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異世界で生活することになりました  作者: ないとう
こんにちは異世界
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2010年6月15日

今日から日記を取る。特に理由は無い。強いて言うとバッグにボールペンとメモがあったから。

記入した日付の意味があるのかは甚だ疑問だ。世界違うし。


ガルトの町まで移動開始。

幸い早々に現地に詳しいエルが仲間になったので今後に対してあまり心配は無い。

そういえばバッグの中には野外生活に便利なものが多かった。

浄水器やハイドレーションキット、シルバコンパスなど

役に立たないもの代表としてiPodとその充電器、鉛筆削り、GPS、USBのウェブカメラなど

鉛筆ないけどボールペンあるし、マジで何が目的なんだろう。このバッグ。

ちなみにGPSは電池切れで起動できなかった、そりゃそうか。


昼食はエルに採ってもらった果物、リンゴみたいな食感だが味はイチゴ

うまいが違和感が凄まじい。


夕方まで歩いてビバーク。

夕食は川で取った魚を焼いたもの、残念ながら調味料が無いのであまりおいしくは無い。

油滴る魚肉だけではなんとも寂しい、何とかして塩かしょうゆか味噌を確保しなくては。


気温は低くないので体の調子を壊す心配はなさそうだ。

空を見上げると木々の陰から月が二つ見えた。

本格的に異世界だな。





2010年6月16日

移動二日目。

朝食は無し。

体の調子を心配したが全く問題ない。

あれだけ歩いたにもかかわらず筋肉痛や疲労感が全く無い。

ちょっと体に違和感があったので全力疾走するとスプリンターのような速度で走れる上にまるで息が切れない。

結局3キロほど全力疾走したがやや息が上がったくらいだ。

エルが僕のことを人かどうか疑うような目で見ていたのがちょっとだけ悲しい。

そういえばどうやって僕についてきたのかと思ったらエルは僕に入り込めるらしい。


昼食はエルが木の実と果物を取ってくれた。

果物は昨日と同じもの、木の実はカシューナッツの味がするどんぐりだった。

やはり塩が恋しい、特にどんぐりのほうはオリーブオイルを絡ませてから塩を振り

若干フライパンで炒めることで劇的に美味しくなるだろう。


食事中にエルに僕が異世界出身のことを話した。

半信半疑みたいな感じだけど、浄水器をはじめとした現代のアウトドアグッズが証拠となり

なんとなく納得したみたい。





2010年6月17日

移動三日目。

エルに魔法を教えてもらった。

魔力を放出しながら強くイメージすると使用できる。

高枝切バサミのように使用したり、軍用懐中電灯からスタンロッドを出力したりできる。

特に炎の魔法はガスコンロとして、水の魔法は飲み水として今後非常に役に立ってくれるだろう。

実際今日は果物を取るときに便利だった。リンゴがうまい。


ちなみに魔法を使用したらエルにめちゃくちゃ驚かれた。

またエルが僕のことを人かどうか疑うような目で見ている。

これで二日連続、ちょっとショックだ。


どうも人は魔法を使うためのステップとして

1. 魔方陣を用意する(杖に込めたりするようだ)

2. 魔方陣に魔力を供給する

3. トリガーとなる言葉を言う

という手順があるらしい。

ステップを無視して使えるのがどれだけ異常かをエルは懇切丁寧に説明してくれたが、

正直詳しいところは良く分からなかった。

というかエルも似たようなステップで魔法使ってるじゃないか。(精霊だからか?)

最初に教えてくれたあの方法は冗談のつもりだったのだろうか。





2010年6月18日

移動四日目

朝食は確保できなかったのでバッグに入ってたカロリーメイト(チーズ)を空ける。

残り二つ。バッグに荷物詰めた人?もどうせならMREでも入れておいてくれればいいのに。


体力が有り余っているので連日の移動速度がかなり速い。

エルの話が間違いないならそろそろ目的地に到着するだろう。

だんだんと木が細く、まばらになっているのでそのうち草原になりそうだ。


川で水浴びし、ついでに衣類を洗っておく。さらに魚も取った。

一石三鳥だが、魔法が無ければとてもできなかっただろう。


途中売ればお金になる薬草をエルが拾ってくれた。

町に着けば当然お金が必要になるが、今の今まで気づいてもいなかった。

アブネー、町についても野宿とか悲しすぎる。


今日も夕方まで歩いて野営。

夕食はどんぐり(カシューナッツ味)と魚。


携帯用ガスコンロのガスがなくなったので捨てる。

申し訳ないけど荷物は軽いほうが良い。


そういえば野生動物はおろか昆虫すら見ていない。

この森はどこかバグってるんじゃ無かろうか。


早いところガルトの町に到着したい。

そして旨い物が食べたい。

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