41軒目 リン・ボンの誘惑
JKあやか編なのに、あやかが出てきません(-_-;)
「このハンカ・チーフとリン・ボンがつぶしてやりますわ」
ハンカチの生き物が、ハンカ・チーフで、赤いリボンの生き物がリン・ボンというそうだ。
と、言われましても…。僕の膝くらいの高さの小さな生き物、簡単に踏み潰してしまいそうだ。
「大成、行こう」
僕は彼らを無視して、去ろうとした。
「おい、逃げるのかよ」
大成は去ろうとしない。
「あんなの、生身でも踏みつぶせるよ。それに、大成は怪我をしていて、戦えないだろ」
僕はこっそりと言った。
「へー、逃げるの。本当はやりたくなかった、建築戦隊さん」
リン・ボンが嫌味っぽく言った。
さっきの話、聞かれていたんだ!
動揺していたら、リン・ボンから赤いリボンがスルスルと伸びて、大成の腰に巻き付いた。大成はリン・ボンの結び目であり、顔の部分に引き寄せられた。その勢いで、大成の持っていたジュースは、手から離れ、地面を転がった。大成は、動かない、苦しそうではなく、ぼんやりとした表情のように思える。
「リン・ボンの誘惑♡よ。彼はこのまま動けないわ」
リン・ボンは宙に浮いて、大成をとらえている。大成の目はトロンとしているように見える。僕は少しずつ後ずさりして、公園に向かう。変身しなくては、でも道の真ん中で変身したら、通行の邪魔になるから、できるだけ、公園に近づいて変身せねば。
争いは好まない。ただ淡々と生きていけばいい。
でも今は戦わないといけない。
守りたいものがあるから―。
「建築戦隊 庭付き一戸建て 3000万ジャー」
変身してすぐに、窓にストライプのハンカチが張り付いた。ハンカ・チーフがたくさんの分身を発射させていた。
「取れない」
窓にくっついたハンカチを取ろうとしても取れない。瞬間接着剤が貼ってあるようだ。急いで、3000万ジャー全ての窓を開け、ロケットエンジンをセットし、飛んだ。
3000万ジャーが浮いた。
どんどん飛んでいるハンカ・チーフの分身を、高枝切ばさみを使って切った。
そして、リン・ボンのリボンも切る―。
「痛―。オレは何をしていたんだ」
リボンがほどけた大成は、尻餅をついた。その勢いで、リン・ボンを踏みつけた。
ボロボロになった、ハンカ・チーフとリン・ボンは、よろよろと去って行った。
「あれ?オレ、ジュースどうした?」
大成はあたりを見回している。ジュースが道に転がっているのに気付くと
「どうなっているんだ?まだ、飲んでいないのに…」
リン・ボンに誘惑された記憶はないようだ。
僕はもう一本、大成に奢った。
「一斗、オレが言うのもおかしいけれど、やりたくない事を、無理してやることもないんじゃないか」
敵にも知られてしまった、ならば他にも知られてしまってもおかしくはない。
「さっき、父さんがあやかに言っていたんだ。『日頃の生活を一生懸命にやれば、建築戦隊も強くなるんだ』って。建築戦隊も含めて、僕だから。次にやりたいことを見つけるまで、建築戦隊でいるよ」
ずいぶん動揺していたのに、切り替えが早い一斗。
次回は「あやかの夏休み」




