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銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第二章:『宇宙の彼方へ☆』篇
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機動戦艦ノア発進

はたから見ては、いまにも警察騒動だが。

神代大文字やルカの執事、じいは観点が違った。


「飛鳥ハン、楽しそうやな~。あの坊やに嫉妬してまう☆」

「坊ちゃま……。じいは、うれしゅうございます。

強敵ともとめぐり合えて。まさに、《めぐりあい宇宙》」


二人の天才をそばで見守ってきた、二人にはそう見えていた。

現に飛鳥の心境がそうであった。


聖騎士マリアとは、また違った剣士。

それにとても、面白い人だと。


飛鳥は無数の斬撃が飛び交うなか、愉しんでいる。

ルカも想像より斜め上の実力に歓喜していた。


むしろ、マリアと同じように戦慄させ覚えている。


それでも、ルカは飛鳥に勝ちたい訳があった。

実はルカもマリア率いる、銀河帝国メルディアスと交戦していた。


彼の身なりや言動から、予想できるようにルカは裕福な家庭育ち。

それも、E・Uを五十%占める機械産業の御曹司。


フェルナンド家は密かに、NETEROの機密データを買収し、

独自に機動機甲兵器を作り上げていた。


飛鳥と同じようにルカは、マリアと生身とロボットによる

戦闘で引き分けている。


それゆえ、マリアに勝利した飛鳥に対して嫉妬心と対抗意識が

芽生え敵対視していた。


「君に勝ち、世間に私の凄みと名誉を讃えさせる。悪いが今後の主役は、

私であり、『機動銀河戦記、閃光のルカ』になるのだ!」


刃を交えて一旦距離を置いた場所でルカは、レイピアを

飛鳥に向けて、様々な方向へと突いた。


「僕は剣士として、あなたの実力に驚愕しています。

ましては、マリアさんのエクスカリバー・クィーンナイトと交戦しているなんて

でも……それでも、僕は主人公の『紅蓮の飛鳥』ですッ!!」


両者一歩も退かない気迫と気迫のぶつかり合い。

そのやりとりのなかで、少し気になるワードが出ているが。


とにかく、この二人の死合いの終わりが近づいている。


「さて、終わらせるか……。この突きが、ファイナルアタックだ!

