人の世のめざましき発展と懸念。
今世の人の子は、竜をも従えているのか...。
まっこと感心するわ...。
ブォォォォォォォォォン!
キキッ!
「お待たせ〜小桜ちゃ〜ん♪今日はHB1◯1買ってきたよ〜、めっちゃいいらしいよ〜これ♪これで勝つるっ!ね♪」
今日も今日とてやってきたわい。
相もかわらず賑やかなことじゃのぅ。
まぁ、その心がけは関心じゃ、立派だと思うぞ。
それより気になるのは、重き鳴き声を上げながらおぬしを乗せてきたその白き仔竜じゃ。
なかなか可愛らしい顔をしておるでわないか。
単眼の竜か。
銀色の角を持っておるのう、まだ空は飛べんようじゃが、地を駆け回る事はとくいなようじゃな。
人の子はパラパラと、依代桜に粒状の肥料を巻いた後、その他の植樹した樹々にも振り撒いて周る。
なるほど、この粒は木々の糧か。
昔は人の肥を使っておったな。
いつのことだったか...、あれはわしとしてはかなり耐え難いものがあったのう。
あの時はいい加減な阿呆が直接依代の木にぶち掛けてきたもんじゃから、軽い障りをくれてやったわ。
...あの時に依っていた木は、なんで離れたんじゃったかのう?ふむ、漂の刻が永かったで思い出せん....。
この肥一つとっても、人の子の創意工夫が見て取れる。
まっこと精進してきたものじゃのう。
あとは心の在り方じゃのう。
ねっとを観るに心の在り方はあまりにも稚拙なりや。
今のままでは良き行く末は難しいぞ。
精神の熟達も急げよ。
わしはこの縁に出逢うたこやつが悲しむ顔は見たく無い。
せっかくなら、いつまでも珍妙で楽しげでいて欲しい。
神は、人の子の滅びは望んでおらんでの....。
細かいところ一つとっても、人の発展は目覚ましい。
が、それ故に精神性の未熟さは、かなりの懸念材料となる。
偶然の縁で出会った人の子を眺めながら、神は人の子の更なる成長を望んでいた。