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建築戦隊〇〇レンジャー  作者: たかげるげVSたこやま
いざ、最終決戦へ
92/114

92軒目 最終決戦なのに主役不在の件

 庄司ビル三階コンビニにて、庄司寛子はコンビニの制服を着て商品を並べていた。下の棚の商品を並べる為にかがんでいた。立ち上がろうとしたその時、

「うっ腰が!……」

寛子の腰がぴきっとした。

「大丈夫ですか」

コンビニのオーナー(30代の男性)が駆け寄った。

「ああ、大丈夫じゃ。いつものことじゃ」

「なら、いいですが、そうだ、寛子さん。ちょっと裏で発注をやりましょう。それなら座ったままでできるから」

店をバイト学生に任せて、オーナと寛子はバックヤードのパソコンに向かった。

「ここの数字、おかしくないかのう」

パソコンの発注画面を見ながら、寛子が言った。

「あ、本当ですね。合計が間違っている。式が壊れたのかな」

オーナーは電卓で合計してみた。パソコンで出る計算式と違う事を確認して、パソコンを修正した。

 「そういえば、甥っ子さん見つかったんですか?」

発注作業を寛子に教えながら、オーナーが寛子に尋ねた。

「ああ、大成か。警察にも届けたんじゃが、さっぱりじゃ」

「そうでしたか」

寛子の携帯が鳴った。オーナーに断りを入れて取ると、丹羽ロンからだった。

「今度は、一斗、リーダーも消えたじゃと。大成と同じような手紙が入っていたと!夜、ああ大丈夫じゃ。」

寛子はロンと夜会う事にした。寛子の自宅であるここ庄司ビル1階にて。


 その頃、レーアントシティのレイナの自宅にて。レイナと息子の秀(1歳)。真由(子供たちは園や学校で不在)と華子と娘のえりか(2歳)が話していた。秀とえりかはその周りで遊んでいる。

 真由は自作のワンピースを、レイナと華子に見せた。子ども用のワンピース、エリカくらいの小さな子どもにちょうどいい大きさ。

「どうですか?今度はうまくいきましたよ」

「すごーい。前はえりかが転んだだけで縫い目がほどけたけれど、これなら大丈夫そうね」

華子が真由の作ったワンピースを触って言った。

「これなら、売ってもよさそう」

とレイナ。

「これ、かーい」

えりかが大人の会話に割ってきた。真由の作ったワンピースが気に入ったようだ。

「それにしてもこの布、不思議な模様ね。どこで手に入ったの?」

と華子。

「あ、それは、ワタシの実家から送ってもらいました」

とレイナ。

「レイナちゃん、実家はどこなの? 」

と華子。

「外国です。英語圏の。秘密でなくて、単に作者が考えてないからなんですけれどね」

とレイナ。

「そうね、この布の模様すら明かしてないから、いい加減な作者よね」

と華子。

「ま、いいわ。建築戦隊で街フォームが使えるように、私はまともなワンピースを作れるように頑張るわ」

と真由。


「ところで、太成さんや一斗さん、どうなりました?」

とレイナ。

「全然、警察も大人の行方不明にはあまり熱心ではないのよね。私もうかつだったわ。いくら影の薄い息子とはいえ、二日間も不在に気が付かないとは。一斗は無断欠勤なんかしないわ。何か事件に巻き込まれているんだわ」

華子はため息をついた。

「やっぱり、口車塾が怪しいですよね。あんな手紙もあるんだから。皆で、口車塾に行きませんか? ○○レンジャー皆で行けば、口車塾にも勝てるかも知れませんよ」

とレイナ。

「実はね、今夜、主人と寛子さんと古民家さんが集まって、口車塾に行こうか話すのよ。でも二人はお子さんいるし……」

「何を遠慮しているんですか? 仲間の、建築戦隊の緊急事態ですよ。ワタシも行きます。今日は主人早く帰ってくるから大丈夫です」

とレイナ。

「私も。明日は土曜日で学校休みだから遅くなっても大丈夫です。夫が帰ってきたら、すぐ行きます。」

と真由。

「大丈夫なの?夜遅くなって、帰ってこれないかも知れないわよ」

華子は心配そうだ。

「大丈夫、そうと決まったら」

と真由。

「決まったら?」

レイナと華子は首をかしげる。

「今から夕飯作っておきましょうか。主人にはなるべく早く帰るように、メールしておきます」

レイナと華子は納得して、今日は解散となった。


 レイナが玄関まで、真由と華子、えりかを送る。その時にふと左隣の部屋を見た。隣はこれまでずっと空室だった。でも今は、「口車」という表札がかけられている。右隣も口車、あいさつ程度の付き合いしかなかったけれど、右隣は違う名前の家だった。いつの間にか、口車に変わっていた。


 華子とえりかはバスに乗って、庭付き一戸建てまで帰った。レーアントシティは高層マンション群だが、その周りには、山ばかり。高層マンションとのギャップが激しい場所。華子はバスの窓から景色を見ていた。何もなかったはずの山に、「口車建設」という看板が数か所建てられている。

「え?!」

華子は思わず声を上げた。ふわりふわりとゆっくり二階建ての一戸建てが、空を飛んでいた。二階建ての庭付き一戸建て。

「これは、うち。って事は一斗?」

華子は写メを撮った。一度シャッターを押せただけで、家を見失ってしまった。そしてその写メを、ロン、レイナ、真由に送った。



 その夜、庄司ビルにて。寛子、古民家、レイナ、真由が集まっていた。普段寛子が一人で暮らしている場所なので、これだけ集まると少し狭く感じる。そんな中、ロンが揚げ物の匂いをさせながらやってきた。

「はい、これ、苦明寺商店街名物、チキンカツ」

ロンはそう言って、皆にチキンカツを配った。

「これって雑誌に載っていた、あのチキンカツですか」

と真由。

「そうそう、今夜の為に、限定品だけど、特別に揚げてくれたんです」

「これで勝ちますね。カツだけに」

と真由。

「そうそう、庭付き一戸建てが飛んでいる写真見ましたか?」

とレイナ

「ああ、あれ、うちだな。一斗はどうなってしまったんだろう」

とロン。




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