29軒目 古民家・ショージコーポ VS 山田肉店・フラワー花
「オレ、一番」
大成は張り切って、対戦順番を自分が先にするように申し出た。
「大成さんが一番という事は、必然的に、自分も一番なんですね」
古民家はしぶしぶそう言った。
「花屋と肉屋、早く、対戦しましょう」
「ちょっと待って下さい」
一斗が言った。
「5分か10分、時間をもらえませんか?作戦を練りたいので」
「いいじゃん、作戦なんて、早くやろうよ、朝早いから眠いよ」
大成がかったるそうに言った。
「負けたって、また練習して勝てばいいと言ったの大成だろ。だから、闇雲に練習しても仕方がないだろう」
「・・・・そうだな★」
大成は恥ずかしそうに、だけど嬉しそうに答えた。
パイプ椅子を並べ、試合のない〇〇レンジャーと毛明寺レンジャーの為に観覧席を用意した。
―作戦タイムー
試合開始。試合時間は5分。開始5分後で優位な方が勝ちとなる。
「建築戦隊 ジョージコーポ 家賃二万ジャー」
「建築戦隊 古民家博物館プライスレスジャー」
「建築戦隊毛明寺レンジャー 名物はから揚げ、山田肉店」
「建築戦隊毛明寺レンジャー 朝顔の観察は私にお任せ、フラワー花」
「朝だけ限定 建築戦隊毛明寺レンジャー 参上」
古民家は、セリフの息がぴったりな毛明寺レンジャーに驚いていた。他の〇〇レンジャーは、苦明寺と同じパターンの変身シーンだったので、特に驚いていない様子だった。
「大成さん、うちも決め台詞やりますか」
「おお、古民家さんいいネ。じゃあ『建築戦隊〇〇レンジャー、冥王星に代わっておしおきよ!』」
「なんか、それ違う・・・」
「え?ダメ?」
「著作権的にもどうかと・・・・」
〇〇レンジャーが決め台詞を言っているうちに、肉屋の肉が飛んで来た。
「腐った肉廃棄攻撃」
肉屋が腐った肉を投げてくる。あたりに異様なにおいが立ち込める。
「かび攻撃はどうでしょう?」
古民家がショージコーポ@大成に尋ねた。
「それはまずい、もっと周りが臭くなる。オレがまず攻撃します。 廊下の電気が切れたけれど、大家がなかなか修理に来ない攻撃」
「わたしゃ、ちゃんとやっているよ」
観覧席にいる、ショージコーポの大家である寛子は、怒っていた。
「寛子さん、これは攻撃で実際そうという訳ではないですから」
同じく観覧席にいる、一斗がなだめた。
「朝だと明るいから、電気が止められても大したことはないなあ」
ショージコーポの攻撃は失敗した。肉屋が平然としている。
「夏草伸び伸び攻撃」
古民家は、雑草を伸ばして、毛明寺レンジャーを攻撃した。
「花よ、咲け!ひまわりの大群攻撃」
花屋は古民家が生やした雑草の中に、たくさんのひまわりを咲かせた。
「とどめよ。必技フラワーアレンジメント」
花屋は、雑草とひまわり、そして肉屋のから揚げを取り合わせた、フラワーアレンジメントを披露した。
その斬新さに、観覧席のみなさんも驚いた。
ちょうど5分経ち、試合終了。
「負けちゃったな・・・」
と大成が言う。
「強かったですものね」
と古民家。




