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暗い闇の中に光る白刃とベッドの上で指先ひとつも動かせない体。

にやりと笑ったようにも見える黒い物体の一撃を避ける手段なんてあるはずも無く、それは勢い良く振り下ろされ――


「あぁもぅ、酷い夢だった……」


もう何度見たかも分からない金縛りとセットでさくりと殺されそうになる夢はいつも同じストーリーでいい加減鬱陶しくてしょうがない。

昨日はファム用にと山歩きで使うクロークや食料品などを買ったり、近くで催してた大道芸を三人で見てたりしてたから結構疲れてたのだろう。

特に大道芸では聴衆の中から選ばれてしまったおかげで芸人達が全力でブン投げる刃物の間に立たされてたし、たぶん夢の原因はこれだ。間違いない。


でもまぁ、今日はいつもよりずっとずっと早く起きなくちゃならないのだから例の夢を見るのも悪くは無かったかもしれない。

と、何事もプラス思考でやっていかないと冒険者家業なんてものはとても勤まらんのですマジで。


『おはよう、主』

『おはよ、エル』


ファムを起こさないようにするためか、珍しく念話で行われた挨拶を返してから軽く背伸びを一つ。

時差ボケもどきが起きてもおかしくない程度の時間に起きたというのに体は思いのほか快調で、むにっと伸びる背骨が気持ちいい。


『もう少し起きるのが遅かったら妾が起こしてたぞ』

『さすがに早すぎでしょ。まだ午前三時にもなってないんだけど』

『いやいや、早速敵さんがお出ましだからな。まさか主を寝たままにしておくわけにはいくまい?』

『へ?』


あまりにも想定外な答えに思わずエルを見れば真剣な眼差しを唯一の出入り口に向け、……てるだけなら良かったんだけど、発動寸前の魔術を待機させた状態が酷く物々しくておっかない。


『エ、エル。ちょっとなにやってんのっ!?』

『うむ、今言った通り敵が居るからな。ドアの向こうで数は三。突入員が二名で一人はバックアップか、なかなか考えられているではないか』

『ここ街中なんだけど』

『あちらさんからしたら問題ないらしいな。揉み消せるくらいの地位のやつがトップなのか考えなしのアホなのかは賭けの対象に出来そうだが、まずは迎撃しなくてはならん』

『宿のおばさんって可能性は……こんな時間で三人じゃあり得ないか』

『一応撃つのは相手を確認してからのほうが良いと思う、主のフラッシュライトを使えば割と良い感じなんじゃないか?』

『ん、了解。構えとくよ』

『さて、なら後は待つだけだな。……主の寝込みを襲ったことを後悔させてやる』

『ほかのお客さんに当たると面倒なことになるから弾は外に流さないように』

『大丈夫だ。……っとようやくかんぬきにナイフだ、そろそろ来るぞ』


ゆっくりと部屋の鍵が押し上げられ、やがて軽い金属音を立ててそれが外れる。

目の前でピッキングされるのをまじまじと見るなんて経験が今までにあるはずも無く、思わず見入ってしまったのは心の中にそっとしまっておこう。


次の瞬間、ドアが荒々しく開け放たれ――


「いらっしゃいませですよっ!」

「その果てしなく明るい挨拶はたぶん相手を間違ってるんじゃないかっ!?」


侵入してきたファッションセンスの欠片もない真っ黒二名に対して軍用懐中電灯のベゼルを向けてテールキャップをぐいりと押し込む。

夜の闇を容易に切り裂く強烈に明るい挨拶は侵入者二人の目を完全に眩惑し、たたらを踏んだ一名に対しては僕のスタンロッドが、ぎりぎり頑張ったもう一人にはエルの控えめな魔術が直撃。


