表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
建築戦隊〇〇レンジャー  作者: たかげるげVSたこやま
建築戦隊登場その3
9/114

9軒目 古民家博物館プライスレスジャー ーつながる☆初対戦ー

自分の過去作品のキャラをたくさん出しました。バトルシーンこれからたくさん書きます。

しとしと降り続く雨、梅雨の時期がやってきました。まだ夕方なのに、曇っていてあたりは暗いです。

 自分は古屋民生ふるやたみお26歳。神奈川県横浜市○○区の富川駅前にて、古民家博物館を営んでおります。古屋ではなく、古民家と呼ばれることが多くあります。

 本日博物館は休館日です。久しぶりに大学時代の後輩と飲みに行くことになりまして、今電車に乗っております。向かう先は東京の町田。よく神奈川県と言われる町田ですが、東京です。

 JR町田駅に着いて、自分は時間を確認しました。待ち合わせの時間まで時間があるので図書館にでも行ってみようと思います。富川とは違い、人が多くて歩くのが大変です。ビラを配る人や路上で演奏する人達もいます。

「お願いしまーす。口車塾です。」

自分の前に広告付きティッシュを差し出してきたのは・・・

ハンカチ??! ずいぶん小さいな、自分の膝くらいの背丈。中に人が入っているとは思えません。ストライプのハンカチに目と鼻が付いていて、手足が生えていました。なんでしょうこの生物は。まあ、建築戦隊の敵はドアとか滑り台とか聞いていますので、ハンカチがティッシュ配りしているのもあり得ない話ではないでしょう。自分はティッシュを受取り、足早にハンカチの前を去りました。

 自分は最近○○区にて建築戦隊という集団に入りました。○○区にはびこる悪者を、自分の家に変身して倒すボランティア活動。先月区役所で行われた説明会に参加してから、建築戦隊のリーダであり、庭付き一戸建て3000万ジャーに変身する丹羽一斗さんの研修を受けました。研修を終えたばかりで、まだ実際に戦ったことはありません。実は自分の亡き母も建築戦隊だったそうです。母が結婚して○○区に来たときは引退していましたので、自分は直接は知らないのですが、親せきなどからよく話は聞いていました。その話を聞いて前から建築戦隊をやってみたいと思っていました。

 駅の連絡通路を通って路上に出ると、予備校がたくさん見えました。どうやら図書館とは反対方向に歩いたようです。

人々が走って駅に向かってきます。何かにおびえて逃げている様子です。

「また、ビルが暴れている、逃げろ―。」

「でも、いけめん☆魔法少年が来てくれたから安心だね。」

と人々が言っています。

3階建てビルと青年が戦っていました。青年はカッターシャツに黒いズボン、茶髪の逆毛、身長は2メートル近く、いけめん魔法少年と呼ばれていたが、青年という方が近い。しかし青年と3階建てでは、3階建ての方が大きい。3階建てビルは本を沢山投げて、青年の視界をふさぐ、青年は攻撃がうまくねらえないようだ・・・ってその青年って・・・。

池田くんじゃないか・・・。

 今ビルと戦っている青年は、自分がこれから会う予定の大学の後輩、池田面いけだめん。正義の味方、いけめん☆魔法少年。自分はとっさにカバンから家の鍵を取出し、手を合わせました。

「建築戦隊 古民家博物館プライスレスジャー 四分の一バージョン」

初めて変身してしまいました。ここは他県だから実際の古民家博物館の四分の一の大きさ。自分は変身した家の中にいるが、ドアやふすまも四分の一になってしまい、かがまないと通れない。 でももともとが大きいから、3階建てビルに大きさでは負けないと思う。変身したけれど、どう攻撃しよう。博物館の機織り機の糸を使って3階建てビルのちらかした本をまとめましょうか。あ、機織り機も四分の一か、小さくてやりにくいです。どうするか。

「ここ紅葉や桜の木もありますね。季節を生かした攻撃をするといいと思います。紅葉降らせたりとか」

ふと一斗さんの言葉を思い出しました。今は6月。梅雨。

「建築戦隊 カビ攻撃!」

古民家博物館では現在、カビ対策に余念がありません。カビをビルに差し出した。ビルはカビにやられたのか消えていきました。建築戦隊では敵がカードを落としていくそうですが、カードは見当たりませんでした。

 建築戦隊は、敵が倒れると自然に元の姿に戻ります。いけめん☆魔法少年は、二メートル近くあった身長が、155センチの自分と同じくらいになりました。スリムな体も横に伸び、逆毛が黒いぺたんこの髪型になり、メガネをかけました。これが普段の池田面。失礼ながら、いけめんとは程遠い。

「古民家先輩!すごい今のが建築戦隊なんですね!!助けてくれてありがとうございます。はあはあ。」

池田くんは戦いに疲れたのか、興奮したのか息が上がっています。

これまで池田くんは、自分の目の前で変身し戦うこともあったが、変身したら危ないから逃げるように言われていたので、あまり戦いを見ることもありませんでした。

 自分と池田くんは、居酒屋へ移動しました。

「かんぱーい」

池田くんは、二度目の大学四年生。絶賛就職活動中。去年は強敵口車塾との戦いが忙しくなり、単位も就職もとりそこねたそう。自分は池田くんに聞いた。

「口車塾ってそんなに強いの?さっきのビルも口車って書いてあったような」

池田くんは説明を始めました。

口車塾は何年も前から現役高校生のための塾だったんだけど、ここ数年幼児から大人までの塾に変化していった。勧誘が強引で、実際よりも安い値段を言ったり、実際にはないサービスを勧めたり、悪徳な商売を繰り広げている。今日は池田くんが、就職セミナーに勧誘され、断ったら襲ってきたそうな。

口車塾と聞いて、自分は思い出し、先程もらったティッシュのチラシを広げました。

「そういえばこれ、駅でハンカチに手足生えた奴が配っていた」

ちらしにはこう書いてありました。

「口車塾 入会随時受付中 小 中 高 大学受験 就職活動 資格取得 婚活 朝活など幼児から大人まですべての活動をお手伝いします!! お気軽にお越しください。」

文章の下に口車塾への地図と電話番号、ハンカチに手足が生えた奴が勉強している写真が載っていた。写真の下には「口車塾マスコットキャラクター ハンカ・チーフ」と書いてありました。

 町田は塾が多いから、勧誘必死だなという感じがしました。

池田くんとは話が盛り上がり楽しい時間を過ごしました。自分が大学四年の時、池田くんは大学一年、大学で一緒だった期間は短いが、何故か今もたまに会います。

池田くんと別れた後、一斗さんに今日の対戦の報告と、カードがなかった旨メールしました。程なく返事が返ってきました。

「古屋さま 初対戦お疲れ様でした。遠い場所だから、小さくなってしまって大変だったと思います。町田には悪い建築戦隊がいるのですね。情報ありがとうございます。カードがないのは、戦った場所が○○区ではないからでないかと思います。後日古民家さんにはスタンプ送ります。 丹羽一斗」

(建築戦隊では敵を倒すとカードがもらえる。そのカードを丹羽家に渡すとスタンプがもらえる。スタンプが10個たまると景品と引き換えられる。)


 まさか口車塾が○○区にもやってくるとは、この時は誰も想像しなかったのであります。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