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銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第二章:『宇宙の彼方へ☆』篇
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天才対天才!

飛鳥に命、翼。蘭大尉やNETEROのみんなの姿があった。

誰一人と逃げださず、凛々しい表情で地上にいた。


そこはかつての激戦地、マリアとの戦いにより芝生などは燃え尽き、

飛鳥たちが踏んでいるのは、コンクリートになっていた。


それに見慣れない顔も多く見られた。


彼らは風間司令や剣持博士に選ばれた勇士たち。

彼らもそれぞれ、決意とゆるがない思いでこの地にいる。


そして、緊急アラートが鳴り響き地下から機動戦艦ノアが出現した。


「いまから、ノアで旅立ちます! みなさん、準備はいいですね?」

「発艦時間は、二時間後を予定しております。

各々準備ができ次第、ノアに搭乗して行ってくださいっ!」


ノアの第一艦橋から、風間司令と剣持博士の声が響いていた。

この場に集まった勇士たちは、我先と続々とノアへと乗り込みを始めた。


しかし、愛する者やかけがえのない友人たちと、別れを惜しむ場面も見られた。

そんな雰囲気でも飛鳥たちは、一目散にノアに搭乗した。


「こ、これが……僕らの船なのか!!」


飛鳥たちの目には、意外な光景が映し出されている。


NETEROで見慣れた、セントラル・アースやセントラル・マーズが

原型を保ったままノアに設備されていた。


「君たちには、言っていなかったね。NETEROの施設などは全て

ノアをモチーフにして、作り上げたんだ。だから、いままでとおり

遜色なく、運営ができるよ」


名前や形は少し違うがほぼ、NETEROとノアの艦内設備は同じ作りだった。

それも来るべき日に備えての配慮だった。


飛鳥たちは、風間司令に案内され、一通り艦内を巡回して第一艦橋に戻った。


「とりあえず、みんなありがとう。NETEROの諸君は全員いるね」

第一艦橋に集結した、戦士たちをいま一度、風間司令は見回した。


「改めて風間であり、機動戦艦ノアの艦長、風間です。

そして、剣持博士は兼任でノアの副長をされることになった」

「色々と面倒かもしれんが、一応役職は博士と副長を

兼任することになりました。それに連れて、

君たちも多少なりとも、役職が変更されます」


超大型モニターに名前と役職が映し出された。


《戦略・戦術補佐官。戦闘隊長代理・水城翼》

《紅蓮の飛鳥こと、剣持飛鳥少尉。戦闘部隊隊長》


以上が役職の変更。


蘭大尉や林技術長に変更はなかった。

大きく変わったのが、翼の戦闘の参入だった。


翼の意向と鍛練により、機動機甲兵器に乗れるまで成長して

飛鳥とともに戦場を駆け抜けるために、戦闘隊長代理を渇望した。


さらに部隊になる機動機甲隊の隊長に、飛鳥が任命された。


「紅蓮の飛鳥のコードネームが、ついに隊長職まで……。

『私の出世が、部下の生活の安泰に繋がる』こりゃ、気がぬけない!」


飛鳥はまたしても、人の上に立つことを約束付けされた。

しかもこれからは、隊員たちの命を預かる重要で重い責任。


冗談交じりに翼と戯れているが、密かに飛鳥は重く受け止めて

今後の戦闘に対して、気持ちを入れていた。


「と、まぁ、こんな感じなのでよろしく頼んだよ! それじゃ、

最終確認が終わるまで、各自、退散っ!」


ノアの旅立つ準備が整うまで、飛鳥は一人で真っ先に

道場へと駆け込んだ。


「はぁはぁ……。やっぱり、剣士として、ここを見とかないと」


飛鳥が軽く息を切らしながら、道場に到着すると。

NETEROでは、見慣れない人影が飛鳥の目に映りこんでいる


「……!?」

「ん? 君は誰なんだ?」


