1軒目 庭付き一戸建て3000万ジャー ー終業後の戦いー
なんとこの小説は、
神奈川県横浜市にある「つながりまーけっと ままのわ」というお店の新聞に掲連載中です。新聞は月一発行で、一話の半分くらいまで2号に分けて掲載中。
夕方、いつも通りに仕事が終わる。青年は足早に家路を急ぐ。
彼の名は、丹羽 一斗 20歳。一見物静かそうな普通のメガネ男子だが、彼にはなすべき任務がある。だから仕事は定時で帰れる区役所を選んだ。
職場を出てしばらく歩くと、一斗の前に黒い影が立ちはだかる。一斗は覚悟した顔をし、通りから外れた公園へ歩いていく。影も付いてくる。
影は言葉を話し出し、姿を徐々に表していく。
「見つけだぞ!庭付き一戸建て3000万ジャー。」
公園に着くと、影は姿を表す。
なんと!ドア。真っ白なドアで、銀のノブがあって、鍵穴がある。それが動く!はねる!
そして一斗に襲いかかろうとする。
一斗は手を合わせ拝んでいるように見える。もう諦めたのか?!
よく見ると、一斗の手には鍵が握られていた。
ボン!
白煙とともに音がした。
一斗の姿は消え、なんと庭付き一戸建てが建てられた。よくある木造2階建て古びた一戸建て。これでどう戦うと?
家の中から一斗の声がする。
「庭付き一戸建て3000万ジャー只今参上!」
ドアは、バタバタと開閉、一戸建ての庭を荒らす。
一斗は変身した一戸建ての中にいる。中は普通の自宅と変わらない。少し小さいのと、一斗しか人はいない。
変身しても一斗の服装は変わらない。ワイシャツにスラックス。
一斗は家の電話を取り、番号を押す。
「只今留守にしております。ピーとなりましたらお名前とご用件をお話し・・・。」
一斗は電話を切り、また番号を押す。
その間にドアが
「ドアポスト攻撃!」
ドアがチラシを撒き散らす。散らかって大変だ!
「こうなったら。」
一斗はいや一戸建ては、庭の大谷石を崩してドアにぶつける。
一斗は電話を切り、携帯を鞄から取り出し、仲間3人に一斉メールを打った。
「今 姫の島公園。ピンチ。」
早速変身でなくて返信。
「ごめんなさい。今子どもが熱出して来れないんだ。一斗くんがんばってね。 ☆レイナ☆」
「今、ぎっくり腰が、、、、すまぬ。 庄司寛子」
「2人はダメか。大成は返信ないけど、バイトかな。一人で頑張るか。」
その時、慌てた様子でパチンコ屋の看板を背負った茶髪の青年が、公園に走って来た。
青年はポケットから鍵を取り出し、手に挟んだ。
ボン!
「建築戦隊 2階建てアパート ショージコーポ 家賃2万敷礼二カ月分ジャー参上!
」
青年は木造2階建てのアパートに変身した。
公園が狭くなって、遊んでいた子供たちは帰っていった。
「夜中に友達呼んで騒いだら、隣人に壁ドンされた攻撃ーー!」
アパートの壁がドンと怖い音がした。
ドアは笑いながら
「夜中に騒ぐ奴が悪いよ。壁ドンですんでよかったじゃんか」
攻撃?は効かなかった。
「じゃあ、ドアドン攻撃!」
ドアはバタバタ開閉しながら、「キー」と嫌な音を鳴らす。
これは不快な音だ。日が沈み、あたりは暗くなった。
アパートの攻撃
「部屋の電気が壊れたけれど、大家が修理屋呼んでくれない攻撃!」
わー真っ暗だ。
止めだ一戸建て!
「また班長が回ってきた攻撃」
ドアは班長の重圧に負けた。
「覚えてろ」
ドアは捨て台詞を残して消えた。その時にカードを残していった。
家達は、元の青年に戻る。
「ありがとう。大成。」
「ああ、あオレバイト中だった!」
大成は走り去った。
一斗はカードを拾い、ファイルにしまった。
敵が落としたカードを集めて、いつか家ができるみたい。