○童ではないが、全身全霊で君を討つ!」

「僕も決着の刻がきたと感じてました。

やぁぁあって、やるぜ! 断空○牙剣!」


ルカはこの日、最上の突き体制に入り飛鳥を見据えた。

飛鳥は、何かの必殺技を叫んだあと静かに瞳を閉じた――。


そして、紅蓮の刀を鞘に納刀してしまった。


「!? この期におよんで私を侮辱する気か、紅蓮の飛鳥?」

「いいえ、ルカさん。いまから、大文字先生の奥義で

あなたを倒すのに必要な、工程です」


飛鳥は冷静に言い放ち、目を開け両手で刀を握った。

ルカの見解では、さしずめ宇宙戦で見せた、


【抜刀術・居合斬り】だと踏んでいた。


ルカの突進に合わせた、最上一撃カウンター。

二人のビジョンは、一致していた。


しかし、この未来だと、ルカの突進が勝り飛鳥が討ち取られる。

この時点で飛鳥の負けが予想されている。


まさにこの光景は、思春期の少年の翼が折れて、ゼ○システムに答えを

求めているようだった。


『教えてくれ、ゼロ! 俺たちの未来をッ!!』


――その刹那、碧き稲妻が飛鳥を襲った。

飛鳥からも紅蓮の斬撃が二本放たれた。


すさまじい轟音とともに、二人の天才は停止した。


「ぐっ……」

「あ、危なかった!」


この光景を見るに、決着がついた。

飛鳥の右手の刀がルカの喉元手前で停止していた。


ルカの召使、じいはこの光景に絶句している。

それを見かねて、神代大文字が解説をしてくれた。


「坊ちゃんの付き人さん。多分あれは、二本同時による抜刀ですわ~」


飛鳥の師匠である、神代大文字は二人の決着の瞬間を見逃さなかった。

ルカの稲妻のような鋭い閃光――。


飛鳥は、予想とおり【居合斬り・抜刀術】で迎撃した。

しかし、ルカの予想は大きく覆った。


飛鳥自身も両手で刀を掴んだまま、大きく踏み込み

両手で抜刀して、左手の小太刀でルカのレイピアの勢いを殺しつつ、


ルカ最後の攻撃にも、反応して右手の刀でレイピアを吹き飛ばし

いまのように飛鳥は、倒れ込むルカの喉元で刀を停止させた。


「紅蓮の子が坊ちゃまを……。じいは信じられません」

「自分とて、弟子の飛鳥を全て知ってる訳じゃない。

まさか、己の『二刀流』と神代流の【居合斬り・抜刀】を融合させるなんて!」


飛鳥は、戦いのなかで進化した。

戦闘民族サイ○人のように日々強くなっていく。


「……認めよう、『紅蓮の飛鳥』。私の負けだ」

「……はい。ルカさん……」


ルカの敗北を認める言葉に飛鳥は、静かに刀を帯刀した。

そして、飛鳥はそっと手を差し伸べた。


「……ありがとう」

勝敗は決したが、二人の目線は同じ高さになった。


「二人とも見事だったぞ! 特に飛鳥ハン最後の攻撃は、よかった。

坊ちゃんの方も、あの稲妻のような突きは私でも称賛するよ」

「坊ちゃま、お疲れ様です! じいは感動いたしました」


ここにいたるまでの経緯は、決してよくはなかった。

しかし、二人の天才剣士に言葉は不要だった。


「それにしても、私は生まれてはじめて負けたよ。

だが意外と清々しい、気持ちだな。紅蓮の飛鳥?」

「そ、そうだったのですか? ルカさん。

僕は影で挫折と努力を積んでいまがあります。

全てを出しきったら、そうなります☆」


生まれも育ちも違う天才剣士。

ルカは、天性の才能でE.U最強の称号を手にした。


飛鳥もいまでは、天才高校剣士と謳われているが、

幼少期や影で、人一倍努力と汗をかいてきた。


鉄下駄を履き、階段を駆け上がったこともあったかもしれない。


『あぁぁ~、お姉さまッ!』


とりあえず、二人の死合いは終了した。

すると、再びルカは右手を飛鳥に差し伸ばしてきた。


「最後は紳士らしく、拍手をしよう! 紅蓮の飛鳥」

「僕も日本男児ですから! よろこんで」


飛鳥の右手とルカの右手で握手が交わされた。

それは、力強く美しくもあった。

一部の人からだったら、需要がハンパないだろう……。


いけない妄想に浸る余裕もなく、ぎゅっ! 力強く握る擬音が聞こえた。


「フハハっ! 紅蓮の飛鳥! 今回たまたま、君に軍配が上がっただけだ。

この次は機動機甲で真の決着をつけようぞ!

