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銀河機動戦記~紅蓮の飛鳥~  作者: 恥骨又造
第一章:『地球激闘』篇
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黄金の光

「ら、蘭大尉。なんですか、これは?!」


飛鳥の言葉を聞く耳持たず、車の扉が上方向に空き飛鳥は乗せられ、

猛スピードで爆音とともに車は走り出した――。


「ごめん、ごめん? ことは急をようするから。

まぁ。飛鳥君と同じで、NETEROも表向きは

ダミーの会社やってのよ」


そう、嬉しそうに蘭大尉は話していた。

ただ、飛鳥はあまり聞きとれなかった。


法定速度を軽く……超違反している速度にアドネナリンが出ているためだ。

こ、これこそ! 死に際の……『集中力』。


「ら、蘭大尉! 早すぎます! これじゃ、事故に……ヒィィイ!!」


楽天的で驚異的な運転技術で蘭大尉は片手運転でシュン・シュン車を避け、

ワールドクラスの記録で日本歴史博物館に到着した。


帰り道と真逆で、地下の駐車場から、NETEROに二人は入り込んだ。

蘭大尉は飛鳥を手で先導して、セントラル・アースに連れ込んだ。


飛鳥はセントラル・アースに入るやいや、父たちがスタンバイしていた。

風間司令も上から降り、もう司令の椅子に座っていた。


「飛鳥君。休暇そうそう、悪いね。

だが、そう言っていられない。彼らが動き出した……」


飛鳥は父と目線があった。父さんも無言で頷き、

巨大なモニターに手を伸ばして、息子に目線をやった。


その映像には、こないだの『銀河帝国メルディアス』の

鉄くずの騎士のカッコをした、ロボットが三機映り込んでいた。


「彼らは私らの尻尾を掴もうと、数時間前から血眼になって

数か所で暴れ回っている。すでに地球防衛軍は、交戦に入っており

苦戦を強いられている。

そして、彼らは貿易場所の港で世界各国の物資を破壊している。

軍も密集地帯で人為的な避難をするので手一杯だ。

そこで、正式に『紅蓮丸』に出撃命令が下った。

剣持飛鳥少尉……『紅蓮の飛鳥』現場に急行してくれ!」


この町……日本はいま侵略されいる。

分割された、モニターの映像では軍隊の人たちが

必死に懸命に抗い、守っていた。


飛鳥の心はすでに決まっていた。


「はい、いますぐ紅蓮丸で出撃します! 蘭大尉。

戦略とサポートをお願いします」


NETEROの人たちや、彼を信じて待つ人たちのためにも、

セントラル・マーズに向かい、飛鳥は紅蓮丸が収納されている格納庫を目指した。


炎のよう燃え、日本刀のようにしなやかなフォルムに神々しさを兼ね備えた、

紅蓮丸の姿がライトアップされている。


「待ってました! 『紅蓮の飛鳥』出撃だね。

早く、コックピットに乗って準備してください!」


よくある、乱雑なエレベーターに乗り込み、鉄でできた道をゴンゴンと轟かせ

紅蓮丸のハッチに手をかざして開けた。


丁寧に畳まれた、パイロットスーツに着替え飛鳥は準備を済ませて

蘭大尉たちがいる、セントラル・アースに通信を入れた。


「では、風間司令よろしいですね?」


蘭大尉は風間司令に最終確認をおこない全てが整ったようだ。


「では、剣持少尉。湾岸の貿易母港に向かい敵機を撃破して

ください! いまより紅蓮丸のコントロールを飛鳥君に委ねます」


エンゲージリンクシステムが起動され、いままさに飛鳥と紅蓮丸が繋がった。

ドキドキして、はじめて剣道の道場にきたような緊張感。


でも、プレッシャーはなかった。

飛鳥はレバーに手をかざして念じた。


