頼んだよ。

もちろんその補佐は、水城戦術・戦略補佐官もね」


『はい、艦長!!』


手一杯に資料を持って蘭大尉と翼は、第一艦橋を後にした。

ワープを終え一段落した第一艦橋には、やることがない飛鳥が一人で

ぽつんと立ち尽くしていた。


「この状況って、僕は……」


それを見かねた副長の剣持博士は、息子に指示を出した。


「『紅蓮の飛鳥』よ。紅蓮機甲隊の隊長として、格納庫に行ってみれば

自ずとやることは、山の如く海よりも深くあると思うよ」


――紅蓮機甲隊。


飛鳥がワープ直前に来たため、飛鳥本人に知らせていなかった。

《戦闘隊の別名であり、飛鳥が率いる部隊の名》


「紅蓮機甲隊……。なにかと紅蓮にあやかるな~。

はい、父さん。いいえ、副長!」


微笑しながらも飛鳥は父に敬礼をして、格納庫へと向かった。


父の剣持博士もその背中を見守りながら、口角が少し上がっていた。

飛鳥が格納庫に着くと、飛鳥と同じ制服の色を来た人たちがたくさんいた。


「ひぇ~、凄い人だかり……」

「おお、待ってましたよ! 我らが隊長殿」


――早速、飛鳥はその一団に暖かく迎えられた。


「こ、こんにちは。みなさん、剣持飛鳥です!」

「噂とおり、赤毛で美少年だな~。それに刀を二本も帯刀してる」


自然な流れで紅蓮機甲隊の隊員たちと飛鳥はファーストコンタクトを交わした。

ただ、紅蓮機甲隊の構成は異色であった。


元地球防衛軍の船乗りだったり、飛鳥がいままで助けた人などなど。


そして――。


「ボンジュール、『紅蓮の飛鳥』。私も君の《紅蓮機甲隊》の隊員だよ。

まぁ、いまの内は君に従ってはおくよ。

後々は、『閃光の機甲隊』にさせるけどね☆」


早すぎる、ルカと飛鳥の再会。


「久しぶりです、ルカさん。っても、数時間前に会ったばかりですがね。

ワープ明けだと、時間間隔がわからなくなります」

「相変わらずだな、君は。どうやら、多元軸の世界線だったり、

因果地平の彼方に飛んだりはしなかったな」


何食わぬ顔で双方とも、その手の専門用語を言葉にしていた。

しかし以外にも、他の隊員たちもノリノリでその話の流れに乗っかってきた。


「自分はワープするとき、【時をか○る、少女】みたく

いっけ~! って、心の底で叫んでました」


一人の男性隊員から、甘酸っぱい青春トラベルの作品名が上がった。

それにつられ、『伝説巨神イデ○ン、魔法少女まどか・マ○カ』など

そうそうたる、作品の名も上がった。


「みなさん、みなさん。このままでは、収集つかなくなってお蔵入りです。

それにしても、この部隊は居心地がいいですね~」


こうして、意外な形で紅蓮機甲隊の絆は深まった。


「いいですな~、隊長! 『紅蓮の飛鳥』殿。

しかし、自分がいざロボットに乗って戦うなんて……」


――刹那。


ワイワイ、ガヤガヤ叫んでいた空間が

中年交じりの男の呟きによって、静まり返った。


夢から覚めて、いざ現実をつけ付けられると彼らは。

それでも、紅蓮の赤き美少年は男たちの『心の炎』であった。


「自分も最初そうでした。訳もわからず乗って戦って……。

それでも、大切な人や想いを守るために【死】を覚悟して、

いままで戦い抜きました。

ここにいる、みなさんも覚悟と決意を持ち、

ご自身で志願され、勇士になったはずです。

だから、その思いを忘れず僕と一緒に戦いましょう!」


飛鳥の熱弁に反応するかのように、紅蓮丸や鳳凰丸。

量産型の神風や不知火たちも一瞬煌めき、飛鳥の檄に乗せられ、

勇敢な戦士たちは、その瞳に炎を宿らせ目を輝かせている。


「そうだ。オレはあの屈辱を忘れない……!」

「私も飛鳥さんみたく、大切な家族や友達のいる、

地球をこの手で守りたいッ!」


『俺たちが……私たちが……。地球を守るっ!!』


飛鳥の『突撃ラブハート』な檄は、紅蓮機甲隊を一つにまとめた。


「はい! みなさん。僕も頑張ります。キラっ☆」


最期は飛鳥のボケで不時着した。


その後、今後の演習の流れや各小隊の編成について少し振れて、

飛鳥は次のフラグ回収へと向かった。


飛鳥はNETEROで見慣れた場所、セントラル・サタンこと