では、じいよ。ズラかるぞ」

「はは。ルカ坊ちゃま! ではでは、ごきげんよう~」


嵐のように過ぎ去り、飛鳥と神代大文字はその場で立ち尽くした。


「まぁ、ともかく飛鳥ハン見事でしたよ。

しかし、新たなるライバル出現どすな。

マリアハンもそうとうの使い手らしいけど、あのルカ坊ちゃんもやる」

「正直、僕は天狗になってました。マリアさんや先生と出会って

もう地球にあんな猛者がいると思っていませんでした。

今後もルカさんとは、切磋琢磨していきますよ。先生!」


飛鳥の心情を聞き、優しく微笑む神代大文字。


「ほな、出航まで飛鳥ハン。自分と稽古や!」

「ゲゲ。まぁ、鉄は熱いうちに叩けって言いますしね。

それなら、とことん殺り合いましょう!!」


息つく間もなく、ビッグカードが実現された。

飛鳥VS神代大文字の真剣による稽古。


天才剣士と常識外れの達人。


張りつめた空気が道場中に一気に伝わり、飛鳥と神代大文字は衝突した。

鉄と鉄が凄まじく、ぶつかり合い火花を散らした。


互いに急所は外しながらも致命的なダメージは与えないが

確実に服や肉を斬り裂き、互いに流血している。


それでも、飛鳥はさらなる高みを目指して達人に喰いかかった。


「あれだけの死闘を演じてもこの覇気と勢いとは……。

飛鳥ハン。本物になりつつ、ありますな~」

「僕もウカウカしてられません。この先――宇宙では、

マリアさん以上の実力者が、出てくるかも知れません。

僕は大切な人や紅蓮丸に乗って戦うからには、強くなりたいッ!」


その純粋の想いを胸に飛鳥は、さらなる進化を求めていた。

時間の概念を忘れ去り、二人が打ち合い続けるなか、命の声が艦内に響いた。


『これより、本艦は宇宙へと出航いたします。剣持飛鳥少尉、

また、《紅蓮の飛鳥》は直ちに第一艦橋へと急行してください!

繰り返します……』


「やばば! 先生、僕は第一艦橋に行きますね。

ご指導ありがとうございました!」


汗だくな飛鳥は、さらに額に汗を流しつつ丁寧に

神代大文字に一礼して、第一艦橋へと瞬歩した。


「はよ、いきなはれ飛鳥ハン。こちらこそ、おおきに~」

飛鳥を見送って神代大文字は、余韻に浸り想いふけっている。


「こりゃ、神代大文字の名も安泰かも知れまへん。

飛鳥ハンには、将来流派を……。自分は……戦いのなかで、

自分を見失ったかな……」


歴戦の戦士なら、誰もが一度は口にしたい『哀愁』漂う呟き。

はたから見ては、悲しみと哀に満ちた表情だった。


しかし、別の角度からは飛鳥の成長と自身への道を決めて

凛として慈愛に満ちた女性の顔にも見えた。


こうして、超次元バトルは終了した。


「す、すみません……!」


全力疾走で飛鳥は、第一艦橋に飛び込んできた。

すでに風間司令をはじめ父、剣持博士や蘭大尉たちは準備できていた。


もちろん、翼や命の姿もあった。


「天才剣士も遅刻するのだな、ハハ。それにしても、飛鳥君は

戦闘服がボロボロに汗だくで……。大丈夫かね?」

「チョッチ、夢中になり過ぎてしまいました。それは、後ほど説明します!」


その姿を見かねて、蘭大尉は飛鳥に新調の制服を渡した。


「飛鳥少尉。これを着なさい! 機甲部隊の隊長としてこの制服と

紋章を付けて。それに若干、死に設定の腕輪も忘れずにね☆」

「はい。ありがとうございます、蘭大尉。

これが、おニューの制服ですね。俗にいう、

戦闘班、班長の証の紋章に懐かしい腕輪ですね!」


本来なら、ちゃんと制服を着飾りたい飛鳥だったが時間がないので

制服の上だけを羽織、腕輪を装備した。


「では、諸君。いよいよ、宇宙に旅立とうか! その音頭は、

飛鳥君に任せるよ。これは、私からの粋な計らいだよ!」


飛鳥は、目を煌めかせ風間司令に敬礼して、緊張気味だが艦内すべての

乗組員に伝える思いで告げた。


「機動戦艦ノア! 出航ッ!!」


飛鳥の掛け声とともにうねり声を上げ、ノアは機動して宙に舞いあがった。

それからは、ノアの心臓部である『コスモブラックホールエンジン』を

一気に稼働させ、ノアは瞬く間に地球の大気圏を突破した。


NETEROの人々は、ほぼ初の宇宙体験。

飛鳥とごく一部の人を除いては、人類史上大規模な宇宙進出。


それどころか、いまから未知と神秘の宇宙の彼方へと突き進む。


「諸君。どうやら、宇宙に出られたみたいだ。感動する間もなく我々は、

銀河帝国メルディアスと、地球を結ぶ一直線上の中間地点で黄金騎士連合を

阻止しなくてはいけない。では、これよりワープに移行する!」


風間司令の指示を聞き、機関室の林技術長や第一艦橋の

メインオペレーター命は、一斉に自分の仕事に手を付けた

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