およそ、フェイシングのカッコをした人物が飛鳥と同じ

疑問符を抱き、飛鳥に尋ねてきた。


「ぼ、僕はこの道場を見学にやってきました。あなたは?」

「私は見てわかるように、フェイシングの打ち込みをやっていた。

それにしても、質問を質問で返すとは……。

さぞ、キラーな人もお怒りだろう!」


なにやら、飛鳥が反応してしまいそうな一文が出ている。

だが、その前にこの二人の雰囲気があまりよくなかった。


「す、すみません。僕も剣道をしていまして。

僕も打ち込みをしたくて、ここにやってきました」

「ほう。君は、ジャパニーズ剣道をやっているのか。

なかなか、物好きだな。あんな古典的で古臭い剣術など。

私の剣術にかかれば……」


洋風かぶれでフェイシングの装備をした人物は、

日本の武術を小馬鹿にして、間接的に飛鳥を侮辱してきた。


しかし、飛鳥はそう簡単には、相手の挑発に乗らなかった。


「確かに剣道は、古臭く世界的にも競技として肩身が狭いです。

しかし、僕の尊敬する人は、日本の剣道と刀こそが剣の道では最強だと

教えてくれました。だから……」

「いまの時代では、受けないよ。それに、最強なんて自己満だろ?

それを唱えた人物はさぞ、自信家で口が達者のはず。

こっちの世界は、世界規模で一瞬のやり合い。

そう私と君がやり合えば、一瞬だろう」


……ゴゴッ! 飛鳥は、限界に達していた。


自分のことなら、引き下がれる。

だが、初対面の人に尊敬する、人の思想を侮辱されたことに

飛鳥の怒りゲージは限界だった。


「そこまでおっしゃるなら。僕と手合せ願えますかね?」

「さっきまでとは、別人だね。本気の殺気を放ってる!

いいよ。私もそのつもりで、君を挑発したからね」


そう言うとフェイシングの人物はヘルメットをとり

飛鳥に素顔を晒した。


「私の名は、フェルナンド・ルカ。ヨーロッパで、最強の剣士だ。

ルールは、異種格闘技じみているが先に敵の頭部を打ち抜いた方が

勝利でいいな?」

「僕は剣持飛鳥です。高校生の全日本で最強の剣士です。

はい。互いにそれが決めてなので大丈夫です」


ようやく、お互いに身分を名乗ったところで

飛鳥に負けず劣らずの美少年、ルカの様子がふと変わった。


「剣持飛鳥……アスカ……。き、君があの『紅蓮の飛鳥』か!

これは、神が与えた機会か。

これで、ますます君に負けられなくなった」

「僕を知っているのですか?! あなたみたいに綺麗な方に……。

僕に何か因縁があるのですか?」


飛鳥のコードネーム、『紅蓮の飛鳥』。

いまでは、少し世間で周知されているが、


まさか、世界規模で自分の名が轟いていると飛鳥は驚きだった。


「赤毛の美少年。紅蓮の機械メカに乗る、地球の救世主。

君には色々と噂が回ってるよ。まぁ、私とやりあえばその化けの皮も

剥がれるだろうがね」

「僕は、守りたいモノを守っただけです。じゃあ新たな、都市伝説の誕生ですね。

きっと、退屈はしませんよ! 僕も久しぶりに燃えてますッ」


不敵に笑みを浮かべて、二人はフェイシング用のヘルメットを被り

臨戦態勢に入った。


飛鳥は竹刀を握り、ルカは強度が強化されたフェイシングを構えた。

しかし、開始五分が経過しても二人は微動だにしい。


覇気と殺気がなくなり、微かに呼吸音だけが聞こえている。

それもそのはずだった。


二人とも互いの力量をその肌で感じていた。


ルカからしてみれば、『二刀流』の飛鳥でなくても

その実力は、計り知れず冷静に徹した。


「ふっ。さすがにあのマリアを倒したことがある……」


飛鳥からしてみれば、慣れない剣士との立会い。

言動に似合った実力を察するのに、時間は皆無だった。


「? ま、マリアさんを知ってるのですか……」


ルカの口から、マリアと言う単語が出てきて動揺が隠せない飛鳥。

ルカは飛鳥の緊張の糸が切れた、その一瞬のスキを見逃さなかった。


「残念だったな、紅蓮の飛鳥。私に勝ったら教えてあげよう!