重要人物保護室の前に立っていた。


少し躊躇いつつも、丁寧に扉をノックした。

コン、コン、コン。


「はぁ~い!」

すると、愛嬌のある声が聞こえてきて黄色いツインテールが飛鳥を迎えた。


「飛鳥君、遅刻だよ。私は三十分も前から、いたんだよ!」

「それはごめんね、命ちゃん。僕は隊長として、紅蓮機甲隊のみんなに

あいさつを済ませて来たから」


片目を瞑り、そんなの知ってる『よ~ん』と言わんばかりのリアクションを

命は飛鳥にしてみせた。


「まぁ、その間マリアさんとはガールズトークで盛り上がってたから☆」

「へぇ~。それはそれは」


この二人のやりとりの最中、マリアが動いた――。


「ふっ。紅蓮の飛鳥も元気そうではないか? 命殿からは、色々と聞いてるぞ。

例の『赤ツノ』の完成形を乗りこなす鍛練と地球の

サブカルチャーを楽しむことを

両立させ、日々忙しそうにしているとな」

「マリアさんの耳にも、紅蓮丸……《鳳凰紅蓮丸》は知れ渡っていましたか。

もちろん、剣技とそれらを支える僕の『心』は、両立させてます。

それじゃ、お貸ししていたジョ○ョの奇妙な冒険はいかがでしたか?」


先ほどの仏頂面とは、打って変わってマリアの目つきが変わった。

いまにも、飛鳥を斬り裂きそうな鋭い視線。


「地球の娯楽書物は、ああいうものが人気なのか。こないだの聖○士星矢は短く、

奇想天外な物語だったが、爽快に読めた。

しかし、今回のジョ○ョはとーにかく、長い」


車○先生の漫画は、爽快かつバトルシーンに男心を揺さぶれる。

リン○け、風魔の小○郎、男○など。

まさに“バトル漫画”の金字塔


「その言い分だと、七部までは読み上げたようですね。

ジョ○ョは長いけど、一つの章で考えてみると、

とてもまとまってます。ちなみに僕は、三部が好きです。

承太○の人情と一族の宿命でD○Oとの最終決戦では、泣きました!」


荒○先生の人間謳歌がテーマのジョ○ョ。

現在、正確な数は不明だが、百巻は超えた長編漫画。


少年漫画では、珍しいホラー色とバトルが合わさった名作

波紋、スタンドなど。数多くのルールや能力によって戦う

バトルは読む人を唸らせる。


と、話は飛鳥とマリアの二人の会話に戻る。


「紅蓮の飛鳥は、青いな。私は、第五部の黄金の風だな。あれこそ、ジョ○ョ。

スタンドの秘密。ジ○ルノの主人公補正。

最後の黄金体験・鎮魂歌こそ無敵!

とにかく、五部以降のスタンスが私は好みだ」

「た、確かに五部から変わりますよね。

しかし、第八部のジョジョリ○ンに関しては

僕はいまのところ、置いてけぼりです……」


とにかく、話のスケールが大きくなったジョ○ョ。


「わ、私はこの二人の会話についていけない……」


命も飛鳥の影響で海賊や忍者、死神が活躍する漫画を読んでいる。

それでも、基礎知識がないとジョ○ョは語り合えない。


終始、飛鳥とマリアは双方の考察をぶつけ合い、互いに火花散らした。

しばらくして、『とにかく、ジョ○ョは素晴らしいのだ!』

二人は見事にシンクロして、収束した。


そして、息つく間のなく飛鳥は次の話題に触れた。


「……マリアさん、大丈夫ですか?」

「いきなり、どうした?」


飛鳥のテンションゲージが一転して、シリアスムードに変化した。

無論、飛鳥の一言に全ての意味が詰め込まれている。

それを察して、命から助け舟が繰出された。


「そのことは、複雑な心境だけどマリアさんは大丈夫よ、飛鳥君。

っても、なかなか難しいことだけどね……」

「み、命殿……」


ノアの足元は、確実に黄金騎士連合……銀河帝国メルディアスの

本星に近づいている。

こればっかしは、どうすることもできない事実。


「命殿はお気になさらず。父上や大切な人と自分の信念を貫いてください。

たとえ、信念と想いがぶつかり合ってももしかしたら、

いまの私たちのように理解が、できるかも知れません……」


いまなお、マリアの研ぎ澄まされた覇気と聖なる剣技は健在だが、

確実にマリアの心境は変化していた。

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