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第2文節 諸処のこと あがめるものへの警句

第一文節とはうって変わってビターでダークな箴言集になってしまったので気分を悪くしたくない方は読まずに引き返すことをお勧めいたします。――心よりの忠告

思想について


 民主主義は死んだ。あるのは拝金主義と民族主義だけだ。どちらも本当はありもしないものを神の様に崇め奉っている点で酷似している

 哲学もまた死んだ。有りもしない幻想を信奉する狂信者どもによってたかって殺害された。笑いながら死ねればよいがおそらく苦しみながら死んだであろう。少しは慰みになったかね? なあ拝金主義者に民族主義者諸君。そしてついでに原理主義者諸兄。かつて殺された神の模倣者、復讐者たちよ!



政治――シリア情勢について


 悲惨な内戦であることは間違いない。シーア派とスンニ派はイラクに続きまたこの地でも激突した。しかしワッハーブ派の所行、いや存在そのものについて触れない欧州の、いや世界の有識者とやらの何を信用すれば良いというのか?

 彼等こそ聖地を不当に占拠しているムスリム最大の害虫である。そして原油とそれが生み出す金の力で世界を害をなしている!

 彼等――有識者は真実を知っているが当然口を閉ざしている。彼等は皆ムスリムなのか? 当然違う。

 彼等のパンは金であり彼等のワインは原油である。つまり拝金主義者というわけだ。彼等にとってはそれが聖なる物というわけだ!

 だが有識者、彼等はまた呪術師でもある。彼等が真実を語るとき、拝金主義とそれによりかかった資本主義――は砂のように消え去るだろう。それこそ夢や幻のごとくに。だが代わりにやってくるのはより惨めな大混乱と人類の存亡すらかかった――戦争である。有識者の皮を被った呪術師は答う。汝は戦争を欲するのかと。本当に戦争を欲するのかと。我は答える。然り! 我は戦争を欲する物なり! メルクリウスではなくアレスこそ我が信奉する神である



ある神の名を騙った寓話


 先にまがい物の神を信じていたものが目を覚ました後にあとから来た人間の影で彼等が信じている神は私が昔信仰していたまがい物の神――あるいはその卑小な劣化版だぞと自慢げに語るほど滑稽なことはない。若かった頃の君はそのまがい物の神の庇護無しに息ができるほど強かったのかね? 

 それとも自分たちが信奉した神こそ未だ正しくて、あとから来た人の信じている神はただの邪神でしかないと言うつもりかね。出て行って説法するつもりかね。……ならばもういい。君たちのくだらない神学論争に付き合うつもりはない! 


 ――人生のつらさを若さのつらさを人は一生忘れてはいけない。若いと言うだけで辛いのだ。老人はそのことを忘れてはいけない。彼等若者には慰めが必要だ。それはいつだって老人の目にはくだらないものに見える。だが彼等には必要な――あるいは世界で一番大事なものに映っている。それをあげつらうことがどうしてできようか?



吹奏楽について


 現在の吹奏楽は聴衆の為のものではなく奏者だったもの、あるいは奏者であるものたちをあやすための技巧の遊戯でしかない。死ぬべき時に死ななかった音楽は惨めである。さらなる罪は毎年大勢の若者を言葉巧みに部活動に入部させ、安くもない楽器を買わせていることだ。ただ楽器屋やその寄生虫たちの生計を維持するために! これは一種の宗教であり前途ある若者に対する大罪である


 ああところでなんで吹奏楽なんてやってんの? 男女一緒の部活でモテたいから? ああそう。そんな安い考えは高校生までに卒業しておきたまえ。――心よりの忠告



議論について


 この国では相手の意見を聞くという最低限民主的な態度すら取ることのできない人間があまりにも多すぎる。ヴォルテールの箴言は忘れ去られた。そのことが私を絶望させる。せめて人の話くらいきちんと聞きたまえ。反論するのはそれからでも遅くない


 ブーメランだって? ずいぶん安い煽りが流行ったものだ。こっちが血を流しながら書いていないとでも? それに気づかない想像力の欠如した者が私を笑うのだ! 私は常に傷だらけだし、またそうでありたいと願っている!


追記――あるいは大きなお世話


 的に当たったブーメランはこちらの手には戻っては来ないものだ。つまり彼等はご丁寧にもブーメランを投げ帰してくるのだ!


 敬意を払え。高きものにも低きものにも。自分と同じ道を歩んできた人間などいない。だから歩み寄れ。勉強しつづけろ。自分と同程度の人間を待っていているだけでは君は永遠に孤独だ。そしていつしか狂ってしまうだろう。――私のようになりたいか? 私のような狂人に?



金について


 拝金主義者の経営者が拝金主義者の労働者に裏切られるのは当然だ。子は親の背中を見て育つ。ましてや子供は金無くしては生きてはゆけぬ


 金や紙幣そのものを弄ぶ拝金主義者とそれなしで生きてゆけない拝金主義者がいる。前者は例外なく金そのものに使える祭司で、後者は二種類あり祭司と金や紙幣を信奉する狂信者と、金や紙幣そのものではなくそれと交換できるものを欲するだけの背教者である。――わたしもまた背教者の一員でありたいと願っている


 紙幣が神に列せられた。古き神々は驚き、とまどった。どう扱うか計りかねたからである

 その間に紙幣は自分以外の神々――唯一神と自ら名乗るものさえ――の口をその紙幣で塞いで縛り付けてしまった。これがこの世で一番新しい唯一神の誕生の秘話である



文章について


 文章を書くことは自らを陶酔させることもできるし反対にその狂熱を冷ますこともできる


私について


 私を信じるな。私の言葉を信じるな。私こそヤージュージュとマージュージュを従えた偽預言者ダッジャールそのひとである!


 意見が矛盾しているだって? 矛盾を抱えていない人間などこの世にはいない。むしろ矛盾していると笑われるぐらいでちょうど良いのだ!


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