部屋の壁に叩きつけられた残念な暗殺者は魔術のインパクトに耐え切れずに意識を飛ばして床へと倒れこみ、あっという間に行動不能状態へとチェンジステート。

血も流れてれば首も変な方向に曲がってるので生きてるか生きてないかだと後者な気がしてならない。どうせ喋ってくれはしないだろうからどうでもいいけど。


もう一人に対しては最高出力のスタンロッドが直撃したので生存した可能性は全く無い。

LiveLeak.comに載っててもおかしくないような焼け焦げた死体は教育上大変によろしくないのでファムが起きる前に部屋の隅にまとめて布団でも掛けとかなくちゃ。


「えねみーにゅとらーいずっ!」

「うん、大体合ってる……けどなんだろう、この違和感は」

「うむ、それはたぶん気のせいだな。あとラストは逃げおったか、……やる気の無い奴め」


まさか異世界でCQB的なナニカをやることになるとは欠片も思ってなかったぞ。

あれか、あわせて“Kill Confirmed!!”などと返したほうが良かっただろうか。


「僕としてはどこから情報が漏れたのやら、それを考えるだけで嫌になるよ。依頼受けたのは正解だったか正解じゃないか微妙なラインな気がしてきた……」

「だがあの場に居た段階で狙われたのはほぼ間違いない。なら依頼を受けただけ後で銀貨が出るんだからいくらかマシじゃないか?」


二人して軽くため息、そして続くのは疲れた笑い。

とりあえず、この血と焦げ後で汚れた室内の清掃予算とかどうしよ……。


「ともかくファムを起こして移動しようか。市街戦は死角が多いから危ない。出来れば町の外に出てロングレンジ主体の野戦と行きたいとこだけど、その前に一度スイークさん達と合流したほうが良いかな」

「一応冒険者として依頼を受けての話になるから行っといたほうが良いのではないか? 主と妾だけでカウンターすると報酬で揉めかねん」

「おっけ、じゃあ方針はまず合流、次に敵戦力の殲滅で」

「了解だ」







心配していた市街地での交戦も無く、黒装束のお客さんを外に捨てていたスイークさん達との合流も果たした現在は件のアジトに向かって暗い森の中をテキパキと侵攻中である。


「アナッサから偵察技能に二重丸なんて話を聞いてはいたがこれは……」

「ボクら二人で四苦八苦しながら夜間の移動をしてたのが馬鹿らしくなるんだけど」

「一応どころか思いっきり偵察要員で入っておきながらこれくらい出来なかったら報酬泥棒になっちゃいますって」


実際、暗視モードを自由に使える僕やエルにとって夜闇は活動を完全に自粛するような要因にはなりえず、それどころかこの手の作業の最中なら夜間のほうがいくらか活動しやすいくらいだ。

欠点といえばNECで作ってる暗視眼鏡と大差ない程度の解像度なので、細かい地図を見たり壁を触って確かめるような遺跡の探索作業には多少使いにくいかもしれない、なんて感じる程度。


「さてと、そろそろ目的地に近づきつつあるはずなんですけど」

「松明の明かりすら見えないね。匂いも無いし」

「匂いですか?」

「なんていうのかな、こう、敵が居る直前って“ここにいるぞー”っていうような匂いがするじゃない?」


僕の同意が得られないとは欠片ほども思っていないのか、フィーリアさんはまるでそれが当然であるかのような顔つきでそう言い切ってくれたのだが、さっぱり分からん。

だって匂いってそんな。シュールストレミングだって50メートルも離れたら匂いが分からなくなるってのに……。


「あぁ、ユート。フィーリアは少し、いやかなりいろんなところが人と変わってるからあんま気にするな」

「あーっ! それ失礼じゃない?」

「そう思うならもう少し女らしくしたらどうなんだよ。お前確か今年で十七だよな」

「実家のお母さんじゃないんだからもう」

「長い付き合いだから冒険者辞めろとかは言わねえけどさ、せめて洗濯くらい出来るようになれよ。お前の下着まで洗ってんだぞ?」

「いいじゃん。役得でしょ役得」

「いろいろ知らなかったあの頃ならそうも思えたかもしれん」

「そこでバッサリ言い切らないでよ。ボクが残念な娘みたいじゃないかっ!」


これ以上は聞かなかったし聞こえなかった。……聞こえなかったってばっ!

