7軒目 第100話 連載100回記念 大成の◯◯区巡り(後編)
第6話の続きです。大成一人称です。
今回戦闘シーンがありません。
またバスに乗って、今度は○○区中心地○○本庫へ。一斗が働いている、区役所などの公共機関が集中している。
○○本庫駅前は、本庫商店街というでかい商店街が健在だ。商店街の入り口に、更地がある。更地の周りにロープが張られていて、中には入れない。(当たり前か)ロープに「売地」と看板があり不動産屋の連絡先も載っていた。
「なあ、一斗ここ前に何があったっけ?」
「ん・・・。3階建てのビルが建っていたけれど、ずっと閉店状態だったな・・。」
「ここ建築戦隊のアジトとかよくない?」
カードを集めてはいるけれど、土地がないので建築戦隊のアジトは作ることができない。「そうかもね。便利な場所だしね」
無料券をもらったラーメン屋「八八屋」は、商店街の中央に位置する。店の外まで10人くらい並んでいるからすぐにわかる。
「すごい、並んでいるな。うまいのか?」
「ああ、食べたことはあるけれど、こってり系かな。僕は好きだけど」
なんてことを話しながら、並ぶこと30分、やっと席に案内された。
無料券出したら店員に、
「建築戦隊、頑張ってくださいね!」
と言われた。よくある変身アニメと違って、建築戦隊の正体は秘密ではない。
「ラーメン、うまかったな。さすが100回記念だ」
八八屋を出てぷらぷら歩いていたら、いつもとは違う青いカッコいいバスを発見。「レーアントシティ行」と書いてある。
「あれ、乗ってみようぜ!」
一斗を強引に引っ張って、バスに乗ってみたら、びっくり・・・。
ここ○○区だろうか、いや日本であろうか・・・。茶色に統一され高層マンション群。おなじみのコンビニも、風景になじんでいる。あちこちに生えているヤシの木。石でできた同じ形のオブジェが、等間隔に並んでいる。こんな場所があったとは・・・。
バスを適当に降りて、歩いてみると
「こんにちは、一斗さん、大成さん。どこへ行くのですか?」
ベビーカーを押しているふわふわした長い髪の女性に話しかけられた。彼女も「建築戦隊 高層鉄骨マンションレーアントシティ1街区1号棟3200万ジャー」に変身する。本名は万田レイナさん、1歳の男の子のママ。
「こんにちは、ちょっと散歩で」
「私はこれからあっちの共用棟の図書館に行くんです。」
レイナさんは、数メートル先の建物を指した。他の建物よりひときわ高くて目立つ。
「図書館か、レーアントシティの人しか入れないのですか?」
オレは、レイナさんの指していた共用棟がカッコいいので、入ってみたくなった。
「住人と一緒なら、外部の人も入れますよ。一緒に行ってみますか?」
「行く、行く。」
共用棟は20階建て、周りのマンションが10階建てなのでひときわ高い。
「ここはレーアントシティ住人共用の施設で、図書館だけでなく、子ども用のプレイルームやパーティルーム、集会室、カラオケ、スポーツクラブなど色々あるんです。」
「すっげー。共用施設がたくさんあるって事は、それらみんな建築戦隊の攻撃に使えるのすっか?」
オレはひたすらびっくり。
「いえ、変身者であるワタシが、施設を利用したことがあって、利用方法もきっちりわかっていないと攻撃に使えないそうです。ワタシはこの子を妊娠中にレーアントシティに引っ越してきたので、図書館とプレイルームくらいしか利用したことがなくて。」
図書館は、学校の教室一つ分くらいの広さ。隅にマットが敷いてあり、靴脱ぎスペースになっている。小さい子どもの絵本を読む場所だそうだ。小さい場所だけど、漫画や最新の雑誌、ベストセラーの本もある。貸し出しは住人のみだそうで残念!
レイナさんは、子どもに絵本を選んでいる。オレは図書館の窓からプールが見えたので、注目していた。
「いいな、プール」
レイナさんがささやいた。
「建築戦隊のスタンプ10個プレゼントに、このプール利用券はどうですか?」
オレは即座に乗った
「いいネ!」
「管理人に交渉してみますね」
レイナさんと別れ、ちょうど来たバスに乗って、○○本庫駅に戻り、そこから歩いてアパートまで帰ってきた。
いや~区内でも知らないことはいっぱいあるな~。
一斗がつぶやいている。
「本庫商店街の空き地が気になる。」
「ああ、オレも。じゃあ、その謎は、次回第1000回をお楽しみに!」
「おい、だからなんで100の次、1000なんだ? そもそも100回もうそだし。」