「剣持飛鳥……紅蓮丸、発進します!」


雷に打たれたかのような衝撃が走り、飛鳥は次の瞬間――。


『紅蓮丸』で空中を飛翔していた。

どうにか、地面に着地を成功して、飛鳥は目的地を示している座標をモニターで見た。


幸いこの夕方にもかかわらず、日本博物館の周辺には人気がなかった。

でも、どうやって移動するんだ? 都内と言え距離もなかなかだ。


「飛鳥君。どうやら、安全に地上に出たようね。

では、高速道路に乗って、いってちょうだいな! もう、この際隠さずに紅蓮丸、自身でいくしかない」


確かにそうするしかない。

現実の世界観で出てくる、ロボアニメでは一般的だ。


飛鳥は納得して、紅蓮丸で走るイメージをして、あるレバーに手をかざした。

初陣の頃よりも林にカスタマイズされ、機体は軽く思え、移動速度や

超新星機関ビックバンエンジンにより、機体出力は上がっていた。


しかし、これでは遅い……。


「剣持少尉。いや、『紅蓮の飛鳥』。紅蓮丸の足の横に取り付けられた

ホイールで移動するんだ。それなら、

ビックバンエンジンを十分に発揮して高速移動が可能だ」


林の忠告を聞き、飛鳥は言われたとおりに操作した。 


――すると、機体が少し浮き上がった。


飛鳥は俊足で駆け抜ける『赤い彗星』を思い浮かべ、

紅蓮丸に脳波で指令を出し、紅蓮丸は動き出した。


徐々に加速していき、みるみる景色は残像になっていく。


「早いや、林さん。こんなのいつの間に?」


声だけで、表情は見えないが林さんはさぞ、自慢気な表情だろう。


「林は自慢なんてしないで、黙って紅蓮の飛鳥をサポートできるように。

それじゃ、少し迂回して、次の道を左折して高速にGOよ!」


飛鳥は紅蓮丸で高速に入り、乗用車を避けて、スピードをさらに加速させて車たちを置きざりにした。

さぞ、運転手さんたちは絶句していただろう。


ときたま、携帯のカメラ機能で紅蓮丸を撮っている人もいた。

もはや、秘密など関係なかった。


とりあえず、パイロットである飛鳥の身元がバレなければ大丈夫らしい。

爽快感を覚えつつも、復帰後にしてはハードな試練だと飛鳥は少し思っていた。


途中何度か接触しそうになるが、紅蓮丸を自分の手足のように操り

ジャンプや一回転し回避して、いつの間にか現場に繋がるゲートを出ていた。


「いた! 三機。いまさらだけど、一対三か。こりゃ、油断できない……」

額に流れている、汗を手の甲で拭いとり、飛鳥は『彼ら』の前に出た。


「イヒヒ、出たな。『例の奴』。よかったな、お前に汚された汚名を返上できる」


真ん中の機体からは耳障りで甲高い声が発せられていた。

飛鳥の初陣を勝利で飾った、あのときのパイロットがいるようだ。


あのとき、敵のパイロットは機体を捨て行方をくらましていた。

紅蓮丸との再戦ため復活した。


「破壊行為をやめるんだ! さもなくば、僕が相手だ」

正義の味方が言うテンプレートを飛鳥は口にしていた。


それでも必死に忠告をして、なるべく穏便に済ませようと努力してみた。


「はい。そうですかとやめるか! それに俺はもうあとがないんだ。

団長に……。だからよ!」


飛鳥の受け入れを聞き入れず、虚しく戦いはまたはじまった。

すかさず彼はコックピットに標示された、箇所を押して

紅蓮丸の腰に下げていた、刀を抜刀した。


「敵さんとの交渉は失敗。それじゃ、林。紅蓮の飛鳥に、

メイン武器である、刀の説明をしてあげて!」


赤く燃えて、煌びやかに光る紅蓮の刀。

蒼く月夜の光を彷彿させる、小太刀。


現実どうように『二刀流』を構えた。


「は、林さん。この二本の刀が紅蓮丸の武器ですね?