しかも緊張感をまるで感じさせないような会話を続けているにもかかわらず、エルの報告が入った瞬間にスイッチが入って敵を狩ってくるもんだから何か言うことすら出来やしない。

……それに、もうそろそろこんな風に会話をするのも終わりなのだからやっぱり止める必要も無いか。


『エル、見えた?』

『何がだ?』

『目測600メートル程度、二時方向に一人。たぶん用を足してる』

『……全く見えないぞ』

『直接の光は見えないけどブッシュの先が明るくなってるからほぼ間違いないよ。とりあえずは撃ち殺すより追跡でいい?』

『うむ。こちらに気づいてるならともかく気づいてないならそいつに案内してもらうことにしよう』


ターゲットを発見した事を二人に伝え、一気に静かになった僕らは静かに急ぎながら仄かに見える松明の光を追ってさらりと歩みを進める。

想定していた罠の類も大したものは何一つとしてなく、隠すつもりも無いトラバサミや魔力線を利用したトリップマインなど、魔獣用のがちらほらとあっただけ。

どうも、ここを感づかれたとは欠片ほども思ってないらしい。向こうさんの数名がこちらに捕まって尋問を受けていたというのにである。


「なんか意外と村っぽくなってて驚きなんですけど」

「そういう意味じゃ意外と攻めにくくて厄介だな」

「監視塔まで立ってるとはね」

「近くの木を切り倒して視界を確保してないのが不幸中の幸いってとこか」


もしくは、感づかれたとしても大丈夫だと思っているのかも。


建物の数は多くないが、魔力灯を利用した明かりのおかげで近づくだけでほぼ間違いなくこっちの姿が確認されてしまうし、監視塔に関しても無力化はともかく交代の時間を把握してない現状で撃ったりした日には交代の時間や定期報告ですぐに気づかれて大騒ぎになりかねない。


「ん」

「どした?」

「なんかあれ、騒ぎになってませんか? 最初は祭りでもやってるのかと思ったんですが……」


奴隷村(仮称)の中央に用意されたコンパクトな広場。

四方に設置された魔力灯によって煌々と照らされたそこには小奇麗な格好をした十名ほどの集団と、ワザとやってるのかと聞きたくなるくらい小汚い格好をした二十名ほどの集団が居て、何かを言い争っているようにも見える。

さすがに距離が離れすぎているせいで指向性マイクを構築しても上手いこと内容が聞き取れないので何を話しているのかはさっぱり分からんけど、少なくとも和やかな雰囲気じゃない。


「なぁ、ユート。もう少し近づくことは出来ないか?」

「発見される可能性が一気に上がるのでこれ以上はオススメできないです。バレたら突入になっちゃいますよ?」

「大丈夫。そういうの俺ら得意だから。な、フィーリア」

「うん、いけるよ」

「……いやいや、さらっと突撃前提みたいになってますけど僕とエルはあんま前に出ないですし、相手側見る限り後ちょっとで移動してもおかしくないですから、各個撃破ってわけには行かんですか?」