だが、もう手遅れだがね――!」

「男に二言はないですからねッ! えぇえい――!」


ルカから容赦なく鋭い突きによる、突進が飛鳥を襲った。


それに対して、飛鳥も一瞬出遅れたことをモノともしない

勢いと力で渾身の一撃を放ち、二人はようやく触れ合った。


『でぇいや――!!』


ルカの一撃は、飛鳥の竹刀を確実に貫通させ飛鳥のヘルメッルトの

眼下直前まで迫る威力だった。


飛鳥の渾身の一撃も一閃放たれ竹刀を貫通されても、

その勢いを維持したまま、ルカの面をとらえる寸前までいき、

二人は完全に停止した。


「……このままでは、相打ちかな……」

「そう……みたいですね」


そう呟き、二人は同時に体制を整えた。


しかし、飛鳥やルカから殺気が消えず、むしろ増していった。


このときルカは、超えてはいけない“衝動”にかられた。

いつもは冷静な飛鳥も同調され、二人は次の瞬間口ずさんだ――。


『はぁはぁ。決着を……着けたい……』


これは、心の底から出た剣士としての叫び声だった。


「じい。持ってまえれ!」

ルカは、両手を叩きじいと詠唱した。


「ルカお坊ちゃま。お待たせしました!」


表現するなら、召使。

貴族や金持ちキャラでは、鉄板のキャラクター。


ルカは慣れた手つきで召喚させ、銀色に煌めく

銀色のレイピアを右手に構えた。


「ありがとう、じい。さて、『紅蓮の飛鳥』。

君はどうするかい?」


あいにく飛鳥は、戦闘用の装備を持ち合わせていなかった。

飛鳥は呆然と立ち空く。


――と、そのときだった。


凄まじい悪寒と鬼神のような覇気が飛鳥を襲った――。


「飛鳥ハン。先ほどの死合いを見させてもらいました。

これからの戦いは、この【神代大文字】が立会人を務めさせて

もらいます。ですから、これをっ!」


まさに神出鬼没の表現が最適な言葉。

姿を見せた道着姿の関西弁か京都弁口調の女性。


その正体こそ、真剣での飛鳥の師匠……。

現代に生きる最後の侍、神代大文字。


本名は、『双葉景子』神代大文字流の十一代目。

かつて、初代はあの【宮本武蔵】と引き分けたという伝説の

剣技を持つ流派の継承者。


彼女自身も、日本刀で鉄を切り裂いた。

落雷を斬ったなどなど……。


現実離れした《伝説》を持っている。

五右○門やコピー忍者、カ○シさんもビックリな設定である。


とにかく、NETEROは、密かに飛鳥の師匠である彼女を

招待していた。


「あれほど、刀を常備しておけと言っておいたのに~。

まったく、手のかかる子ですね!」


飛鳥は神代大文字から、紅蓮刀を授かり、二本抜刀した。

両者ともに真剣を装備した状態になった。


「ゴっグ。いいですね……」

「ああ、もちろん。真剣ならば、さっきみたいに不完全で終わらない。

それに私と君なら、止めを刺さずに寸止めで終える実力はあるさ!」


両者は数少ない打ち合いで、互いを認め合いつつも

真剣による、決着を望んだ。


飛鳥とルカは互いに程よい距離に立ち、己の型に構えた。


「この死合い、二人とも、思う存分殺り合っておくんなさい!」


その台詞と同時にルカは、先ほどの勢いを超越した突進で

飛鳥に襲いかかった。


二刀流を交互に構えて、飛鳥はルカの突進を受けた。


「流石だよ。『紅蓮の飛鳥』。私の一撃でもひるまず耐え抜き

いまにも、食って掛かってきそうな意思を剣先から伝わってくるよ」

「本来なら、切り払って僕の必殺の【十二連撃】で終わりなのが

定石でした。やはり、あなたはただ者じゃない」


真剣にもかかわらず二人は、激しく火花を散らして斬り合った。

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