84軒目 迷走後にわかる
迷走でしたね。
「話を戻そう。」
苦明寺の住職が言った。
ここは、海のそばの毛明寺。朝には朝市が開かれているが、朝市が終わると、なにもない海岸だ。今ここにいるのは、建築戦隊◯◯レンジャーの、丹羽一斗、逸花大成、万田レイナ、阿南真由、庄司寛子、古屋民生。つまり◯◯レンジャー全員。そして苦明寺住職。
一斗は、苦明寺住職に戦いについて、アドバイスを求めに来ていた。そこを大成が聞きつけて、◯◯レンジャー全員集合をかけたのだった。まさか◯◯レンジャー全員が来てくれるとは、思わずに一斗は驚いていた。
「なんか、オレ、家が連結して電車になっていたような」
大成が言った。
「そう、電車になって、青森に行ったりしたような」
と、レイナ。
「みんな、のはらしょうたろう教授の夢に巻き込まれたようだな。一応建築戦隊が連結して、電車になることもできるが、それはのはら教授がいないと難しくてなあ。現実的ではなかろう。のはら教授はいつもいるわけではないしなあ」
と住職が答えた。
「で、家に得意分野を持つ。商売をしたらいいのではと言うわけか」
大成が言った。
「御意。家の得意分野で戦うのが、真の建築戦隊でなあ。折角◯◯レンジャーがそろったのだから、新作の技をお見せしましょう。あ、仲間が来ました」
住職の後ろに、2人の女が現れた。
「お久しぶりね、◯◯レンジャーさん、苦明寺の向かいのスナックひかりんりんよ」
妙齢の女性がそう言った。
「初めまして、ブティックミカリーナです。ひかりんりんの妹です」
ひかりんりんより少し若そうな女性が言った。
住職、ひかりんりん、ミカリーナは手を合わせた。
「建築戦隊 苦明寺」
住職は苦明寺に変身した。
「建築戦隊 今夜はあなたとともに スナックひかりんりん」
ひかりんりんは、スナックに変身した。
「建築戦隊 秋物処分市開催 ブティックミカリーナ」
ミカリーナは平屋建ての小さなブティックに変身した。そして、3人で声を揃えて
「建築戦隊 苦明寺レンジャー スーパー街フォーム」
そう言った。すると、苦明寺、スナック、ブティックの順に上に重なって建った。一階が寺、二階がスナック、三階がブティックというよくわからない建物になった。一階が寺なので、とても大きいが、スナックもブティックも小さいのでバランスが悪い。
「君たちも変身して」
住職が言ったので、◯◯レンジャーも変身した。
一斗は庭付き一戸建て3000万ジャーに。大成は二階建てアパートジョージコーポに。レイナ、真由は10階建て高層マンションレーアントシティに。寛子は三階建ての庄司ビル。古民家は古民家博物館にそれぞれ変身した。
「街フォーム、聞いたことはあるけれど、実際に見たのは初めてだ」
一斗がつぶやいた。
「なんか、変な建物ね」
と真由。
「オレらも街フォームって、あれ何も変わらないな」
大成が街フォームと言っても、何も変わらない◯◯レンジャーだった。
「街フォーム、何か発動条件があったような」
と一斗。
「お似合いですよと言って、在庫処分する攻撃よ」
ミカリーナは真由に服を買うように勧めてきた。
「お茶どうぞと言って、酒を振る舞う攻撃」
ひかりんりんは、◯◯レンジャーにお茶を配った。お茶と見せかけて、酒が混入している。
「ひかりんりん、ミカリーナ、ここは普通に攻撃するより、街フォームなりの攻撃をしようではないか」
「わかりました」
住職の指示に、ひかりんりんとミカリーナは頷いた。
「苦明寺レンジャー街オフォーム、衣、食、住、生活の波動」
強い波動が◯◯レンジャーを包み、◯◯レンジャーは変身を維持できなくなった。
「これが、街フォーム……」
◯◯レンジャーは強い波動にただ驚くばかりだった。
「そうか、街フォームは、衣食住がそろう建物を組み合わせか」
古民家は気づいた。