「ちと、こっちにも事情があってだな……」


歯切れ悪く頭を掻いたスイークさんの手は少しだけ震えていて、いつの間にか鈍く銀色に輝く槍を背中から引き抜いていた。

その、なんだ。こういうの見ると止められんわ。


「あー……。そういうことなら僕らとしては止められないです。エルもそれでいいよね?」

「うむ、もちろんだ。妾も最大限の支援を行うからな。出来ればこっち側で戦ってくれると助かるぞ」

「ありがとな。当たり前だが俺らが劣勢になったらどうしようもなくなる前に撤退しろよ? これは俺らのわがままみたいなものなんだからな」

「……そうならないことを祈ってます」

「おうよ」

「荒事はボクらにおまかせってね!」


斜めに差し出された右腕をクロスさせるように当ててから軽く手のひらで叩き合う。

一応、冒険者印のグッドラックに相当するものだとか。実は初めてやったのであってるかわからなくて少し焦ってしまった。


それが終わるとスイークさんとフィーリアさんの二人は静かに動き出す。


「先に監視塔だけでも無力化しとこう。騒ぎになるのは少しでも遅いほうがいい」

「了解。右風三メートルだが……近すぎて関係ないか」

「バレたりしたら二の矢はお願い」

「ん、任せろ」


近くの木の横木にライフルを置いて軽く一呼吸。

いつも通りの平常心のまま、適度な緊張感だけを携えながら左手でフォアアームを、右手でグリップを、そして右脇の筋肉でがっちりとストックを固定する。


視界に映るのは楽しげに談笑する二人組みのやぐらと、キッチリと周囲を警戒してるやぐら。

言うまでもなく最初に撃つのはちゃんとお仕事をしてるほうであり、逆はそれこそ放置したって構わないだろう。


特に何かを考えることも無く、魔術を撃発。


「命中だ。幸い周りには気づかれて無いぞ。次はやぐらじゃなくて入り口近くの二名にしよう」

「了解。スイークさん達が僕らと通信できる無線でも持ってればなぁ……。あのままじゃ敵にばれちゃうじゃないか」

「一応念話の魔術自体は確立してるんだが消費魔力の問題が解決出来てないんだから仕方あるまい」

「そういえばウィスリスのアレって僕が使ってもたぶんしんどいと思うよ?」

「……それ、使い物にならんな。あとナイスショット」

「さんきゅ。それと別の奴に一瞬こっち見られた。バレたかも」

「大丈夫だとは思うがそれならこっちから騒ぎを起こすか。主、次の的は広場の右から二番目、小汚い格好チームの鳥の羽をかぶったのが副官っぽいからちょうど良いと思う」

「あぁ、この状況で片方の人間が死んだら素敵なことになるね」

「うむ。命令系統は残っちゃうからな。そりゃもう素敵なことになるだろう」


にやりと悪い顔で笑うエルを見てから、鳥の羽を飾った帽子をかぶった男性の頭へと25mmの素敵なプレゼント。――その効果は劇的だった。

瞬く間に煌く白刃と怒号、それを止めようと動く人間よりもやられる前に相手をやろうとする人間がほとんどで、もう戦闘を止めることは誰にだって出来やしない。


「おおう、お互い剣を抜いてしまって」

「これはもう後戻り出来んぞ。向こうの二人も動き出したしな」

「実戦の動きなんて当然初めて見たけど……あれは、凄いね」


こちらまで音が聞こえてきそうなほどの勢いで振られた銀色の槍は敵の武器ごと首を刎ねてくるりと回り、さらに後ろから攻撃を仕掛けた奴の胴体へと突き刺さる。

しかも死にかけながら叫ぶ肉体をBBQの具材かなにかと勘違いでもしてるのか、そのまま別の奴までぶすっとやってるんだから洒落にならない。

あまりにも非現実的な光景過ぎて「あ、槍丈夫ですね」とか「腕疲れないんですか」みたいな感想しか浮かんでこないのですが。


フィーリアさんだって負けてない。

身体強化によって向上した速度はちゃんと見てないとスコープ状に拡大された視界からフレームアウトしてしまうほど早く、速度が乗れば二分のMV二乗の理屈にしたがって威力だって跳ね上がるわけで。……あ、盾ごと上半身泣き別れですか。そうですか。