な、なにか、注意点などありますか?」


見たところ、日本刀のようなつくりで変わった『仕掛け』が

ないと飛鳥は思っている。


「ははん! 紅蓮丸が右手に構えているのが、燃えさかる『太陽刀たいようとう』さ。

紅蓮丸と飛鳥君……。いや、紅蓮の飛鳥にピッタリな攻めの要。

いずれは、全てを断ち切る、刀にする予定です。

そして、左手の小太刀、クールで防御の小太刀、『月詠刀つくよみとう

『紅蓮の飛鳥』の剣道パターンを考慮した、一級品。

いずれは、水や氷を出す予定」


飛鳥の予想を遥かに超える、壮大な武器だった。

ただ、いまのところは攻撃するだけの合金の刀ようだ。


「ありがとうございます、林さん。いつか、『炎の矢』や

オーロラ・エ○スキューションを紅蓮丸でやりたいです!」


飛鳥は戦闘に集中するため、セントラル・アースにいる、蘭大尉らと通信を切り、

目の前の状況を整理して、一機目が槍を構えて突進してきたのを

華麗に交わして、右手の太陽刀をお見舞いした。


これを機に飛鳥が乗る紅蓮丸は、駆け抜けた。

続けて上空から重力を利用して、槍で攻撃してきている二機目は


紅蓮丸のホイールを急速発進させ、二刀流を地面に突き刺せ

強引にドリフト走行で紅蓮丸の残光が残る、空虚を貫いていた。


――刹那、息を飲む間も与えない、紅蓮丸から十二連撃の一閃が放たれ、

瞬く間に敵機、二機は沈黙した。


しかし、その直後。


紅蓮丸の硬直した時間を狙い、敵が苦し紛れに投擲した、

槍がアラート音を突き抜けて、紅蓮丸めがけて飛んできていた。


だが、飛鳥は瞬時に月詠刀で突き落とした。


約一分間の攻防で敵の三機中は、二機が大破。

残りの一機はマル裸になっていた。


「く、くそ。あのガキ、成長してやがる。

しかし、もう失敗できねえ……。こうなりゃ、特攻よ」


飛鳥に敗北した騎士は諦めるわけでもなく、

不気味で息苦しい雰囲気が漂っていた。


「一気にやるしかない。いくよ、紅蓮丸!」


決着を付けるべく、再度二刀流を構え直して、

目にも留まらぬ連撃イメージして、紅蓮丸に脳波を送った。


最後の十二連撃目の頭部への突きで敵は『機能』を停止したかに思えた。


ただ、飛鳥と紅蓮丸は戦争という、不条理。

敵の本当の『怖さ』を知る。


「勝った気でいるな。坊や、悪いが道ずれだ」


そう言うと、紅蓮丸はガッチリと敵の両腕でホールドされた。

敵機のコックピット部から、異様なまでに機体温度が膨れ上がっている。

な、なにをこの勝敗が決したいま……。


――そのときだった。


「『銀河帝国メルディアスに栄光あれ!』」


敵の機体が無情にも爆発した。

そう、自爆したのだ。


「くっ……! そ、そんな」


飛鳥はどうにか、間一髪、敵機の両腕を切断して切り抜け

爆風波よる、紅蓮丸への損傷は奇跡的にも軽度で済んだ。


でも、あの人……パイロットの……人の命は消し飛んだ。


はなっから、飛鳥との戦いの結末を決めていたような最後だった。

ただ、飛鳥ははじめて戦争という、現実を見せられた。


「……ぐれん……飛鳥君。目標は沈黙したわ。

この場もう、大丈夫よ。だから、速やかに帰投してください」


ノイズのなか蘭大尉の声を聞き、飛鳥はどうにか我に帰れた。

紅蓮丸を動かし、後ろを振りかえ帰還する矢先――。


黄金の流れ星のような光が飛鳥の真上を通過した。

一瞬のことすぎて、飛鳥は幻影を見たと錯覚している。


「これがアイツらの言っていた、この星での『まがい物』か!

しかし、報告と違い真っ赤だな。血の色で不吉だ!」


黄金の閃光の正体と思わしき、太陽に照らされ、煌びやかに

光芒を放つ、ロボットが飛鳥の目の前に現れた。


全貌はまったく掴めず、頭部以外は、灰色のマントで覆われていた。


「蘭大尉。未確認の敵機が現れました。多分ですが、『あれ』は、

隊長機です。見るからにこれまでの敵と段違いなオーラで禍々しいです」


飛鳥の感がそう、告げていた。

正直、相手の『力量』が掴めない。

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