僕の知ってる限りじゃもっとも切れる日本刀でだってこうは行かないんじゃなかろうか。


よくもまあ僕は武技大会であんな人らと戦ったもんだ。知らないって怖い……。


「主、どうもさっきの見られたかも、は大丈夫じゃなかったらしい。一人だがこっちに向かって来る」

「ごめん、やっぱミスってたか。迎撃するからエルとファムの安全を確保してもらってもいい?」

「主と妾の可愛い子供だからな。ばっちり守るぞっ!」

「重要なところが抜けてるよね。それ」

「そんなツッコミが出来るならやっぱり余裕だな」

「おかげですっかり平常心だよ、ありがと」


軽く熱感知モードで敵を探すと確かに一人、こちらへと向かってきている。

こちらの位置情報なんて射撃時に発生するガスくらいしかないのに迷わず、しかも随分と近づいてきているのに足音も無ければ草木が揺れる音もしないなんてことから相手の偵察能力が優秀なのは間違いない。


「あちゃー、気づかれちゃってた?」


各種ゲームの影響か、こういうときは相手の射程に入ると同時に毒でも塗った投げナイフが飛んでくると思っていただけに、まさかこんな気の抜けた言葉が飛んでくるとは予想してなかった。


「……」

「……主、暗殺者の代わりに変態が来たぞ」

「こら、そういうのは思ってても言っちゃ駄目だ」

「……え、なんで? オレ変態じゃないよ?」


分厚いブッシュからもぞりと現れた相手は、漆黒の全身タイツ姿だった。


……女の子ならともかく明らかに二十代後半の男性が着るそれは誰にも求められてないからっ!

せめてサポーターくらいちゃんとつけてっ!? 夜間だからほかの人らにはともかく、僕とエルには見えてるんだよ。ナニとは言わないけど形が。


『主、あれ撃っちゃ駄目か?』

『まだ駄目』

『むう……』


思わず“やってしまおう”と言い掛けたのは秘密。


「ほとんど全裸と変わらないような服を着ておいて変態じゃないってのもおかしな話だと思いませんか? 僕が指摘するのも嫌ですけど大きさまで丸分かりなんですけど」

「……帰るわ。さよなら」

「待て、こちらの顔を見ておいて生かして返すと思ってるのか?」

「悪役のセリフだから、それ」

「でもさっ、ユート君らもアーダルテ盗賊団を叩きに来たんだろ? ならオレって味方だよ?」

「失礼な話なんですが、証明できるものは何か持ってます? それと、ならなんで極力隠れたままこちらに接近したのかも疑問です」

「一仕事終えた冒険者に影から語りかけるってのが格好良いと思って」

「それで気づかれてたら世話ないですよ……」

「あと体を上下に揺らすでない。ファムが怯えてしまうだろうがっ!」

「あ、すいません」

「……とりあえず害意は無さそうなので僕ら帰りますけど」

「待って待って、そしたら本来の目的も達成できないじゃんかっ!?」

「目的?」

「今おちゃらけてゆっくり話したりしたらそっちのお嬢さんに頭を射抜かれそうだからさっさと言っちゃうけどさ。……その子の正体が知りたいならハートルード山地に行くと良いと思うね。うん」

「何ですかそれ?」

「正直なところオレもよー分からん。ただ、その子を捕まえたのはそこだってさ」


……なんか違和感が。

僕らのことを明らかに知ったようなしゃべり方とか、味方発言をする要素に思い当たるフシが……。


「あの……、間違ってたら指摘して欲しいのですが」

「なにさ」

「ひょっとして、その、サージンさんの言ってた斥候ってあなたの事だったりはしませんか?」

「あ、やっと気づいてくれた?」

「す、すいません。あんまりにもな格好をしていたのでついっ!?」

「主、それは相手の傷口に塩を塗りたくったようなもんだぞ?」

「だってまさか盗賊の衣類を着たままこっち来るわけには行かないじゃない。二人とも信じられないくらい遠距離からバチンバチン当てて来るんだもん。監視塔を守ってた奴が死んだ段階でオレだって必死で逃げるよ……」

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